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手段を失うと弱くなる

弱者」とよく言われますが、弱者ってどういう人のことを言うか、説明できますか?
僕もいきなり聞かれたら答えに困りますけど。

生きていく上で、人間はいろんな困難に直面します。
それを何らかの手段でもって解決していくのですね。

ある人はそれをお金で解決し、ある人は他人の協力を得て解決します。
またある人は、自分がひたすら手足を動かすことで解決したり、さらには道具を使ったり、いろんなことをします。

でも、そういう取り得る手段が少ないと、どうなるでしょうか?
なかなか解決できずに困り果てます。

弱者というのは、そうやって困り果てている人のことを言うのだと思いますね。

入院したときの体験

僕は、2年ぐらい前には、長い間、入院していました。
頭がおかしかったので(笑)初期にはベッドに縛りつけられていました。
別に暴れたわけではないですよ。大人しかったのに、縛りつけられ、監視されました。

スマホやパソコンなど、通信手段を持つことが許されず、外部からの電話連絡は取り次いでもらえず、自分から電話することだけが許されていました。
病棟の廊下の端に扉があり、鍵がかけられていました。逃げられないようにね。

そういう環境に置かれると、人間って、いじけてしまうのです。
もともとダメな人間だと自分で思っていたのに、さらにダメな気持ちになってしまいます。どん底です。

何もできない。下手なことをすると叱られる。反抗すると評価が下がる。
まあたぶん、刑務所にいる人って、そういう感じなんだろうなと思いました。

すべてが、病院のペースで進んでいきます。自分はその上にただ、身を委ねることしかできません。
まあそれでも、一応は良心的な病院だったので、それ以上に人権が侵害されることもなく、病状の回復が阻害されることもありませんでした。
それだけはラッキーでした。

手段を持てるだけで幸せ

入院する前から、僕はすでにパソコンやスマホがまともに触れない状態になっていました。
退院してパソコンが触れるようになったとき、はじけましたよ!
それでSNSをやり始めたり、メルカリに出品したり、Amazonで買い物をしたりしました。
手段があるということが、こんなに素敵なことだったなんて!!!

その勢いのまま、今に至ります。

誰でも弱者になり得る

僕は、自分で平均以上に知的で、行動力もあり、なんでも出来ると思っていましたが、病気になったときに、すべての自信が奪われました。
病院など、周りの人は普通に話していると思うのですが、馬鹿にされているように感じたり、他人に従うことしか出来ない自分の不甲斐なさを感じました。自分の希望は「お願い」するように伝えないとなりませんでした。

屈辱的です。

でも、そういう状態に置かれると、自分だって完全なる弱者になるんだなと思いました。
だから、元気なときに、出来るだけ手段を持っておいて、少々のことでは全てが失われることが無いようにしたいと思いました。

お金だけでなく、健康もそうだし、友人関係など人のつながりもそうです。
どれかが足りないと思ったら、他のどれかを出来るだけ確保しておきたい。
そんな風に思うようになりました。

人生におけるリスクを最小限に抑えるには、複数の解決手段を確保することは、鉄則なのだろうと思います。

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