【3人声劇】賢鹿は頑張る!
■賢鹿は頑張る!
■キャラ
アメノカクノカミ:女 ※性別自由
日本神話に登場する鹿の神 通称カコ
一か所にとどまらずフラフラと遊び歩いている
閻魔に頼まれて冥界に向かう
ハデス:男 ※性別自由
ギリシャ神話に登場する冥府の神
毎日やって来る死者の裁定という激務を日々こなしている
楽しみは大地の割れ目から花を見ること
タナトス:男 ※性別自由
ハデスの部下にして、死を司る神
最近はVtuberにはまっている
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ハデス:…なぁ、タナトス
タナトス:なんすか、ハデス様?
ハデス:そろそろ…限界じゃね?
タナトス:えぇ、それハデス様が言います?
ラダマンテュスとアイアコスにリフレッシュ休暇(きゅうか)許したのハデス様じゃないすか
ハデス:ミノスが残ってくれるからいいかなって思ったんだよ…
まさか風邪ひくと思ってないじゃん
タナトス:んなこと言ってる暇あったらちゃっちゃと死者裁いてくださいよ
俺、見たいVtuberの配信あるんですけど
ハデス:いつも言ってるだろ?
裁定(さいてい)は丁寧に平等に行いなさいって
Vtuberはいいから集中しなさい
タナトス:はぁ…だからハデス様の神殿(しんでん)は少ないんすよ
祈ろうが崇めようがどうせ贔屓(ひいき)なんてしてくれない、それはそれは平等に裁いてくれますから祈る意味なんてないだろって言って
ハデス:う、うるさいな!今それは関係ないだろ!?
こっちはまじめに仕事してんだから文句言わないでほしいよ、全く!
カコ:ははは、トップがポンコツじゃと下は大変じゃなぁ、タナトス?
タナトス:あれ?カコ様じゃないすか?
うっわぁ、お久しぶりです
ハデス:珍しいお客さんが来るもんだな…どうしたの?死んだ?
タナトス:ハデス様、デリカシーって知ってますか?
カコ:わしは死んだら黄泉比良坂(よもつひらさか)じゃ
ここには来んよ
タナトス:そういう問題じゃないっす
カコ:そんなあほなこと話しに来たわけじゃないぞ、閻魔からの手紙を渡しに来たんじゃ
ハデス:閻魔から?なんでカコが受け取ってんの?
仏の仕事でしょ?
カコ:全くじゃよ…仏共は今忙しい時期なんじゃというて、偶然通りかかったわしが押し付けられたのよ
タナトス:カコ様ってこういう仕事押し付けられがちですよね
ほら、オオクニヌシノの時もそうだったじゃないすか
ハデス:あぁ、葦原中国(あしはらのなかつくに)を無理やりアマテラスがぶんどった時の話?
タケミカヅチ背中に乗せて地上に降臨したんだっけ?
カコ:降臨とか言うな、恥ずかしい
頼まれたから背に乗せてやっただけじゃ…二度とやらんわ
ハデス:誰にでも恥ずかしい過去の一つや二つあるもんだろ?
気にすることじゃないって
カコ:お前さんが嫁を誘拐した時みたいにか?
ハデス:おっしゃぁ!忘れろ!全てを!
タナトス:ウルトラダブルスタンダードじゃないすか
受け取りますんで、閻魔様からの手紙もらえます?
カコ:おう、ほれ
タナトス:ありがとうございます…はいはい…あ~なるほど
ハデス:なんだって?
タナトス:冥界と地獄で死者の裁定を同一基準にしないかという提案と、そのために合同研修をしないかというご連絡ですね
ハデス:あ~、断っといて
カコ:良いのか?そんなに無下に断って
ハデス:いいのいいの
定期的にこういうこと言ってくるんだよね、あの髭面オヤジ
タナトス:髭面オヤジならハデス様もそうですけどね
ハデス:なに?やっぱ俺のこと髭面オヤジって思ってんの?
