【データドリブン採用の第一歩】選考フローを定量的に分析するための仕組み大解剖
皆さんこんにちは 🙋🏻♀️ ポテンシャライトの阿部です。
ポテンシャライトでは、日頃からHRパートナーとして、採用企業さまそれぞれのニーズを伺いながら、多岐にわたるお仕事をご一緒させていただいております。
直近のタイミングですと、4月から新年度スタートの企業さまも多く、前年度末から対応されていた「採用戦略設計が完了」し、いざ「採用注力する」フェーズへと突入されているかと思います。
このようなご相談をいただくことがありました。
普段、採用管理ツール = ATS (※以下、ATS)等を導入され、採用選考の進捗管理などをされている企業さまも多いのではないでしょうか。多くのATSでは数値のレポート機能があり、データドリブンな採用活動を加速させてくれているかと思います。
しかし、それらレポートなどの定量的 / 多角的な分析を人事 / 採用担当側が「最大限」活用できているかとそうではないような場面も多くあるのではないでしょうか。
そこで今回は、「課題に応じた数値の定点観測ができるようになると良いのでは!?」という仮説のもと、様々な定量的 / 多角的な採用選考進捗の分析方法を整理できればと思います。
では、早速はじめましょう!
1. 採用活動における定量的指標「歩留まり」とは
詳細な採用進捗の分析方法についてまとめる前に、まずベースとなる採用活動における「歩留まり」について記載します。
HR領域でのご経験が長い / 知見に明るい方には共通言語として認識されているかもしれませんが、現場のメンバーの方や採用活動にご協力いただく方は耳慣れない言葉かもしれません。
こちらのnote に詳しく記載があるので、「歩留まり…🧐?」という方はぜひ合わせてご覧ください。
一般的には、採用活動において上記の「選考遷移率」を軸とした会話がなされることがほとんどです。(本noteでは後半にこちら以外もご紹介しますのでご安心を🙌)また、これらの選考の歩留まり(選考遷移率)には、指標となる数値が存在します。
まずはこちらの「歩留まり」から分析 / 課題解決していきたい!とお考えの場合は、ぜひ こちらのnote をご参照ください。
2. 「●●率」が「良い状態 or 悪い状態」を判断するには
歩留まりにおける「●●率」(書類選考通過率、など)が現状健全な状態であるのか、改善の必要があるかどうかは企業さまによって異なるかと思います。
上述の通り、「一般的な選考歩留まりパターン」が存在しており、そちらを指標として良し悪しを判断いただくことが無難と考えています。
ただし、この数値に執着してしまうことは必ずしも健全とは言えないかと思っています。
例えば、直近半年間の「2次(最終)面接合格率」のトレンドが80%でかなり良いものだったのに、今月から55%になった。(※例なので内定数や最終面接数に変動はないとしましょう)これは「一般的な数値」からみると「5%上振れている」ため健全な状態と言えますが、自社採用のトレンド数値から見ると「25%の下振れしている」状態になります。
この場合、「複数選考官が変更になり、」「ポジションに対する期待値が必要以上に上がっている」など定性的な変数が関与していることが多く、数値から気づきを得て、選考フローにおける課題を早急に解消する糸口になります。
一般的な数値と比較することに追加して、「直近の自社数値のトレンドとの差分」を見ることをおすすめします。リアルタイムで採用選考がうまく行っているか否かの判断ができると思います。
3. 採用選考フローにおける「数値集計ポイント」
採用選考フローにおいて、何かしらのデータを集計し振り返りや課題分析に活用するためには「どんなポイントで数値(データ)を集計できそうか」を可視化する必要があります。
図でまとめたように、企業側はかなり多くのステップを経て1名の採用決定へと繋がります。
これらのステップをそれぞれが持つ特徴から、以下の2つのフェーズに分けて整理します。
これらは「実際に求職者さまと採用企業さま側が接点を持ったか」どうかで切り分けています。注目できる指標が異なるためそれぞれ整理します。
3-1. 認知 / 興味 / 応募(スカウトを含む)フェーズでの定量分析
このフェーズでは、企業さま側が発信した情報を「求職者さま側が一方向的に受け取る」フェーズです。採用マーケティング施策(例:採用広報の掲載)やスカウト送付を行い、求職者さま側が企業さまへ「認知」され「興味」をもち、実際にスカウトに返信するなどのアクションを起こすまでを切り分けています。
■ 採用マーケティング
採用マーケティング施策には、多く採用広報の記載や動画のアウトプットなど、企業さまからの情報に対して求職者さまが認知、興味を持ったかどうかを定量的に計測する必要があります。
最近はGoogleアナリティクスや各掲載媒体の分析機能により「どんな人がどこで何を見たか」がわかります。それらを定期的に計測し、振り返りすることで「採用ターゲットに各施策が届いているか」を確認することが可能です。
■ スカウト
各媒体を用いたスカウト送付は、最も採用企業さまの認知を獲得することができる施策かと思います。(企業さまの名前や詳細が明記された文章が直接採用ターゲットと思わしき求職者さまへ届けられるため)
これらが適切な採用ターゲットへと届き、返信という形でのリアクションを集計すること、またいかに多くのリアクションを創出することができるかが決定することによって採用成功に直結した数値計測となります。
