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キーワードから作るカラー配色の基本


「なんか爽やかな感じの雰囲気にして欲しいんだよね」なんて頼まれたり、「今回は季節感を大事にしたいなあ」とか「ノスタルジーなイメージを感じとってもらいたいな」なんて思惑がある時に、一番イメージを伝えられる方法がそのキーワードを連想させるカラー配色の選定です。

「クリア」「季節感」「ノスタルジー」など、キーワードを連想させるような配色を作りたい場合、その言葉から連想するイメージ写真を選定してから配色を作っていくことをおすすめします。言葉にイメージを持たせて作りたい配色の方向性を決めると、言葉のイメージからブレずに配色を作ることができます。
また、イメージ写真があると配色を作る時にガイドのような役割になってくれて、配色が苦手な人でも楽に決定できます。

キーワードから連想できるイメージ写真を探す

例えばキーワードが「春」であれば、春っぽい雰囲気のイメージ写真を探していきます。

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そうすると、人は何をみて「春」と思うのか、といったような印象の整理もできるようになってきます。また、クライアントとイメージを共有すれば、イメージの齟齬がないかのすり合わせにも活用できます。

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探した中から表現したいものに近い「春」のイメージ写真が決まったら、これをベースに配色を作ります。

イメージ写真から配色を決める

イメージ写真が決まったら、以下の3つの工程に進みます。

1. 一番目立たせたい色を先に決めてから周りを固める
2. 配色だけで立方体が作れるような色構成にする
3. 面積とセットで色構成する

これらは配色を決めるときにイメージ写真がなくてもやることですが、イメージ写真があるとよりこの工程が楽になります。

1. 一番目立たせたい色を先に決める
いわゆるアクセントカラーを先に決めて、次に全体の雰囲気をメインカラーに委ねていきます。

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今回の例では彩度の高いピンクをアクセントとし、メインも面積の割合が多い淡ピンクにしました。イメージを選定していると、この最初の色決めもある程度迷うことなく追行できます。

2. 配色だけで立方体が作れるような色構成にする
アクセントとメインカラーを決めたら、サブ色はイメージ写真とすり合わせつつ、メインカラーと組み合わせて立方体になるような色味に調整していきます。
奥に見える色、前に見える色を意識して構成することで、どんな場面にも使いやすい配色になります。
今回は5色で配色を作りますが、配色の中の3色で立方体にできれば、この配色の中で奥行きやイラストなども表現できる万能な配色になります。また、立方体を作る色彩要素として、反射光や陰影色などを組み込む必要があるので、自然とペールやダル色などの明度や彩度の低い色も駆使することになり、色の組み合わせ自体の奥行きや幅も出やすくなります。

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ちょっと強引ですが今回は5色全てを立体要素に入れて、どの色が隣り合っていても大丈夫な配色かどうかも確認しています。

3. 面積とセットで色構成する
配色は面積のバランスでかなり印象が左右されてしまうので、イメージ写真の面積を参考にしながら印象が遠ざからないようにそれぞれの色の面積もセットで調整します。

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まとめ

このようにキーワードからイメージ写真を選定して配色を作ることにより、イメージの具現化がブレずに楽に行えます。
キーワードには、必ず付随するイメージがあります。そのイメージをイメージ写真に落とし込むことで、配色のベースがブレなくなり、深みと幅も広げやすくなります。

今回は「春」というキーワードで例を出しましたが「ノスタルジー」「ゆめかわ」など他のキーワードでも同じように作れます。

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どんなキーワードにも対応できるので、ぜひ参考にしてみてください。


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