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あの武将がまとった鎧はおしゃれグッズになるか!? #徳川美術館コラボ ①

尾張徳川家に伝わる伝統の具足ぐそくが京都の職人技術「西陣織にしじんおり」と出会ったら、モダンでおしゃれなポーチになりました。

こんにちは、ミュージアム部の部長、内村です。
突然ですがみなさま、大河ドラマはお好きですか?私は2010年の「龍馬伝」でハマり、現在放映中の「鎌倉殿の13人」まで、なんだかんだとずっと観ています。ドラマを観ている最中、昔学んだ記憶と繋がる瞬間が何度も訪れるのですが、それがとても楽しいのです。

そしてきたる来年2024年1月には、徳川家康がテーマの「どうする家康」が始まります。今から楽しみで仕方ありません!

そんな私が所属しているミュージアム部に徳川美術館とのコラボレーション企画のご縁をいただきました。(奇跡!)

徳川美術館とは?

徳川美術館は、御三家筆頭の尾張徳川家に受け継がれてきた宝物の数々を所蔵し公開している美術館です。19代当主にあたる徳川義親とくがわ よしちかが大名文化を後世に伝えることを目的として、昭和10年(1935)に名古屋に開館しました。

徳川美術館 (愛知県名古屋市)

徳川美術館には徳川家康の遺品『駿府御分物すんぷおわけもの』から刀剣・武具・茶道具・香道具など、また尾張徳川家歴代当主や夫人たちの遺愛品や明治時代以降の収集品や寄贈品も加えた約1万件あまりの貴重な大名道具・美術品などが所蔵されています。(国宝9件・重要文化財59件・重要美術品46件)

国宝 初音の調度より 初音蒔絵硯箱 徳川美術館蔵

そのような徳川美術館の所蔵品から、今回は具足ぐそく」「初音の調度」「家光が描いたと伝わる鶏図」をモチーフにしたコラボグッズをつくりました。


尾張徳川家に伝わる家康の具足

家康の息子、義直よしなおが尾張徳川家の初代当主ということで、家康にまつわる逸品はないかと学芸員の方とお話して資料を拝見してみたところ、とんでもない品を見つけました。それがこの花色日の丸威胴丸具足はないろひのまるおどしどうまるぐそくです。

花色日の丸威胴丸具足 徳川家康着用(駿府御分物) 桃山-江戸時代 16-17世紀 徳川美術館蔵

具足ぐそく
日本における鎧兜よろいかぶとのこと。頭・胴・手・足の各部を守る装備がそなえ足りている(具足)という言葉に由来していると伝わります。

この「花色日の丸威胴丸具足」は豊臣秀吉が着用した具足だと考えられていましたが、調査研究の結果『駿府御分物すんぷおわけもの』にも記録されている徳川家康着用の具足であると判明したのだそうです。

花色日の丸威胴丸具足 徳川家康着用(駿府御分物) 桃山-江戸時代 16-17世紀 徳川美術館蔵

か…かっこよすぎる!
この具足のグッとくる部分は、何と言ってもこのカラーリングと日の丸でしょう。青みがかったビリジアングリーンの糸で組まれている胴と大袖。そこに大きく表現されたオレンジの日の丸がおしゃれすぎです。当時の武将たちも家康の具足を真似したい!と思ったのではないでしょうか。

「この具足、ええやろ?」
(注)私が勝手に妄想したおしゃれ具足をまとう家康図

具足をおしゃれなグッズにしたい

この具足をおしゃれなグッズにしたい!そして尾張徳川家が大切に守ってきたように、買ってくれた人がずっと大切に使い続けたくなるものにできないだろうか……そこで思い付いたのが「西陣織」を使った表現でした。

今回、制作をしていただく西陣織職人の工房

「西陣織」とは京都・西陣の地で作られる、先染めの織物のこと。その歴史は深く、平安の世より続く豪華絢爛な織物で美しく染められた糸を用い、さまざまな技法で織り出される文様に特徴があります。

今回、制作をしていただく西陣織職人の作業風景

職人の手で大切受け継がれてきた技術を使ったグッズなら、きっと大切に使い続けたくなるグッズができるはずと思い、西陣織を使ったポーチをつくることにしました。

性別関係なく楽しめるポーチに

表面は西陣織の職人により具足の意匠をパターン化してデザインしました。ポーチ右下には、「葵の御紋あおいのごもん」がしっかりとデザインされています。
西陣織では糸を浮かして柄を強調する技術を使うのですが、今回のポーチにもその技術が使われています。とても繊細な生地なので、ポーチに縫製する際は生地が傷まないように慎重に縫い上げています。

ポーチはしっかりとマチを作りました。そのため小さいながらも収納力があります。コスメグッズはもちろんモバイルグッズを入れて持ち運ぶのにも便利。内側にポケットが付いているので簡単な仕分けをすることも可能です。

ポーチの引手についているタッセルは、武将が戦の際に振るっていた「采配さいはい」をイメージしています。ポーチを開け閉めするとき、まるで采配を振るうような気持になりませんか?

もうひとつのデザインは徳川義直とくがわよしなお愛用の具足

実はこの具足ポーチはもうひとつ別のデザインを用意しました。そのモチーフになったのがこの尾張徳川家初代当主、徳川義直が愛用した「銀溜白糸威具足ぎんだみしろいとおどしぐそく」です。

銀溜白糸威具足 徳川義直(尾張家初代)着用 江戸時代 17世紀 徳川美術館蔵

義直は正月に行われる具足祝いの儀式のために毎年具足を新調していたそうです。

具足祝いぐそくいわい
かつて戦国時代や江戸時代の武家社会において、正月に鎧・兜などの甲冑かっちゅうの前に供えた具足餅ぐそくもちまたは武家餅ぶけもちを下げて、つちで割って食べた年中行事。「鏡開き」のルーツであるともいわれています。

義直は多数の具足を所持していましたが、この具足を旅行の際に必ず携帯したほど、この銀溜白糸威具足を好んだそうで、兜から脛当すねあてまで銀と白の部材で統一した美しい具足は、萌黄もえぎ威糸おどしいとや、大きな日の丸の前立まえだてがアクセントになっています。
この具足をポーチにしたのがこちら。

こちらのポーチも元となった銀溜白糸威具足のように、銀と白の糸で織り込み、萌黄色のタッセルを組み合わせてみました。もちろん、こちらのポーチも右下に葵の御紋がレイアウトされています。

内生地は具足のイメージに合わせて銀色に仕上げてみました。簡単な仕分けができるポケットもついています。

いかがでしょうか。徳川美術館とのコラボグッズ、徳川具足ポーチはフェリシモと、徳川美術館ミュージアムショップでお買い求めくださいませ。

徳川美術館×ミュージアム部
西陣織で仕上げた徳川具足ポーチ

花色日の丸威胴丸具足〉・〈銀溜白糸威具足
各1個 ¥3,200(+10% ¥3,520)
徳川美術館のミュージアムショップでは2月3日から販売開始します。

徳川美術館には、大名文化を感じることができる展示品がたくさん! ぜひ美術館に行ってご覧になってください。

徳川美術館
名古屋市東区徳川町1017
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 月曜日(祝日・振替休日の場合は直後の平日)
※最新の情報は公式HPでご確認ください。
Twitter https://twitter.com/tokubi_nagoya
Instagram https://www.instagram.com/the_tokugawa_art_museum/
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