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情報を減らせば抽象化する

今から書くようなことって、写真学校では教えてもらうのでしょうかね?
僕は写真学校に行ってないからその辺、全くわかりません。

切り詰め大魔王先生との会話

生徒:先生、路上の写真を撮ってきました!

大魔王:どれどれ見せてみい

生徒:これです!

大魔王:なんじゃこれは?

生徒:やっぱり変ですかねぇ〜

大魔王:変ですかねぇ〜じゃなくて(笑)
    いろんなものが写り過ぎとる。表現したいものを切り取りたまえ。

生徒:それじゃあこれではどうでしょう?

大魔王:どうでしょう?じゃなくて(笑)
    良くなったが、君は横断歩道を見せたいのかね?

生徒:うーん・・・🤔

大魔王:車の方を切り取ってみたらどうかね?

生徒:こんな感じですか?

大魔王:あっさり言う通りにするんじゃな(笑)
    なかなか面白い写真になっとるのう・・

(カネオくんじゃないです)

大魔王的いい写真

僕が昔よく読んだ写真の本には、切り詰め大魔王先生が居られて、

写真表現とは真に表現したいものに肉薄することだ

と教えられました。

同じ風景を見ていても、先生の着目点はその中のごくごく一部なんですよね。ほとんどマニアかオタクか変態に近いレベルでの一部だったりしたのです。

それを見て想像せよ

ということなのでしょう。

想像させるということは、鑑賞者が様々な受け止め方、感じ方をすることを許容するということなんだろうと思います。
周りにあるものの実際と、鑑賞者が想像する世界とは、全く違っていていいのです。
むしろ、違うものを想像するから、写真が芸術性を持つのだと思います。

匂わせる

という表現がされることがありますが、それはイコール「想像させる」と言っても良いかもしれません。

  1. 限られた情報を与えて、鑑賞者が想像することを期待する

  2. 作者がイメージするものの方へ鑑賞者を誘導できるレベルの情報を与える

  3. 情報が少な過ぎた場合、鑑賞者が全く勝手なものを想像してしまって失敗する

「匂わせる」には、2のような情報を与える必要があるだろうと思われます。ただ、3は、抽象絵画的なものなら成功になるのでしょうかね(?)

情報を減らせば最終的には抽象化する

写真の中の情報を減らしていくと、最初の段階では主張が明確になる場合があるけれども、それを過ぎると抽象的で分かりにくいものになって行きます。

  1. 構図を切り詰める(モノを減らす)

  2. カラーをモノクロにする(色を減らす)

  3. コントラストを高くする(階調を減らす)

  4. 関係性を失わせる(説明的な表現を減らす)

それぞれを、どのレベルで表現するかによって、様々な写真表現が生まれ得るのだと考えます。

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