タナトス:俺じゃなくてケルベロスっすよ
今回は右の顔っす
ハデス:ちょうどいいや、ケルベロス派遣して地獄の釜茹での中でどんだけ犬かきできるか試してみようぜ
タナトス:お、いいっすね
カコ:いや、よくないじゃろ
ハデス:まぁなんにせよ、地獄も冥界も黄泉の国も各々(おのおの)のルールがあるんだよ
それをさぁ、踏み越えてこられたら困るわけ…ルール変えなきゃいけないし…冥界だけの話じゃないよ?ほかの十二神とかにも話に行かなきゃいけないじゃん?
カコ:なるほど、つまりめんどくせえわけじゃな
ハデス:ご明察、さっすが賢鹿(けんろく)の神
カコ:ふははは!そうじゃろそうじゃろ!
んじゃ、わしはもう仕事は果たしたから帰るぞ
ハデス:…おい、タナトス…これはもしやいけるんじゃないか?
タナトス:…確かにそうすね
ごほん…カコ様!もう帰るんですか?
まだもてなしもできてないですし、よければお茶でもいかがです?
カコ:わしを冥界の住人にするつもりか?
冥界の物を食えば、冥界の住人になる!
黄泉の国にだってヨモツヘグイがあるんじゃ…知らんわけなかろう?
ハデス:大丈夫だって、茶は飲み物だから
カコ:そういう問題じゃないじゃろ!
新手の嫌がらせか!?
タナトス:いやいや客人をもてなしたいという気持ちじゃないですかぁ
それにほら、ほんとにヨモツヘグイ的なことが起きたとしても、ペルセポネ様という前例がありますから!
ハデス様の土下座で一撃ですよ!すぐ帰れますって!
ハデス:そうだよ!もうね!凄いんだから!
土下座RTAならだれにも負けないよ?ほんとマジで!
カコ:お前ら…なんかわしを冥界に留まらせようとしてないか?
タナトス:え、そんなわけないじゃないすかぁ…ね、ハデス様
ハデス:ソウダヨ~全然ソンナワケナイッテ~
カコ:そんなわけある奴の喋り方じゃろうが!
もういい!用事も無いのに、こんな薄暗くて陰気な場所に長居したくないわ!
さっさと通してもらうぞ!
ハデス:おおっとそうは行かないなぁ…アメノカクノカミ様よぉ
カコ:なっ!なんじゃ!?
タナトス:ここへ来たが最後…我々の仕事を手伝ってもらいましょうかぁ?
カコ:はぁ!?仕事ってその机に乗ってる書類の山じゃろ!?
嫌じゃぞ!!そんな無間(むげん)地獄に付き合ってやる義理など無いわ!
ハデス:あれれぇ、いいのかなぁ?
冥府の王にそんな口聞いちゃってぇ
なぁ、タナトスぅ
タナトス:そうですよぉ?
ここから無事に帰れるかどうかは、我々の裁量(さいりょう)次第です
カコ:貴様ら…わしに手を出して高天原に住まう八百万(やおよろず)の神々が黙っていると思うのか!
ハデス:わかってないなぁ…俺たち冥界組はオリンポス十二神からほぼほぼハブにされてんだよ!
どの道多勢に無勢は必然…負け戦ぐらいで怯むと思ってんのかぁ?
タナトス:死んでも職場に戻るだけですから、モーマンタイです
カコ:ひぃ!こいつら…いかれておる…!
タナトス:カコ様…我々も慈悲が無いわけではない…ゆえに勝負で決めましょう…!
あなたが我々の仕事を手伝うか否か!
ハデス:勝負に勝ったらお前を地上へ送り返してやろう!
カコ:なるほど逃げられんようじゃな…ならば受けて立とう!
高天原の末席に名を連ねる神として、このアメノカクノカミが叩きのめしてくれるわ!!
ハデス:いい度胸だ…よし、始めようか…冥府の底にふさわしい闇の決闘(デュエル)を…!
さぁ決闘方法…そう、デュエルエクスペディエンスを決めようじゃないか!
カコ:デュエ…エクス…?え?何て?
タナトス:僭越(せんえつ)ながら私から愚申(ぐしん)させていただきます
今回のデュエルエクスペディエンスは…こちらがいいかと…
ハデス:ほう…確かにこれならば雌雄(しゆう)を決すにふさわしい…ふふふ…
は~ははははは!
