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大人がもう一度昆虫に魅了されて昆虫グッズを作る話。

改めて気づいた昆虫の魅力は生物多様性。神秘的なデザインをおしゃれなグッズにしてみたくなりました。

こんにちはミュージアム部の内村です。今回は自分の中で再び昆虫にハマるきっかけになった出来事と、そこから昆虫グッズを作るまでの経緯をお話ししたいと思います。

虫!こわい!きらい!

みなさま「昆虫」は好きですか? 小さなころは大好きだったけれど、いつの間にか触ることも、見ることも苦手になってしまったという人も多いのではないでしょうか。こんな話をしている私もそのひとりでした。

小さい羽虫レベルだと何にも感じないのですが、サイズが大きくなるにつれて恐怖メーターが急上昇しちゃうのです。

「カ」→大丈夫、怖くないし何なら戦える!
「ハエ」→こちらに止まらなければ大丈夫。
「チョウ」→ひらひら飛んでいる様子を遠目で見るレベルは大丈夫。
「セミ」→おなかが怖い。あとうるさい。
「カブト・クワガタ」→あれ?君たちそんな姿してたっけ!?怖ッ!!

再び昆虫に魅了されるまでの私はこのような感じでした。
一方、妻はゴキブリも手づかみで捕まえ、外に逃がすほどのたくましさ。家にゴキブリが出ると、いつもより大きい声が出て妻を呼ぶ私は弱い男です。

子どものころは虫取りに明け暮れていたのに、何でこんなに昆虫ダメ人間になってしまったのでしょう……(情けなし;;)

運命の出会い、再び(虫的に)

そんなこんなで昆虫と一定の距離を取っていた私でしたが、その距離を縮めるキッカケになったのは、息子でした。

子どもがいろんな生き物に興味を持ち出すのは世の常なのかもしれませんが、我が家の息子もついにその興味対象が昆虫に向き始めたのです。

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ハマりだしたら一直線。家は虫の本だらけ。虫のおもちゃをねだり、尊敬する大人は父を差し置いて香川照之さん(昆虫すごいぜ!のカマキリ先生)。暗いところは怖いくせに、一目虫を見つけてしまうと、空地の茂みや雑木林にだってぐいぐい入っていきます。そんな息子に合わせていくため、私も自然と昆虫の本を読むようになりました。(ファーブル昆虫記は最高)

昆虫のおもしろさ再発見

子どもの目線のおもしろいところは他に何をおいても「純粋さ」でしょう。
「何でこんな色してるの?」
「何を食べているの?」
「どこに住んでいるの?」

そのようなごく当たり前の話に答えるために、私は必死に本やネットを駆使して調べていくわけですが、あるときふと気づくのです。

「あれ?本当におもしろいぞ……」

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気に入った昆虫を描いて残すようになった息子。その作品を見ていると、「足ってこんな感じに付いているんだ」「フムフム、こうやって生まれるのかぁ」など、いろんな気づきがあります。

気がつくと私自身、恐怖より興味を感じるようになっていたのです。毛嫌いしていた虫に対してこんな感情を持つようになったのは不思議でした。

ターニングポイントは伊丹市昆虫館

ある日、かねてより親交のあったミュージアムグッズ愛好家の大澤夏美さんから、兵庫県伊丹市にある「伊丹市昆虫館」をご紹介いただきました。とてもユニークな企画展を独自で開催し、ミュージアムグッズにもこだわっているとのお話。(さすが大澤さん、グッズへの着眼点!)

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伊丹市昆虫館では一年を通じてさまざまな昆虫を飼育し、生きものと出会い、親しみながら自然環境について学ぶことができます。特徴的な大型のドームは一年中生きたチョウ(蝶)が舞う「チョウ温室」。多様性豊かな昆虫の生体展示や標本展示はもちろん、ユニークなテーマの企画展も評判の施設です。

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昆虫への興味が子どものころに戻りつつある私は、大澤さんにアポを取っていただいて、伊丹市昆虫館へと向かったのでした。

昆虫に対する日本人ならではの印象

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お話をお聞きできたのが、館長の奥山さんと学芸員の角正さん。おふたりとお話をしていると、なぜ私がもう一度虫の魅力に気づいたのか、その謎がわかりました。

奥山さんがおっしゃるには、虫に対して「知らない」ということが、恐怖や嫌悪感につながるそう。虫に対してまったく興味がない人よりも、むしろ身近な距離感を持つ人のほうが、そのような感情を抱きやすいのだそうです。

日本人は古くより虫の鳴く音を”声”や”唄”とよび、季節の移ろいを重ねて想いを寄せていました。これはまさに虫に対して感情を持っている証拠です。一方、西洋人は虫の鳴く音を”SOUND”と、とらえることが多いのだそうです。

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それほど日本人は昆虫に対して何かしらの想いやイメージを強く持っている。でもその生態が人とかけ離れていることで、ある種の恐怖感を感じているのでは、と話してくれました。

確かに私自身、大人になってからは興味対象も広がり、虫との距離が自然と開いていました。次第に知っていることより知らないことの方が多くなっていたのでしょう。(カブトムシの姿ですらツノの部分くらいしか覚えていませんでした)

生物多様性は昆虫から学ぶことができる

奥山さんは、昆虫の魅力は多様性。季節や自然の大切さを教えてくれるだけでなく、その多様さから飽きさせない魅力的な発見を常に与えてくれるのだと話してくれました。そのお話を聞いたとき、「生物多様性」を学ぶきっかけになるのではと思い、グッズを楽しみながら学ぶ、フェリシモ初(たぶん!)の昆虫モチーフグッズを作ることにしました。

バタフライエコバッグ&サナギポーチ
(アサギマダラ・オオゴマダラ)

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美しく舞う蝶も、実は不思議な生態を持つ生き物。今回選んだこの2種のチョウは、中でも不思議な生態をしています。
デザインについてはこちらの記事から!

擬態昆虫ハンカチ

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昆虫の中には「擬態(ぎたい)」といって、自然界のさまざまなものに溶け込むことができる種がいます。一体誰がデザインしたのか説明もつかない不思議な姿と生態は、まさに多様性の姿です。
デザインについてはこちらの記事から!

ミノムシペットボトルカバー

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小さなころによく見かけていたミノムシ。実はこのミノムシも想像できないような特殊な生態なのです。身近にいたけれどよく知らなかったミノムシの謎に迫ります。
デザインについてはこちらの記事から!

いかがだったでしょうか?以上が、昆虫が苦手だった私がまさかの昆虫グッズを作ることになったお話でした。
まずは、昆虫の美しい姿から距離を縮めていきませんか?

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