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42 悲しい再会

亮佑「と言っても、雫は何も知らないけどな。俺が上手く利用しようとしたんだ。雫がお前のことを好きなのは丸分かりだったし、お前はノンケだからフるのも分かってた。だから雫を唆して告白させたんだ。もしフラれたら理由を聞けって言った上でな。」

亮佑「もしかしたらお前がバカ正直に自分はノンケだから付き合えないとか言うかと思って証拠を押さえようとしたんだよ。その後その音声をクラスにバラしたらお前はバラしたのは雫だと思い込むだろ。雫に罪を着せられるいいチャンスだったんだよ。」

亮佑「なのにあいつ、理由も聞かずにすぐ逃げやがって。オッケーもらえるとでも思ってたんだろうな。バカみたいに。」

亮佑「これはダメだなと思ったら俊が来てくれたんだよ。隠れて聞いてたらまさかのカミングアウト。いやあ、ラッキーだったね。だから作戦変更して俊がバラしたことにしたんだ。」

亮佑「お前が俊に接触してくることも分かってたから、予め手を打ってな。」

ー過去回想ー

亮佑「あっ、なあ俊。お前知ってるか、一輝ってどうやらノンケ…。」
俊「知ってる。」
亮佑「あ、そう。(まあ分かってたけど。)…なあ、今までずっと騙されててショックだよな。しかもノンケとか気持ち悪いしさ。」

亮佑「多分あいつ俊と一番仲良かったから、これからいろいろ話しかけて来ると思うんだ。でももうあいつと話したくないだろ?だから俺らと一緒に行動しねえ?俺らが守ってやっから。」

ーーーーー

こいつら…俊も雫も利用しやがって…!

そのとき、亮佑たちの後ろから3人の人影が近付いてくるのが見えた。

亮佑「やっと来たか。」

一輝「…雫!それに、あのときの女!」

それと別の輩の3人だった。

雫「一輝くん…ごめんなさい…。捕まっちゃった…。」

夢花「一輝、久しぶりね。あたし夢花っていうの。」
一輝「…。」

亮佑「俺たちの監視に抜けがあるとでも思ったか。お前と雫が路地裏でイチャついてたのも全部見てたんだよ。」

一輝「だったらなんですぐ雫に攻撃しなかったんだ…。」

亮佑「お前を油断させるためだよ。全ては今日、このときのためにな。…お前は上手く騙されてくれたよ。河川敷みたいな丸見えのとこで平気でこの女と喋ってくれたしな。」

有希「ごめん、私が甘かった…。」
一輝「そんなことないよ!俺が…。」

亮佑「もちろん、雫とキスしたからってお前がゲイだってことにはならないからな。雫から言い寄られて仕方なくしたんだろ。せっかく出来た味方だから断れずに。…お前はノンケだ、一輝。」

違う…俺はそんなつもりで雫とキスしたわけじゃ…。

亮佑「ノンケに味方するやつも同罪だ。有希と雫も一緒に俺らが裁きを下してやる。」

すると、夢花が前に出て来た。

夢花「男の人相手に色仕掛けしたことなかったから緊張したわ。」

一輝「初めから俺がノンケだって知ってたんだな…。」
夢花「そりゃそうでしょ。あんなバカみたいなこと偶然起こるわけないじゃない。」

憤りの中で、俺はあのときの疑問を思い出した。

一輝「…ビーノンって何だったの?」

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