伏水瑚和

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伏水瑚和

note初心者。私生活事情により更新お休み中。 激重感情増しな和洋&現代ローファンタジーの、恋愛小説を創作してます。 イノセントな世界観にある切なさや苦さを描いた、耽美で叙情的な話を好んで書きますが、癒やされる可愛い話も読みます。 アイコン→ノーコピーライトガール様他のフリー素材

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    進捗報告、何でもない雑談など マガジン画像は会員様(お名前失念…申し訳ないです…)の作品をお借りしております。

  • 厄咲く箱庭 ― 花巫女と災いの神【創作長編】

    連載長編小説『厄咲く箱庭 ― 花巫女と災いの神』シリーズ一覧。 和風恋愛ファンタジー。シリアス。R15未満。 現在、月に1ページ約10000字(3話)分更新予定。マガジン画像は、SNAO様のフリー素材をお借りしたものになります。

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    当方が創作した短編一覧。ショートショートもあります。 マガジン画像は、ふうちゃん様のイラスト作品をお借りしております。

  • 戦火のアンジェリーク【創作長編】

    連載長編小説『戦火のアンジェリーク』一覧。 ヒューマンヒストリカルロマンス。R15描写あり マガジン画像はミカスケ様のフリーイラストをお借りし、色味加工させて頂いたものになります。 終盤辺りまで完成しておりますので、少しずつ掲載します。

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厄咲く箱庭 ― 花巫女と災いの神(1) 壱.両極の能

序.尊巫女  ――これは現世の何処か、裏に存在すると伝えられてきた、古の理が息づく世の噺。  そこに生きる人族の者は、八百万の神々を崇め、妖を畏れる暮らしと共に在った。  その中でも、彼らを祀り、鎮める社を司る一族に生まれ、特異な能を持つ人族の女は『尊巫女』と呼ばれる。  彼女達は、十八になると神々の住む神界に向かうという慣わしが、遥か昔からあった。雨喚ぶ巫女は龍神界、陽をもたらす巫女は稲荷界へ行き、彼らの神力を借りる梯子と成るのが生まれながらの役目、責務である。  神族

    • 今日は『天使の日』だそうですね。 連載中(現在私事で休載中)の長編タイトルにある『アンジェリーク』は、フランス語で『天使のような』という意味ですが、 これは主人公の名を表す他に、苛烈な現世を必死に生きる、真面目で誠実な老若男女を実は称しています。作中で描写出来てたら良いのですが。

      • 厄咲く箱庭 ― 花巫女と災いの神(6) 参. 天上天花

        参. 天上天花天罰  その夜の夕餉時。いつものように、部屋でカグヤと食事を摂りながら、ずっと気になっていた事をアマリは相談した。反物の礼に何か出来ないか聞いた時の荊祟の返答が腑に落ちなかったのだ。 「……確かに大したお役には立てないでしょうけど…… 女中の皆様の負担を少しでも軽く出来ると思うのです…… 気を遣って下さったのでしょうか……」 「だと、思いますよ。そもそも、貴女様は、長年の疲労が重なってか、お身体が少々弱っていらっしゃいます。初めてこの界にいらした時、長様が

        • 厄咲く箱庭 ― 花巫女と災いの神(5) 参.天上天花

          参.天上天花其々の選択  身体のどこにたまっていたのか、幾年分の涙を流し続け、ひとしきり泣いた暫し後――アマリは宙を飛んでいた。粉雪に変わった真夜中の宵空を、規則的にゆらり、ふわり、と瑞風――もしくは鳥の背に乗ったように。 「……長様、あ、の」 「喋るな。舌噛むぞ」  心身共にがちがちに固まっているアマリは、すぐ傍……眼前の荊祟を顔を見やる。冷え切った身体は彼が着ていた漆黒の羽織に包まれ、そのまま抱き抱えられるような状態で、アマリは狼狽えつつ身を預けていた。  そんな

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        厄咲く箱庭 ― 花巫女と災いの神(1) 壱.両極の能

        • 今日は『天使の日』だそうですね。 連載中(現在私事で休載中)の長編タイトルにある『アンジェリーク』は、フランス語で『天使のような』という意味ですが、 これは主人公の名を表す他に、苛烈な現世を必死に生きる、真面目で誠実な老若男女を実は称しています。作中で描写出来てたら良いのですが。

