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十代の頃からアラカンの今に至るまで続いている趣味・小説創作。noteでエンターテインメント公務員小説「やくみん!お役所民族誌」執筆を開始したのを機に、そのドラフトやアイディアメモ…
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#発達障害

0604:やくみん覚え書き/「説明すればわかる筈」幻想

0604:やくみん覚え書き/「説明すればわかる筈」幻想

Twitterで気になる書き込みを読んだ。

うーん。

小説「やくみん! お役所民族誌」では、発達障害で周囲と馴染めず内心の地獄を遍歴してきた人物を登場させている。Aのようなタイプといえるだろう。

一方、Wのような考えは世の中で普通に見かける。空気を読まない奴が悪い。それをストレートに言ってやることが本人のためになる。周囲は悪くない、嫌うことも自由だ。──果たしてそうか?

ここにはふたつの問

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0597:小説『やくみん! お役所民族誌』[18]

0597:小説『やくみん! お役所民族誌』[18]

<前回まで>

        *

 ブッさんの知る限り、これまでの候補者面談はせいぜいが30分程度だった。つまりそれまでに哲さんが相手を見限ったということだ。しかし、香守充に対する面談は1時間を超え、2時間に迫ろうとしている。
 面談当初に比べれば、充の様子はかなりほぐれた。哲さんは充に対して支配的に振る舞わない。充のどのような発言も受け止めて、ボールを投げ返す。コミュニケーションがうまく取れ

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0515:やくみん覚え書き/発達障害のこと

0515:やくみん覚え書き/発達障害のこと

 noteで執筆中の小説「やくみん! お役所民族誌」が、いよいよ押井と哲さん(これは二人とも偽名だ)の出会いの場面に突入する。その前に、以前読んでいた資料をあらためて読み返した。

筑波大学発達障害学生支援プロジェクト啓発マンガ
「ヒトはそれを『発達障害』と名づけました」

 筑波大学は私の母校だ。もっとも入学時は昭和だったので、大昔の話だが。それでも母校がこのような素晴らしい啓発活動を行っている

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0398:やくみん覚え書き/喪うことを恐れる

0398:やくみん覚え書き/喪うことを恐れる

 ふとしたことから自死遺族のTwitterアカウントをいろいろ読んだ。重たい。

 元々は、病気で早逝した同僚のFacebook過去記事を読んでいた。人柄を反映した明るい文章の中に、本人のつらさ、家族のつらさが滲んでいた。そこからTwitterで同じ病気の娘さんを持つ母親のアカウントを見つけ、その方の別の娘さんが自死をしていたことから、次々と同じような境遇の方のつぶやきを読んでいった。

 私も三

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