―――――――――――――――――
ハデス:ってことで、大富豪しまーす
タナトス:いえーい
カコ:えぇ……
タナトス:あれ、どうしたんです?
カコ:いや、別に…ただ拍子抜けしただけじゃ
ほれ、早くカードを渡せ
ハデス:拍子抜けでもなんでもいいけど、大貧民になったらあの書類の山と向き合うの忘れるなよ?
カコ:もちろんじゃ、これは神として受けた勝負…反故(ほご)になどせんわ
タナトス:一人18枚配りました
んじゃ、始めましょうか
あ、僕クローバーの3持ってるんで出しますね
ハデス:おっけー
カコ:そいじゃあ…タナトスから時計回りかの
んじゃ…わしはスペードの4じゃ
カコ:(NA)
闇の決闘(デュエル)とか抜かすからどんなことさせられるかと思いきやただの大富豪…
しかもわしの手札は上々(じょうじょう)…ジョーカーまで持っておる
敗北条件はわしが大貧民になること…この手札でそれはあり得ない
ハデス:(NA)
…とか思ってる顔だなぁ…
カコ、違うんだよ…この冥界で大富豪をするってことは…そういうことじゃないんだ
タナトス:(NA)
…今の我々にとって働き手が一人増えるかどうかは死活問題…!
カコ様には申し訳ないですが、圧勝させてもらいますよ
ハデス:ならば俺は…ハートの2だ
カコ:何…!?貴様どういうつもりじゃ!
ハデス:何の話だよ…まさか、俺がイカサマをしたとでも言うのか?
カコ:違う!まだ2を出すようなタイミングではないはずじゃ…
まさか…もう勝ち筋が見えておるというのか…!?
ハデス:それを説明してやるほど、俺は優しくないさ
場は流れ、再び俺のターン…次出すのは、6を3枚だ
タナトス:ハデス様、手札強いっすね
であれば…俺は9を3枚出します
カコ:至って普通の手ではないか…わしは…
ハデス:おいおい、どうしてカードを出そうとしてるんだ?
カコ:なぜって…わしの番じゃろ?
ハデス:いいや違う…9(ナイン)リバース…今順番は逆回りになっている!
カコ:なんじゃと!?そんなルールは聞いたことが…まさか…ローカルルールか!?
ハデス:その通り!ここは冥界!
冥界のローカルルールに則(のっと)ってもらうぞ!
カコ:貴様ら…こんなの後出しではないか!
タナトス:いいえ、我々は常にこのルールで大富豪を行っております…
これこそが冥界におけるノーマルスタンダードでありスタート時点でご指摘いただけなかったカコ様の落ち度です
カコ:タナトス…!!これがこのゲームを選んだ理由か…!
カコ(NA)
今思えば…クローバーの3を出すというスタートの仕方もメジャーではない…
あまりに自然に始まったから流してしまったがあのタイミングでローカルルールの存在に気付くべきじゃった…!
ハデス:では俺が出すのは…ジャックを3枚
カコ:11(イレブン)バック…それならばローカルの中でもメジャーなルール!
十分に戦略の構築が可能じゃ…!
10を3枚じゃ!冥界では10捨てがあるか?
タナトス:もちろん、10を一枚につきカードを1枚捨てられます
カコ:では、ダイヤの4とハートの6…そしてクローバーの9を捨てる
貴様の番じゃぞ、タナトス
タナトス:俺は出せるカードを持っていません
ハデス様は?
ハデス:俺も持っていない
カコ:ならば場は流れる…再びわしからじゃな…
ダイヤの7じゃ
ハデス:7渡しだ、1枚タナトスに渡してくれ
カコ:何?くそっ…7渡しもルールに入っているのか…
他には何があるんじゃ!
タナトス:はて…カードが出ればわかるのですが、今ぱっと全てを言えというのは…
ちょっと難しいですよねぇ、ハデス様
ハデス:そうだねぇ…難しいよねぇ
カコ:このクソどもめ…
カードじゃ!持っていけ!
タナトス:ありがとうございます
それでは8で切ります
そして…ダイヤのクイーンです
ハデス:なるほど、じゃあカードを選んでもらおうか
カコ:あ?なんでクイーンを出してカードを選ぶんじゃ?
