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18 ランドを後に

男性客C「そうだよな!女と二人でいただけでノンケ扱いとか失礼だよ!」

この人たちは、キスしたことまでは知らないのか。それはまあ良かった。
でも、俺はノンケだし、ノンケ扱いが失礼ってそっちの方が逆に失礼じゃないか?

とは言っても、じゃあノンケ扱いされたいかと言われるとそれも困るし、してもらえるわけないんだけどさ。

まあ、良かれと思ってフォローしてくれてるのは分かってるから何も言えない。それに俺もそういう細かいところまであれこれ言えるほど、異性愛のことを分かってるわけでもない。

男性客A「で、特に怪我とか物盗られたとかはないですか?」
一輝「あ、それは大丈夫です。ホントに別に、全然。」

男性客B「なんとか無事みたいで良かったっすよ。」
一輝「あ、はい。ありがとうございます。」

この三人組とは会話もそれぐらいにして別れ、俊たちに合流した。

俊「さっきの人たち、あの騒ぎのときにいた人?」
一輝「あ、ああ。そうらしい。心配してくれてた。」

康太「そんな大ごとだったの〜?」
一輝「いや、そんなでもないけど。まあ絡んできた奴うるさかったからちょっと注目はされてたかも。」

雅也「お前らさっさと土産買わねーともう集合時間だぞ!」
一輝「あっ、そうだ!急がないと!」

17時。学年全員が集合する。先生にも生徒にも何も言われることはなく、なんとかエルジーランドでの時間をギリギリ無事に終わらせることが出来た。
よし、あの一悶着は俺の中だけで収まってる。良かった。

近くのホテルへ移動する。バスの窓からエルジーランドを眺める。まだあそこにあの女の人はいるんだろうか。

あの女の人が何者なのかはよく分からないけど、もう一回会ってちゃんと話したいな…。本当にノンケなら、せっかく知り合えたわけだし、ビーノンのことも聞きたいな…。

ーーーーー

男性客A「あの子、かわいかったなー。」
男性客B「そうだな。いかにも高校生らしい若い男の子って感じだったな。」
男性客C「おいおい、手出したら逮捕だぞ。」

男性客A「出すわけないじゃん。」
男性客B「てか、なんであのとき助けにいかなかったんだよ。まあ俺もだけど。」
男性客C「あいつらに目つけられたらヤバいだろ。まあ、もうちょっとボコられてたら通報してたよ。」

男性客A「…そういえばあの子の制服、会珠高校だったんじゃね?」
男性客B「え、あれが会珠か!ちょうど今年、あの絡んでた男と同じグループのやつが入学したっていう…。」
男性客C「マジ?大丈夫かな、あの子…。」

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