        • 厄咲く箱庭 ― 花巫女と災いの神(6) 参. 天上天花

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          連載中の長編に影響受けた、西洋近代が舞台の映画やドラマを観た時、現代日本の文化や生活とさほど変わらないのに驚いたのを覚えてます… そんなに文明が進んだはずの世界でも、あんな大惨事が起こってしまったのだと思うと、とても他人事に思えなくてゾッとします…

          連載中の長編に影響受けた、西洋近代が舞台の映画やドラマを観た時、現代日本の文化や生活とさほど変わらないのに驚いたのを覚えてます… そんなに文明が進んだはずの世界でも、あんな大惨事が起こってしまったのだと思うと、とても他人事に思えなくてゾッとします…

          連載長編『厄咲く箱庭』の恋愛進展速度…… 『戦火のアンジェリーク』より焦れったいスピードになりそうです。関係的に仕方ないのですが、読者さんにしびれ切らされそう…… 「それでもいいよ! むしろ歓迎!」という方は、どうぞよろしくお願いします。

          連載長編『厄咲く箱庭』の恋愛進展速度…… 『戦火のアンジェリーク』より焦れったいスピードになりそうです。関係的に仕方ないのですが、読者さんにしびれ切らされそう…… 「それでもいいよ! むしろ歓迎!」という方は、どうぞよろしくお願いします。

          戦火のアンジェリーク(15) 3. Wales ~ the UK

          3.Wales ~ the UKAubade ~ 彼は誰故に  様々な不安を抱えた、英国の短い夏が終わりを迎えた、1940年の9月某日。突如、ドイツ空軍による攻撃が、首都ロンドンの街を襲った。翌年の春まで続き、後に『ザ・ブリッツ』と歴史に語り継がれる事になる、ロンドン大空襲の始まりだった。  アンジュ達の住むカーディフ近郊は、ロンドンからはかなり離れている。しかし、流れ弾や爆破に巻き込まれる可能性を危惧し、周辺地域の住民は、カーディフ城内地下の防空シェルターに避難する事

          戦火のアンジェリーク(15) 3. Wales ~ the UK

          厄咲く箱庭 ― 花巫女と災いの神(4) 弐.二律背反

          弐.唯我独尊居場所  それは理解していた事実だったが、先程の会話の中で感じ取った、逆に彼の何かが自身と共鳴し、救いを求めているような……そんな自惚れと勘違いしそうな予感があった。  それが、どうしようもなくアマリを駆り立てていたのだ。それが何という感情なのか、動力なのかも……わからないまま。 「貴女様のその心持ちは美徳ではございますが、場合によっては、ご自身を窮地に陥れる要因にもなり兼ねません」 「……ありがとうございます。すみません。こんな事……」  暫し、気まずい

          厄咲く箱庭 ― 花巫女と災いの神(4) 弐.二律背反

          花散る雨、里で生る(3)(完)【短編】

          終.はなちるさとで永久に 「……また、話しても、ええの?」  ――……いや、もう声はかけられない。そもそも、今回は本当に特例だ 「……そ、か」  こうなるかもしれないと、どこかで覚悟はしていたが、どうしようもない名残惜しさ、寂しさがわき上がり、ちりちり、と胸の奥を痛ませる。  ――そんな顔をするな。姿は見えないだろうが、私はいつもこの辺りに居る 「……桜の事はもう願わへんけど……話しかけてもええかな? 返事はいらんから……」  ――なら、聞いた証として、帰る時

          花散る雨、里で生る(3)(完)【短編】

          花散る雨、里で生る(2) 【短編】

          弐.あめあられ桜雨  忘れたくなくて、少しでも思い出に関わっていたかったのだ。唯一の理解者がいなくなった現実の受け入れ方、どんな風に心を落ち着かせたらいいのか、今でもわからない…… 「おばあちゃん……ほんま急やったんよ。元気そうやったのに…… 病気が見つかった時は、もう手遅れやった……」  自分自身でもずっと操り切れなかった何かが、口にしていく度に暴れ出す。小さな心の中に収まり切らないモノが、言葉になって少しずつ吹き出していく。 「……もしかしたら、うちがずっと迷惑