ハデス:ローカルルール…クイーンボンバーだよ
カコ:クイーンボンバー…?…はっ!!
名前を聞いたことがある…確か…12を出した時に指定した数字のカードを全て強制的に捨てさせるというもの…!
タナトス:僕が捨てさせるカードは…3です
カコ:何!?馬鹿な!
ハデス:どうしたんだよ、そんなに慌ててさ
カコ:(NA)
おかしい…スペードの3は唯一ジョーカーに対抗しうるカードのはずじゃ…!
ローカルルール厨であるこいつらが、スぺ3返しを組み込んでいないわけがない!!
なのになぜ…!ジョーカーを持っているのはわしなのだぞ!
タナトス:3は出そろいましたね、では次のターンです
ハデス:あぁ、ダイヤのキング
激縛(げきしば)…ダイヤのエース以外を出すことはできないぞ
カコ:ダイヤのエースは持っとらん
タナトス:僕が持っています
ダイヤの2を持ってる方はいますか?
ハデス:俺が持ってるよ
カコは何か出すか?
カコ:いいや、わしは出さん
ハデス:…なら、ここで…7を2枚だ
カコ:ぐぬっ!ここでか…!
ハデス:(NA)
俺の手札は後4枚…タナトスが11枚、カコも11枚か…
残りカードは、5、8、2…そして…切り札か
カコ:ふぅ…先に確認させろ
禁止上がりのカードはなんじゃ
ハデス:2、8、そしてジョーカーだ
カコ:上がりだけ随分と優しいの
あいわかった…では、12を2枚じゃ
キング、そして12を捨ててもらおう
タナトス:持っているのは僕とカコ様ですね…では、エースを2枚出します
ハデス:俺は出せないな
カコ:わしもじゃ
タナトス:では、5を出します…
5スキップ、ハデス様を飛ばしてカコ様です
カコ:ふむ、よかろう
では、7を出すぞ…1枚渡す
タナトス:はい…なるほど…では、8で切り…ジャックを2枚出します
ハデス:…パスだ
ハデス:(NA)
タナトス…2ターン連続で俺が出せないカードを…!?
あいつなりの戦略があるということか…
まあ、いいもう俺の勝ち筋は見えている
カコ:わしもパスじゃな…出せるカードが無い
タナトス:では僕から出しますね…5です
ハデス:お、おい!タナトス!また飛ばす気か!
タナトス:手札の関係っすよハデス様
カコ:そうじゃよ、ハデス、文句言うな
…わしはエースを出すぞ
タナトス:俺はパスです
出せるカードを持っていません
ハデス:…はは…そうか、なら俺は2を出すぞ!
さぁカコ!何か出せるのか!
カコ:ここで止めなければ上がられる…切るしかない…!
ジョーカーじゃ!
場を流すぞ!
ハデス:待て!カコ!
カコ:あ?なんじゃ?
ハデス:ジョーカーの効果を言ってみろ
カコ:出せばどんなカードにも勝てる最強のカードじゃ
ハデス:その通り…そして気が付かなかったようだな…カコ
ジョーカーは…2枚存在する!
カコ:な…なにぃぃぃぃい!
馬鹿な!さすがにローカルルールの枠ではないぞ!
卑怯者の所業じゃ!
ハデス:タナトスが最初に言ったはずだ…一人18枚配ると
カコ:はっ…そうか…トランプは52枚…ジョーカーを入れて53枚…!
1人18枚配るにはジョーカーを2枚入れるしかない…!
ハデス:すぐに気が付いたよ…これがあるからタナトスは12ボンバーで3のカード消したってな
タナトス:自分が持っていないなら順当に考えればジョーカーは二人にばらけてる可能性が高いっすからね
カコ様が、ジョーカーが2枚あるという指摘をしなかったことで不安も無かったですけどね
ハデス:…もう誰も出せるカードなんてありはしない
…か~こぉ~!これで終わりだ!
この後の流れはすべて決まってる!お前は俺と一緒に働くしかないんだよぉ!
あひゃひゃひゃひゃひゃ!!
タナトス:ハデス様…早く出してあげましょう
カコ様がかわいそうっすよ
ハデス:おおっと悪い悪い、さて…俺が出すカードは8だ!
8切りだよぉ~!!ふははははは!
