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ていねいな暮らしを目指したり目指さなかったりする梅仕事顛末

ずっとやってみたかったのだ、梅酒作り。

スーパーで揃う梅酒作りの材料

広口瓶 4リットルサイズ
青梅 1キロ
氷砂糖 1キロ
ホワイトリカー 1.8リットル

毎年この時期になるとスーパーの入り口付近で青梅や氷砂糖が売り出されるので気になっていた。

ただ、たいていのスーパーでは保存用の広口瓶までは売っていない。

瓶。瓶こそ欲しいのに。
なんだったら梅はわりとどこでも売っている。季節の果物だからスーパーに行けばたいてい取扱いがある。
ホワイトリカーも氷砂糖も、探せばわりとすぐ見つけられる。
なぜか毎年、この広口瓶だけ近場で見つけられない。
料理趣味の友人にこぼしてみたらば「ウチの近所の八百屋は瓶も全部セットで売ってるのに」という。いいなあ。どうしてわたしの家の周辺にはそんな気の利いた八百屋がないのだ。
なにせ大人が両腕で抱えるほど大きなガラス瓶だ。それなりに重たいだろうから、遠くまで買いに行くのも億劫である。
時々、出先で見つけることはあった。それこそ食器店の店先とか、ドンキとか、なぜかヤマダ電機の催事スペースとかで。
でもそれは出先で、たいてい別の用事や買い物や待ち合わせのために、そしてやはりその存在感のある巨大さゆえに、見送らざるを得ないのだった。

こう、絶対なんとしてでもやってみたい!というほどのことでもなく、実行まであとひとつ、でっかい瓶という決定打が足りないのだった。

かといって送料を払って瓶だけを通販するほど、猛烈に熱烈に梅酒を漬けたいとわけでもない。
というか梅酒梅酒と言うけども、こんなでっかい容器に作って一体自宅のどこに置いておく気なんだ?
さらに自宅は温度管理が行き届いているわけでもなし、万が一失敗して腐らせでもしたらどうする?
そもそも本当にそこまでして梅酒など漬ける必要があるのか?

などと埒のあかないことを悶々と考えているうちに、毎年梅酒作りのシーズンが終わるのだった。

今日、月頭の買い出しのつもりで近所のスーパーに行ったら、梅と氷砂糖とホワイトリカーと広口瓶が全部一緒に売られていた。


気がついたら、すべての買い出しを放棄して梅酒セットを買っていた。


ありがとう。
ありがとう、近所のスーパー。
買い出しは台風が去ったらあらためて行きます。

意気揚々と帰宅し、さっそく梅仕事にかかった。

・広口瓶をぬるま湯で洗い、水滴が残らないよう拭く。
・梅のヘタを竹串などを使って取り除く。
・梅を洗い、水滴が残らないよう拭く。
・瓶の中に、梅と氷砂糖が層になるよう重ねて入れる。
・ホワイトリカーを注ぐ。

一番上がちょっとかたよった

どんなに大変なことかと思ったけど、1時間ほどで作業は完了した。
これを書き始めたのは漬け終わって3時間ほど経った頃だけど、上部の氷砂糖はすっかり溶けてしまって梅の多くが浮かんでいる。
浮かびっぱなしはよくないらしいが、なにせまだ漬けて3時間だ。明日以降どうなっていくかが楽しみでならない。


なお梅酒を漬けたことをさっそく友達に伝えたら、

「やったのかお前……梅仕事………」
「なんて丁寧な暮らしを……」

という、強さを求めて禁断の邪教に手を出しあとは死を待つしかない戦友(とも)に送る悲歎みたいな返信を即座に返してくれたので、やはり持つべきは愉快な友人だなと思う。

梅酒、うまく漬かってほしい。
「なんて丁寧な暮らしを……」と言ってる友人も飲みに来ることだし。
梅酒が出来上がる頃までに、今度はレードルを入手しておきたいところだ。

レードルという名前が出てこなくて「梅酒 かき氷 お玉」でググってしまった

「レードル買わなきゃ」
と言うわたしに、件の友人が、
「ガチ勢になっていくね」
と言った。

ていねいな暮らしガチ勢

なんて丁寧じゃない言い回しだろうか。
実にわたしっぽい。

そのくらいの大雑把な丁寧さで、梅酒が出来上がるのを気長に待とうじゃないか。


では、また。

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