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ラポールの形成について

ビジネスで成果の向上を図るためにはラポールの形成が必要



〈目次〉
1.はじめに
2.ラポールの形成により得られる効果
3.ラポールを形成するメリット
(1)コミュニケーションが取りやすくなる
(2)相手からの信頼を得やすくなる
(3)受け入れやすく共感につながりやすい
(4)相手の心の奥にある考えや気持ちを伝えて
もらえる
(5)仕事の成果を上げやすくなる
4.ラポールの築き方や手法
5.おわりに


1.はじめに
ラポールとは、フランス語で「関係」「関連」という意味の言葉で、心理学やセラピーの分野でカウンセリングをするうえで重要なコミュニケーションとしてよく用いられている。

現在では、ラポールの用法の幅が広がり、ビジネスの場面でも「話し手と聞き手との間に構築される信頼関係」を表す言葉として積極的に使われるようになった。

ビジネスで成果の向上を図るためにはラポールの形成が必要である。上司と部下、顧客と営業担当などでラポール形成がされていると、コミュニケーションが円滑になり、信頼関係の強化が見込める。


2.ラポールの形成により得られる効果
ラポールを形成すると、具体的には、以下のような効果が期待できる。

・同僚から本音の意見を聞き出せる
・相手からの信頼を得やすくなる
・顧客から本音のニーズを聞き取りやすくなる
・顧客が提案や説明を安心して聞いてくれる

十分な信頼関係を築くことでビジネスが円滑に進むため、ラポールの形成は結果として大きなメリットがあるといえる。

ラポールを形成するためには、相手に寄り添うことが重要である。また、相手に合わせたコミュニケーションスタイルを身につけられれば、より効果的だ。


3.ラポールを形成するメリット
ビジネスシーンにおいて、ラポールを形成するメリットを5つ取り上げる。ラポールを形成することで相手の興味・関心が分かり、その後の会話の糸口にしやすくなる。

(1)コミュニケーションが取りやすくなる
ラポールが形成されると、コミュニケーションが容易になる。

なぜなら、安心感や信頼感が生まれることで、互いが本音で会話をすることができるからだ。相手が不利益を与える存在ではないことが分かることで、安心してコミュニケーションが取れる。

(2)相手からの信頼を得やすくなる
信頼があると会話が円滑に進むだけでなく、相手の本音や隠れたニーズを引き出すこともできる。相手のニーズを引き出すためにもまずは信頼関係を築くため、ラポール形成に努めることがおすすめだ。

(3)受け入れやすく共感につながりやすい
ラポール形成により、話が受け入れてもらいやすくなり共感が得やすくなる。

信頼できる人と信頼できない人が同じ内容を話していた場合に、話に共感しやすいのは前者である。このように、同じ話でも信頼関係が確立されている状態であれば、相手に自分の話を受け入れてもらえる。

商談や取引を成功させるために、まずはラポールを形成して、共感を得やすい関係を築くように努める。

(4)相手の心の奥にある考えや気持ちを伝えて
もらえる

ラポールを形成することで、相手の心の奥にある考えや気持ちを伝えてもらえやすくなる。心理的安全性が高まることで、自分の考えや感情を安心して発言してもらえるようになる。

同じ社員同士であっても、信頼関係が築けていなければスムーズに話を進めることはできない。深層心理を引き出す会話がしたい場合は、ラポールを形成し、相互の心理的安全性を高めて、発言しやすくすることが重要である。

(5)仕事の成果を上げやすくなる
先述したとおり、ラポールの形成は、仕事に良い効果をもたらす。

信頼できる人にしか話さない内容を聞き出すことができるので、商談や取引で結果を出しやすくなる。また、同僚同士でラポールが形成されれば、建設的な意見も発言しやすくなり、仕事の内容の充実につながる。


4.ラポールの築き方や手法
ラポールを築く方法には、さまざまなものがある。近年はコロナ禍の影響もあり、リモートワークが広く普及した。雑談などで相手の考えをつかむ機会が少なくなっているため、ラポールを活用するのは効果的である。

以降、ラポールを形成するためのポイントをあげる。実際のビジネスシーンで活用してみるとよいと思う。

(1)第一印象を良くする
人の第一印象は会って3秒で決まると言われている。人と人とのコミュニケーションにおける情報伝達手段の割合を示したメラビアンの法則では、視覚情報が55%を占めている。

ラポールを形成する際も第一印象は重要で、身だしなみを整えることはもちろんですが、相手と話すときの表情や姿勢、声のトーンなどにも注意する必要がある。

(2)相手との共通点や興味を探る
相手と同じような価値観を持っていることで、ラポール形成がスムーズに運ぶこともある。興味を持った話題が共通している人に対しては親しみを感じやすくなる。

また、相手の声や顔、身体の動作を観察し同調させることでもラポールが形成される。相手が自分と行動の癖が似ていると思うと親近感が生まれ、ラポールを形成することができる。

(3)相手の話すペースやトーンに合わせる
相手のペースに会話を合わせることもラポールを形成するのに効果的である。話すスピードや声のトーンを合わせ適度な相槌を打つことによって、相手の共感を得ることが期待できる。

また、相手が納得していない表情をしていたら説明を追加したり、要点を簡潔に伝えたりするなどしてアプローチに変化を加えるのがポイントである。相手を観察して得た情報を生かしてコミュニケーションを取るとよいだろう。

なお、これらは相手の心を開くためのテクニックになるが、やりすぎてしまうと逆に不信感を生むことにもなる。そのため、あくまで1つのテクニックとして捉え、お互いの興味・関心を理解し合い安心感を生んだり、仕事以外の話題で気持ちをほぐしたりすることが重要だと理解しておく。

(4)ラポール形成を行う際の注意点
ラポール形成を行う際に注意することは以下の3点である。

・相手に共感と理解を示す
・テクニックに頼りすぎない
・相手を知る


ラポール形成では、相手に共感することと理解を示すことが重要である。相手を否定してしまうと、相手の心は離れて信頼関係を築きにくくなってしまう。自分と異なる考え方でも、まずは肯定して安心感を与えてから自分の考えを伝えていく。それが信頼関係の構築に役立つはずだ。

また、ミラーリングやペーシングなどのテクニックがラポール形成に有効といわれることもありますが、わざとらしい言動として相手に不信感を与える可能性がある。

なぜなら、必要以上のミラーリングやページングによって、相手に「この人は自分を観察して真似している」と思わせることになり、なぜそんなことをするのかと疑われてしまうからである。テクニックに頼らず、相手の状況を見ながら場を進めていくようにする。

ラポール形成では、相手について知ることも大切である。相手のことが分からないまま、手法を使っても効果は高まりません。相手を観察することはもちろん、相手の好みや価値観を知ることが重要です。表面上ではなく心から相手に興味を持ってコミュニケーションを取ることで、相手に親近感を持ってもらうことができるでしょう。


5.おわりに
今回は、ラポール形成に関して、意味や手法、そしてビジネスシーンでの効果を中心に解説した。

ラポールを形成することで、日常生活はもちろん、ビジネスシーンでも高い効果を得ることができると思う。


参照元: 「RECRUIT 人材育成・組織開発サービスサイト」

以上

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