11 事態が動き出す
夜中、トイレで目が覚めた。トイレへ向かう途中、話し声が聞こえた。大輔さんは父さんと同じ部屋で寝ている。何を話しているのかと思って聞き耳を立てた。
大輔「大丈夫?一輝くんいるのに。」
一輝の父「大丈夫だって。さっき様子見に行ったけど、もう寝てたよ。」
大輔「そう?ま、じゃあ大丈夫か。」
一輝の父「ああ。大輔〜大好き〜。」
大輔「竜一くん…。俺もだよ。」
聞かなければ良かった。なんかもはや男同士とか関係なくて、父親のベッドでの雰囲気を聞いてしまってすごく複雑な気持ちになってしまった。ていうかこれ、トイレ流したら起きてるのバレて気まずいじゃん。どうする…。
結局、水を流さず部屋に戻った。気持ち悪かったけど、バレるよりマシだ。部屋に戻るときにもちょっと声が聞こえてたから、バレてはないだろう。
〜〜〜〜〜
ある日、学校で4人で昼ごはんを食べていた。
康太「そうだ、あれ楽しみだね〜。」
俊「何?」
康太「春の懇親旅行〜!」
雅也「そうだな。ま、エルジーランドなんかいつでも行けるけど、学校行事で行くのも面白そうだな!」
そう、もうすぐ懇親旅行だ。行き先は大人気遊園地のエルジーランド。宿泊先はその近くのホテル。一泊二日だ。まあ俺も一度行ったことはあるけど二年前だし、久しぶりに行けるのが楽しみだ。すると、エルジーランドのパンフレットを見ていた雅也が言った。
雅也「おっ俺らが行く日、ちょうど期間限定のGOGOショーやってるじゃん。」
俊「えっ、そんなの全年齢でやっていいの?」
雅也「いや、流石に内容はマイルドになってんじゃね?」
康太「でも楽しそうだから行きたいね〜。子供が生でGOGOさん観れる少ないチャンスだし〜。」
また知らないワード出た。GOGO?子供は観れない?まあ、後で俊に聞こっと。
〜数時間後〜
一輝「…GOGOってなに?」
俊「ええ、一輝GOGOも知らないのかよ。…ホントに一輝って、異世界から来たのかってレベルで何にも知らないよな。」
ちょっとドキッとした。半分当たってる。
俊「GOGOボーイっていうのは、すごいカッコいい男の中の男みたいな人で、クラブとかのショータイムで踊ったりパンツのモデルしたりしてる芸能人みたいな人だよ。」
一輝「へえ、そうなんだ。そんな人が遊園地でショーすんの?」
俊「まあ単純にカッコいいし動けるから、ヒーローショーとかもたまにしてるし、最近はそんなに大人の世界の仕事って感じでもないよ。」
ふーん、そんな職業があるんだな。そうだ、ここで推しの一人でも作っとけば今後また楽になるな。
ーーーーー
亮佑「なあ、お前同じ中学から来たやついんの?」
誠慈「一人いるよ。一輝ってやつ。」
亮佑「ああ、あいつか。あんま仲良くねーの?喋ってんの見たことないけど。」
誠慈「まあ、ちょっとな…。」
亮佑「ん〜?その感じは仲良かったのに何かあって喋らなくなった感じだな?」
誠慈「いや別にそんなんじゃねーよ。」
亮佑「嘘つくなよ!ぜってー何かあっただろ!ホラ、言え!」
誠慈「…誰にも言うなよ。いや、実はさ…。」
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