WEB広告100%で、ブランド認知を2倍にしたマーケティングの話
この記事を書こうと思った理由
こんにちは!サトエリです。株式会社GA technologiesと言う会社でMarketingをしています。この記事は私がGAにJoinして担当した認知PJT、2023年3月〜2024年1月についての内容です。書こうと思った理由は純粋に同じ興味や志を持った人たちと仲間になりたい、話たいと思ったからです。私の奮闘記が皆様のマーケティングの役に立てばいいなと思いつつ、まぁ、こんなやつがいるんだ笑くらいの読み物として読んでいただけたらと思っています☺️
謝辞:2024年5月で退任されました田吹元CDOに深く感謝したいと思います。新たなフィールドでのご活躍を祈念いたします。
1. 認知上げたら売上って上がりますか?WEB100%で認知上がりますか?
私が23年3月に入社してすぐの1on1、こんな問を田吹さんからもらった。
『やってみないとわからない』と答えたと記憶している。何ともはっきりしない応答だがそう答えるしかなかった。
私のバックグラウンドは自己紹介の通りで、消費財のマーケティングをベースとしている。消費財のマーケティングにもいろいろあると思うが、いわゆるP&Gが展開しているマーケティングが正統派のお手本ではないだろうか。前職のユニ・チャームでもP&Gに倣い、ブランドマネージャー制を敷きマーケティングを行っていた。
問に話を戻そう。まず私は、消費財で経験してきた、
・選好率×成約率×単価
・人口×カテゴリー使用率×ターゲット人口×認知率×加重配荷店率×トライアル率×リピート率×使用量×単価
などに当てはめて考え始めた。
しかし、私が立っているこの場所は、投資用不動産の世界である。全く謎すぎる異世界である。下のような疑問が湧いてきた。
・投資用不動産1軒2000万円以上、消費財は1個100円〜、そもそも認知を上げるとか、そんな話が通用する世界なのか?
・誰?どういう人が顧客?何のニーズ、モチベーション持ってる?
・不動産は一物一価と言われるし、結局ベネフィットもRTBも物件それぞれ?
・WEB100%で 認知を広げるってできるのか?
え、というか、、今までどうやって売上上げてきたの? という素朴な疑問もあったが、ボスの鋭い目を前に、まずは動き出すことにした。
2. ブランドとカテゴリーの現在位置。私達は今、何処にいるんだっけ?
とにかく現在位置を確認しよう、そう思って早速調べ始めた。認知の助成と非助成、第一想起、サービスイメージ、意向理由.. あとベースはターゲットTOTALとコアターゲット。ターゲットはお客様になる可能性がある方、人数で把握したい…
調べを進めたところ、必要なデータが揃わず、そもそも消費者を調べる市場調査の体制がないことがわかったため、そこから始めることにした。これはかなり予想外の苦労だった。
3. 真に新しい巨大市場を創造するということ
データをもろもろ繋いでまとめていくと、大枠以下のようになった。(IR公表データより抜粋)
ターゲット :融資可能な人口。基本的に年収500万円以上の給与所得者
カテゴリー普及率:6.3% ターゲットベース
カテゴリー意向:経験者+不動産投資意向利用者 23.9% ターゲットベース
ブランド助成認知率:23.7% ターゲットベース
第一想起率:90%以上
これを見たとき、背中がゾクゾクしたのを覚えている。
カテゴリーの普及が10%を超えてくるとネットワーク効果が発生し、さらに伸びは加速するだろう。しかもこの第一想起の高さ。
単純に100%がMAXポテンシャルとそれぞれ計算してみよう。カテゴリ普及15.8倍×認知4.2倍で、66倍。
ちなみにその当時、RENOSY投資用不動産の年間売上1100億円を超えたところ。市場のポテンシャルと巨大さに驚いて、まとめた数字をしばらく眺めてしまった。
4.WEB広告100%の世界で、スタートラインに立つ
ポテンシャルはわかったが、何をしたら顧客に記憶されて売り上げが上がるようになるだろうか?
