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屁理屈男 #毎日ネタ出し58日目

【タイトル】

屁理屈男

【あらすじ】

屁理屈男(へりくつお)。

これが私のあだ名だ。小さい頃からそう言われてきた。そして、なぜか人は私を遠ざける。

「この前、この仕事頼んだよね? 何でまだ何もやってないの?」

「だっていつまでにやれって言わなかったじゃないですか」

「急ぎでって言ったでしょ?」

「はい。だから僕なりに急いでますよ?」

「……もういいです。他に人に頼むから」

まただ。今月だけで何度こんなやりとりをしたのか。まわりは、私のことを見ながらヒソヒソ話しをしている。こうして私の周りからは人が離れていくのだ。

私は間違っているのか? そうは思えない。さっきの話だって「●日までにこの仕事を終わらせて」と指示されれば私はそうした。「急いで」なんて曖昧な表現をした上司が悪いのではないのか?

私はとあるインターネット掲示板にそう書き込んだが、

「急ぎって言われたらすぐにやることくらい考えたら分かるだろ」

「頭悪そう」

「コイツは仕事出来ないし、こんなやつを部下に持った上司がかわいそう」

などといった辛辣なコメントばかりが返ってきた。

そして、その後上司から呼び出され、

「部署異動です。倉庫課に行ってください」

と言われた。この会社に倉庫課なんてものがあるなんて知らなかった。それもそのはず。今作られたからだ。倉庫課は私のみ。倉庫で品物の管理をするのが仕事らしい。

品物の管理といっても、滅多に品物は動かない。つまり、やることはないのだ。

でも、私が唯一の倉庫課ということは、実質私は課長ということになる。倉庫課では私が1番偉いのだ。ついに私も出世したということ。

そう考えた私はさっそく倉庫に行き、自分のデスクを整え始めた。薄暗い倉庫だったので、倉庫に眠っていたライトをセットし、その他にも倉庫に眠っている品々で快適な環境を整えた。

ここは私の天職だ。

倉庫課として私は私の責務を果たそう。

今日も屁理屈男は張り切るのであった。

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