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しっくりくると離れがたいもんで

思いがけず、椅子を買った。
朝、家を出るまでは、自分が椅子を持ち帰るもんだとはまったくもって1ミリも思っていなかっただけに、これにはびっくりだ。
だけど、出会ってしまったものは、仕方がない。
座った瞬間に、離れがたくなってしまったんだもの。。。

そもそも母のつきそいで、のこのこ出かけたわたし。
孫たちのプレゼント選びに励む母と目当てのお店を回っていると、ふと視界に飛び込んできたキャンピングコーナー。

キャンプかー、いいなー。

今や超インドアなわたしが何をいう。
自分でも笑っちゃうけど、やりすぎると対極に向かいたくなるように、去年から随分とおこもりがすぎて、野外活動がしたい。野原なんかで太陽を浴びたりそよぐ風を受けながらゴロゴロ昼寝したり本読んだりなんかしたい。 ああ、妄想が、妄想がふくらむ。。。!!

去年の5月、ちょうど緊急事態宣言が出てしばらくしてから、わたしの中で小さな衝動が起きた。気候も良くなってきて、出かけたくてうずうず。その時に、狭いベランダにレジャーシート敷いてお茶をすすってみると、これはこれで、なんかいいかもしれないと思った。ただ、コンクリの上にシートだとお尻がひんやりするし、痛くなる。

椅子だな。。。椅子があれば。。。

とはいえ、一時の妄想と気の迷いでポチるのは危険。
あってもいいけど、なくてもいいものを買うのに躊躇するようになったのは、その後の仕事が「片付け本」だったからというのもあるかもしれないけど。がっつり没頭しちゃって、編集作業をしながら自分を何度戒めたか。

手帳のほしい物リストに、「座り心地のいい折り畳み椅子」と書いてだいぶ月日が経つ。それが今日、ポンと目の前に現れたもんだから。これはちょっと座って確かめてみようかな。ひらがなの「し」をちょっと倒してナナメにしたような絶妙なハイバックの椅子に、恐る恐る腰かけてみる。

なんだこれ、すごくいい。。。!!

お尻がすっぽり包まれながら、ナナメ上を見るような角度なのに安定的でリラックスできる。ていうかもうこのまま寝れちゃいそう。だめだ、しっくりきすぎて、もう、立てない。これはもう。。。。。

「買います(キッパリ)」

1ミリの迷いもなく、財布開ける始末。からだが覚えちゃったらね、離れがたくなるものよ、しょうがない。こうなったらとことん使い倒すのみ。

でもこの椅子、しっかりしたつくりなのに、びっくりするくらい軽いから、どこでも持ち運びできるし、便利! 何よりこのすっぽり包まれた時の安心感だけでもわたしにとってはプライスレス。ベランダもいいけど、部屋で使いたいなー。

え? 部屋。。。!?

野原はどこ行ったのさ。。。野外活動は。





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