しかし、タナトスは優しいなぁ
カコのことそんなに気遣ってやって…しかも、ずっと様付けだし…
様付け…?
カコ:どうしたハデス?
馬鹿笑いはもういいのか?
ハデス:よく考えればおかしいくないか…?
タナトスは俺と同一視されることもある、死を司る神だぞ…
それがなぜ他地域の主神(しゅしん)でもない鹿の神に敬称をつけるんだ…?
それに…なぜ、そんなにお前は落ち着いているんだ…カコ!
カコ:さぁて…なんでじゃろうな
ハデス:…ど、どのみち場は流れる…!
俺は最後の1枚…まさに神のカードを出して上がりだ!
タナトス:4を2枚
ハデス:え…?
タナトス:聞こえなかったんすか?ハデス様…4を2枚って言ったんすよ…
ハデス:まさか…お前
タナトス:…ローカルルール…4止め
8切りに対抗できる…唯一の手っす
ハデス:…ちちち違う…違うよ!!聞き間違いだ!!
そんなわけない…タナトスは俺の味方だ!俺が上がる邪魔をするわけが…!
カコ:あるんじゃよ…たわけた髭面オヤジ
ハデス:あぁ!?何が!何があるってんだ!!
カコ:なぜタナトスがわしに敬称をつけるのか…それはこれじゃ
ハデス:SNSのアカウント…相互フォロー…まさか!?
カコ:そう、お前さんも知っておるだろうが…わしは地上ではフォロワー40万人を抱える神絵師なのよ
そして…地上でVtuberとして活動する天狐の友人でもある
ハデス:タナトス…お前…!?
カコ:そう、タナトスは…わしと天狐のガチオタじゃ!!
ハデス:なぁぁぁ!?おいタナトス!ほんとなのか!?
タナトス:…メンバーシップも入ってますし、通知も付けてます…投げ銭もそれはもう…!
ハデス:そんな…!
カコ:わしが最初の7渡しをしたとき、一緒にメモを渡したのよ
勝たせてくれれば、お前のために天狐ちゃんとのいちゃらぶツーショットイラストを描いてやるとな!
ハデス:そ…そんなことのために裏切ったのかタナトス…!
タナトス:そんなこと…?そんなことですって!?
ハデス様にとってはそんなものでも…俺にとっては命を差し出しても構わないほどの魅惑的な誘いなのです!
こんなもの…断れはしません…!
ハデス:地獄だぞ…?
あの仕事を二人で裁くのは…本当の地獄なんだぞ!!
タナトス:だとしても!俺は目の前の天国に飛び込まずにはいられない…
罠でもいい…罠でもいいんだ!
カコ:ふははははは!ほれハデス!
その残り一枚を出したらどうじゃ?神のカードなんじゃろ!?
ハデス:うぐぐぐぅ…パ…パスだ…!
タナトス:(NA)
そこから先は見ていられませんでした…
私の私利私欲で…まさに地獄の底へ落とされたハデス様はなすすべもなく…カコ様に蹂躙(じゅうりん)されることとなったのでした…
あぁすいませんハデス様…私も一緒に地獄へ落ちましょう…
カコ:上がりじゃ
ありがとの、タナトス
絵はひと月以内に仕上げてやるわ
タナトス:…ありがとう…ございます
ハデス:…地獄地獄…じご、地獄じごじご…
カコ:ハデスは壊れているようじゃな…ふん、人を陥れようとした罰じゃ
愚か者め
ハデス:…待て…もう一戦…もう一戦だ…
タナトス:…ハデス様、もうダメです…
作業に戻らないと本当にやばいです…!
ハデス:だが…ここで諦めたら…俺たちが終わってしまう
カコ:甘えるな!!
身から出た錆(さび)じゃろう!
あまりたわけたことを言ってるとゼウスとのBL同人誌にするぞ!!
ハデス:ひぃ!?
カコ:ふん…ちなみにお前が攻めじゃ
タナトス:(NA)
そう言い残し、賢鹿の神は去りました…
その後ハデス様は、休暇から戻ったラダマンテュスとアイアコスにややあたり、しっかりと言い返されたのでしばらくへこむのですが…それはまた、別のお話し
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