入社後、私はRENOSYの投資用不動産販売のMarketing Managerの役割をもらったのだが、その当時、現場は、業績面、組織面で非常に混乱していた。
アクションはたくさんあるが、戦略目的が不明な状態。この時役に立ったのは海外での経験だった。(別のお話でまた書こうと思う)
さて、その当時のアクションとヒアリング結果はこんな感じだ。
#WEBのターゲティング広告で問い合わせCVを獲得している
#訴求内容を社内企画MTGで決定、広告企画制作〜運用まで内製化
#バナーがメイン、約1分尺のモーション動画が成績が良い傾向
#ヒアリングした現場意見:「オーディエンスには当て切った、枯れている状態」「認知を上げても指名検索や問い合わせが増えるのか疑問」
この状態、もしかしたら共感をいただける方多いかも? 消費財からITスタートアップに転職した経験のあるマーケたーの友人Pさんが、「それ、あるあるだねぇw」と言っていた。どこのWEBマーケ現場でも大なり小なり同じことが起きているのだろう。
5. 問題(テーマ)は顧客の側から見る
先に結論から言ってしまうと、WEB100%でブランド認知は44.8%に上げることができた。
大量のトライアルと試行を繰り返した。リアルタイムのWEBマーケの管理画面と浸透調査の帳票を見つつ、顧客定性と定量を繰り返した。日々出てくるデータに一喜一憂しながら、誰も歩んだことのない道を進んでいるワクワク感や焦燥感、もう無理かもの限界感とブレークスルーした喜びを仲間と一緒に味わった濃い時間だった。よかった、本当に認知が上がって。
以下、結局課題は何だったのか、どうやって解決したのかまとめてみた。
・カテゴリー普及率と意向者(ポテンシャル)を確認した。
∟十分余地があるので意向者の獲得が最優先と考えた。
・ターゲットは顕在層、不動産投資意向あり者に絞った
∟以前は、潜在層を狙おうとしていた
・カテゴリーを明確に訴求した
∟以前は、不動産投資と訴求すると意向度が下がるとの誤解を解いた
・ブランドを明確に可読できる状態、リコールできるように訴求した
∟カタカナ、音声で訴求した
・ブランドとカテゴリーをセットで必ず訴求した
∟ターゲットにとっては未浸透ブランドかつ新規カテゴリのため
・不動産投資投資意向あり者と経験者の不動産投資に対するイメージを比較し、
最もギャップの大きいイメージを改善させる訴求内容にした
・顕在層が使うメディアで、フリークエンシーと訴求コンテンツ、出面、動画・静止画を検証PDC。
・チーム体制を、企画、運用、顧客調査という3区分の体制へ変えた
∟これにより効果の高い動画や企画の量産へアクセル踏んだ
・認知拡大は、認知拡大目的のキャンペーン、リマインドを刈り取り広告のキャンペーンという考え方で、総合的に認知を上げるようにした。
やったことはシンプルで、顧客目線で見れば基本的なことだ。不動産投資自体、世の中的に見れば周りにやっている人は非常に少なく、はっきりいうと誰もほぼ知らないと言ってもいい。その前提から始めなくてはいけない。どうしてもサービス提供側は、ターゲットは自分達のことを考えてくれていると思ってしまう。
広告が当たったからと言って、覚えているわけでも、考えてくれるわけでもない。(ちなみに、実際は、こんな順序立ててやったのではなく、混乱する状況で並列的に進めながら、理解を徐々に得ながら整えた1年だった)
これは行けそうだなと感じたのは6月ごろだった。当初、認知拡大で広くリーチをさせようとした。インプレッションを上げても指名検索が微動だにせず、これは、、WEB100%ってそもそも無理?と暗雲が立ち込めた。どこまでインプレッションをあげれば良いのか?どこまで日予算を上げたら良いのか、毎日頭を悩ませた時期があった。ある日、もうこれはやるしかないと、配信設定を大幅に変更して、指名検索が上がった時、これはいけそうだと感じた。
6.最後に。ブランドが有名になるということ
このPJTで最も学んだことは、マーケティングはどこでも通じる。不動産だろうが、WEBだろうが、超高単価商材だろうが、そこに人間の意識と判断が入る限りは、有効なのだろう。
ただし、リアルビジネスとオンラインビジネスではこんなにアプローチや考え方が違うのか!と衝撃を受けた。これについては別トピックで話そうと思う。
また、RENOSYの認知率が上がっていくにつれ、見たよ!知ってるよ!という知人の声も一気に増えて嬉しい一方、新たな課題や悩みも増えていった。これについてもまた話せたら。
最後まで、読んでいただきありがとうございました!
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