見出し画像

知らない漱石を知ることができる!漱石山房記念館に行ってきました

こんにちは、フェリシモミュージアム部のうちむらです。今日は、東京新宿区にある漱石山房記念館に行ってきたのでご紹介したいと思います。

画像2

住宅街に現れた漱石山房記念館

東京メトロ東西線早稲田駅 1番出口を出て、閑静な住宅街を10分ほど歩くと、ガラス張りのおしゃれな建物を見つけることができます。これこそが漱石山房記念館です。

画像2

漱石山房記念館は明治40(1907)年から大正5(1916)年、漱石が亡くなるまでの9年間を過ごした「漱石山房(そうせきさんぼう)の敷地後の一部を「新宿区立漱石公園」として整備し、夏目漱石の資料を収集・研究・展示している記念館です。

この記念館のおもしろいところが、夏目漱石の生前暮らしていた空間を、館内にまるっと再現し、当時の交友関係などもふまえて、夏目漱石という人物の魅力を伝えているというところです。

戦前の貴重な資料から建物を再現

画像3

館内資料に、漱石山房の当時の姿を映した貴重なパネルがありました。戦争で建物や資料はほとんど燃失したこともあり、全国から集めた数枚の写真から、建物の外見や漱石が執筆活動をした室内を再現したのだそうです。

画像5

画像4

漱石は板間にペルシャ絨毯を敷き、そこで執筆していたのだそう。窓の位置、姿見やライトの雰囲気はもちろん、本や資料の積み重ねられた様子まで再現されています。

画像9

画像6

洋風な雰囲気の漱石山房をそのまま再現しており、こちらは館の三方に廻っていた回廊。ここで作品に対して想いを馳せたり、門下の仲間たちと、作品談義をしたのでしょうか。(あっ…ネコチャン……

画像7

漱石は芭蕉の木も好んでいたらしく、館の外に忠実に再現されています。

また漱石は大の甘党で、お菓子、果物なども好んで食べていたそう。ジャムに至っては食べ過ぎで医者に止められるようなこともあったのだとか!

画像8

当時の漱石山房には食べることができる果物をたくさん植えていたそうで、館のまわりにも柿や石榴などがたくさん植わっていました。

グッとくる漱石の作品のことばたち

画像11

館内に再現されている漱石山房の展示の横から2階に上ると、漱石の作品から館の研究者の皆さんが選んだ、ことばの数々が展示されています。

画像12

「この一文、知っている!」となる言葉がたくさんあります。しかし意外と作品の最後まで読んだことがないという方も多いのではないでしょうか。(実は私も……)

画像13

展示されているのは作品の中の一節ですが、どれもその物語を想像させてくれる素敵なことばばかりです。パネルひとつひとつを見ているだけで、物語をもう一度読んでみたくなる、そんな気持ちにさせてくれます。

2階の展示室には、このほかにも漱石を取り巻く人びととの関係性がわかる資料や、漱石が詠んだ俳句、漱石と絵画などについて紹介されています。

個人的に「これはアツい!」と思ったのが漱石の作品の草稿の数々です。草稿とは原稿の下書きのことで、いわば作品のラフスケッチの様なものです。漱石山房記念館には、有名な作品の草稿が多数所蔵されていて、展示されているのはそのレプリカですが、それを見ると何度も書き直した箇所や、インクの痕跡を見ることができ、

「ここで苦労したのかな?」「この構想はすでに決まっていたんだな」

など、想像を膨らますことができます。

夏目漱石という人物を知ることができる

画像10

フロア1階に戻ると、時代ごとの漱石を知ることができる展示があります。漱石のたどった歴史とその当時の姿を写真付きで見ることができます。

画像15

画像14

画像19

こう見ると、どの時代の漱石もなかなかのイケメンですね~。

ちょっと休憩にちょうどいい CAFE SOSEKI 

画像17

1階奥にはおしゃれなCAFE SOSEKI(カフェソウセキ)も。

ここでお買い上げいただいた飲み物やスイーツは、カフェスペースでいただくこともできますが、1階展示場横にあるブックカフェに持っていって、本を読みながらいただくこともできます。

画像18

画像18

写真:漱石山房記念館より

いかがでしたでしょうか。今回は漱石山房記念館のご紹介でした。夏目漱石の作品はたくさんありますが、その作品の世界を生み出した漱石という人物を知ることができる、とてもいい記念館でした。

秋の夜長、改めて家にある『夢十夜』『坊ちゃん』をもう一度読み直そうと思います。

漱石山房記念館
10時00分~18時00分(入館は17時30分まで)
漱石公園開園時間
4月~9月 …8時~19時
10月~3月  …8時~18時
 ※ブックカフェ利用時間 10時00分~18時00分(ラストオーダーは17時)

この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?