          花散る雨、里で生る(2) 【短編】

          厄咲く箱庭 ― 花巫女と災いの神(3) 弐.二律背反

          弐.唯我独尊保護  ――…………  ……遠い、遠い彼方から、何か……聞こえる。  キャン、キャン、と叫ぶ、悲鳴のような子犬の鳴き声。  『かえして。おねがい。しんじゃうわ』と必死に乞う自分の弱々しい叫び声。その場に座り込んで、ひっく、ひっく……としゃくりあげる。  涙と鼻水で濡れた顔がみっともなくなり、慌てて拭おうとした瞬間――自分と変わらない大きさの柔らかな手が、その手を包んだ。  続いて、ぶたれた痛みがまだ残る額を、ぎこちなく撫でてくれた大きく固い指……二種の淡い

          厄咲く箱庭 ― 花巫女と災いの神(3) 弐.二律背反

          戦火のアンジェリーク(14) 3.Wales ~ the UK

          3.Wales ~ the UK声を無くした天使  大人に成り立ての一人の少女が生きてきた時間は、人間の一生から見たら、ほんの僅かだろう。が、今までに自身が見聞きしてきた現実から、人間の戦争というものの真理を、漠然とだがアンジュなりに察していた。  人間が集まる所には、多かれ少なかれ、複数のカテゴリーや階層、理不尽に支配する者と服従する者が生まれる。倫理や制度も名ばかりで無意味……そんな世界で逆らう術も無いまま生きていくには、自分の意思すら抑え、滅し、流れ行くしか出来な

          戦火のアンジェリーク(14) 3.Wales ~ the UK

          戦火のアンジェリーク(13) 3.Wales ~ the UK

          3.Wales ~ the UK★始まりと予兆  同日の夕刻。ジェラルドは、グレアムが常連客として通っているという、ジャズバーに来ていた。昼間はカフェとして営業しているが、夕刻から深夜にかけてはバーになる。雇われのブラスバンドによる演奏が流れる中で、飲酒や軽食を楽しむ店だ。そのピアノ演者担当の面接を受ける事になったのだ。  この数日間、グレアムと相談した結果、教養はあっても、ここで生かせる仕事は限られているとわかった。不況の今、求人も多くは無い。ジェラルドの特技がピアノと知

          戦火のアンジェリーク(13) 3.Wales ~ the UK

          戦火のアンジェリーク(12) 3.Wales ~ the UK

          3.Wales ~ the UK翡翠の目醒め  一度、落ち着かせてほしい、とジェラルドが先に浴室を使い、続けてアンジュもシャワーを浴びた。温かな湯を全身に受けて、ようやく、心が落ち着きを取り戻す。  体中が生き返ったが、彼に触れられた部分が、水圧を受ける度、一層熱く、甘くざわつく。自分の身体なのに、もう自分のものではないような気がした。何かが新しく刻まれたような、何かを遺されたような余韻が、纏う。  髪と身体を拭いて乾かし、持って来たネグリジェに着替え、バスローブを羽織り

          戦火のアンジェリーク(12) 3.Wales ~ the UK

          七夕前夜(3)(完)【短編】

          終夜 彼らの反旗 『誕生日おめでとう。今年は直接会って祝えなくてすみません。残念です。  これからどうなっていくか分からない、相変わらずの毎日ですね。それでも、こんな俺と繋がっていたいと思ってくれてて、本当に嬉しいです。  お陰でしんどい時も頑張れてます。ありがとう。詩織が、好きです。』  何度も書き直したような、下書きの跡だらけの便箋に綴られた、数行のメッセージ。  彼の想い全てが、目から頭、そして心の奥まで一気に伝わる。身体が芯から震え、詩織はその場に座り込んだ。目頭

          七夕前夜(3)(完)【短編】

          戦火のアンジェリーク(11) 3.Wales ~ the UK

          3.Wales ~ the UK間奏 ~ 救済  闇から逃れるように辿り着いた場所は、青々とした草原と荒涼な大地、連なる山脈、石造りの街に守られていました。  心地好い薫風が吹き抜け、草花の香りが漂い、牧羊の鳴き声が響く、のどかな風景。  温かく素朴な料理、軽快なブラスバンド、飾り気なく豪快に笑い、陽気に歌う人達…… 皆さんは、ここは凡庸で娯楽も何もない、労働者ばかりの退屈な所だ、と言いました。  ですが、私にとっては、きらきらした温かな光と、甘いお砂糖が降りかかった、

          戦火のアンジェリーク(11) 3.Wales ~ the UK