【詩】太陽と向日葵
種を蒔いた向日葵が庭で咲いている
焼かれるような暑さにもめげずに毎日太陽を追いかけている
いずれは枯れて俯く時がくる事も知らずに
毎日一生懸命
もうすぐ夏祭りだ
今年も花火が上がる
去年は背を向けた花火
今年はきっと見れる
君は思い出を照らす太陽で
私は焼かれても構わない向日葵
でももう顔を合わす事はない
花火が夜空を登っていく
キラキラ輝いて辺りを照らす
去年のあの日の想いは思い出になり
もう目の前には現れない
新しい花火が輝いているから
しばらくただただ見とれていた
「久しぶり」
聞き覚えのある声が背中に響く
振り返ると
目の前にはあの頃と同じ太陽のような君
花火に照らされて今までで一番綺麗
なぜだろう
涙で視界が歪む
太陽を直視出来ずに俯いた向日葵
「どうしたの」
心配そうな声がそっと寄り添う
ずっと仕舞うと決めた想いが
思い出にしたはずの想いが
今 溢れ出す
「ずっと好きだった」
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