NYでのコロナウイルスによる影響日記5

3/21(土)

うかつだった。髪を切るのを後回しにしていたらすっかり忘れていて、外出禁止令による「美容室も営業停止」というニュースを見たときに初めて髪を切りたかったことを思い出した。

私は側頭部や後頭部は3ミリくらいに刈り、頭頂部のみ長髪で、それをオールバックにして後方で束ねる、という髪型にしている。

長髪部分はいくら伸びても構わないが、側頭部と後頭部が絶妙に伸びてきて、なんとも形容しがたい髪型になってしまっている。

まあ人に会う機会も無いので構わないけれど。

危機的な状況があぶり出すもの

飲み水がなくなったので、今日もスーパーに行った。

外出禁止令なんてどこ吹く風、といわんばかりに人で溢れている。誰もマスクなんて着けていない。ブルックリンは現在1700名以上の感染者がおり、日に数百人というペースで増加しているが、むべなるかなという感じがする。

しかしこれは単に「アメリカ人はテキトー」とかいう話ではない。

見た目で判断するのはよくないけれど、今の状況でも変わらず街中を歩いているのは、経済的に決して豊かではない人たちが多い。

トイレットペーパーが1ロールずつバラ売りされているのが当たり前なエリアは、6ロールとか12ロールのセットでまとめ買いするようなお金の余裕がない。もちろん買い占めも起こらない。事実、今日もスーパーに行ったが品揃えは十分。一部の紙製品が売り切れていたが、買い占めではなく仕入れがストップしたためだ。

こうした環境で生きている人たちにとって、中流以上の国民が見るという暗黙の前提で放送されているニュースは、深い溝の向こう側の世界の話でしかなかったりする。

国民健康保険という制度がないため、個人が民間の保険会社に高い保険料を払って加入するのがアメリカの一般的なかたちである。保険に入っていても、さらに高額の医療費を請求されることも多いという。貧困層にそんなお金の余裕はなく、多くが無保険状態なので、医療に関する情報は「自分には関係のないこと」になってしまう。

富裕層の多いマンハッタンではゴーストタウンのようになっていると聞く。9.11のときもそうだしハリケーン「カトリーナ」のときもそうだが、危機に瀕すると経済格差がこれでもかというほど可視化され、否応なしに視界に入ってくる。それはなかなか、キツイものがある。

もちろんこれはアメリカの程度が甚だしいだけで、日本でも同じようなことが起きているはずだけど。

閑話休題

日記に話を戻す。マンガを描いた。慣れないキャラクターやラジカセを描いたため非常に時間がかかった。今住んでいる部屋にはデスクがなく、マンガは図書館とかカフェで描こうと思っていたので、それらがロックダウンしてしまった今は作業環境的にも厳しいものがある。

話題になっているJay Electronicaの新譜を聴いた。ふつうに聴きやすいけど、そんな話題になっている意味がよくわからなかった。楽曲は90年代〜00年代のヒップホップが好きで、クランクやEDM、トラップとかが好きではない、という人なら聴きやすいだろう。でもそんな新鮮さのあるものでもないように思う。

ROCNation加入から10年も経ってからの初リリースであることや、客演の多さ、その使い方が話題になっているように見えるけど、それが音楽的な良さとどう関係あるのかよくわからん。

そういえば今日はジョギングをしていない。公園は相変わらず混んでいるのかな。混んでいるだろうな。

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