特に「送付返信から書類選考通過率」については、定量的な分析に取り組まれている企業さまはそこまでいらっしゃらないのではないでしょうか。1通のスカウト返信からカジュアル面談を経て「本選考の書類選考を通過しているのか」を確認することで「採用ターゲットとなりうる求職者さまに対して適切にスカウトを送付できているか」という振り返りの指標として用いることが可能です。
■ 応募
実際に求職者さまが採用企業さまを認知し、興味を持って応募に至るまで、またその応募数が「どのポジションに多いのか」「どの媒体からが多いのか」といった「応募数 プラスα」の分析をすることが重要だと考えています。
こちらは、ほとんどの採用企業さまが数値計測に取り組まれているかと思うので詳細は割愛します。
採用媒体別の運用については、こちらのnote に当社のベストプラクティスをまとめておりますのでぜひご覧ください。(SNS等でかなり反響をいただいております✨)
3-2. 書類選考から内定、内定承諾までの選考フェーズでの定量分析
このフェーズでは、求職者さま側が採用企業さまに対して興味を持っていること、また「採用企業さまと求職者さまとの間に直接のコミュニケーションが発生する」フェーズです。採用選考における見極めや惹きつけといった様々な観点がコミュニケーションに追加され複雑性を増します。そのため「定量的に計測する観点を絞ること」が重要になります。
■ 応募から書類選考フェーズ
求職者さまから選考書類(履歴書等)が提出され、採用企業さま側で最初の「見極め = 選考においてのジャッジ」をするタイミングです。
書類選考が「どのチャネルから創出できているか」「そもそも書類選考はどれぐらいの割合で通過しているのか」など、様々な観点から計測することができます。
書類選考に対しての選考遷移率( = 書類選考通過率)を振り返ることはもちろんですが、書類選考を「どれぐらいの評価で通過した方が内定を得るのか」などその先の選考ステップと絡めた分析をすることも可能です。
その結果として「書類選考が高評価で通過した求職者さまは●●といったプラスαのアクションをしよう」などといった「狙いを定めた採用活動」が可能になります。
■ 本選考フェーズ
本noteの冒頭で記載した「歩留まり」についての記載内容と重複する部分があるため、簡潔にポイントのみ記載します。
一般的な歩留まり数値を指標とした定量的な分析が重要になりますが、追加で分析の指標とするならば、上記のようなポイントが挙げられます。
「なぜ選考を辞退したのか」については定性的な要因も多く含まれるかと思いますが、「どのタイミング(選考ステップ)での辞退が多いか」についてなど「いつ」について注目できると体系的な分析が可能になります。
選考辞退(特に内定辞退について)は、こちらのnote でもまとめています。気になる方は合わせてご覧ください。
また、再掲にはなりますが、歩留まりの改善の重要性については、こちらのnote にて詳細を記載しています。かなり網羅的に記載されているので合わせてこちらもどうぞ✨
4. 定量的 / 多角的なデータ分析における”落とし穴”
ここまで、様々な切り口での採用選考を定点観測する手法をご紹介しました。自社の採用課題に対して「よりクリティカルな解決方法は何か」を模索するためのヒントになればと思っています。
ATSを用いた定量的、多角的なデータ分析は非常に有効である一方で、意外と見落としてしまいがちなポイントを2つ記載します。
■ 「定性的な要素」も選考には含まれること
数値的な結果として「●●率」などと表現することは可能ですが、採用選考のフローは全て「人が文章(履歴書等)を解釈した結果」「人と人とが話した(面談 / 面接)結果」を可視化しています。
など定性的なネガティブ要素は特に「辞退理由」などで正直にご共有いただけないことも多いです。こういった定性的な内容を「定量的に読み取って」アンケート結果などで計測することになる、という性質を持っていることをご認識いただければと思います。(知っているだけでも、自社の採用選考について俯瞰して考えられるようになるかと感じています)
■ ATSやその他ツールの使用が浸透していることが「前提」となること
😌 < 面談 / 面接後に評価コメントをすぐ登録する〜など、ツール運用はしっかりとできていますでしょうか…?(・・・読者の皆さまの心に直接話しかけています。)
ATSやアンケート、評価者による選考スコアの登録などなど。様々な方法でデータを計測しようとしても「社内メンバーが計測内容を理解し、ツール使いこなせていないと」で正確なデータ収集ができなくなってしまいます。
ツールを使うように依頼する側も使用する側も双方が納得した上で確実に運用できるような採用選考フロー設計が重要です。
5. 最後に
いかがでしたでしょうか。
採用選考における定量的な分析は、計測すればするほどに「あれも…これも…」と様々な指標で採用活動が健全に進んでいるのかどうかを確認したくなるものだと思います。
まずは基本的な数値計測の仕組みを構築できると、その後の採用活動やより深堀りした計測についても実行しやすくなるかと思います。筆者も日々アップデートできれば…と励んでいます🙌
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