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空と息子と朝日 #毎日ネタ出し94日目

【タイトル】

空と息子と朝日

【あらすじ】

とある朝、とても悲しい事件が起きた。

一人の子どもが事故に遭い、亡くなってしまった。まだ小学校2年生の男の子。朝一人で散歩に出かけたところ、道路を横切ったときに車にはねられてしまったのだ。

その男の子は虫が大好きで、朝早く起きて近所の公園に虫を探しに行っていた。両親はそのことを知っていたが、近所の公園ということで特に心配はせず、一人で行かせてしまっていた。

そして、その知らせを受け、両親は絶望することになる。なぜ一人で行かせてしまったのかを後悔し、二度と戻らない我が子を思い泣き続けた。

それからこの両親は朝が嫌いになった。朝起きる度に息子のことが頭に思い浮かぶ。そしてそこには抱えきれないほどの後悔が一緒にのしかかってくるのだ。

父親も仕事に行く気力も果ててしまう。母親も、起き上がることすらできない。

二人はこのまま心中することを考えてしまう。

そんなとき、ふと玄関から声がするのだ。それは何度も夢に見た、愛する我が子の声。二人は急いで玄関へと駆けていく。どうやらその声は外から聞こえているようだ。顔を見合わせてからそっとドアを開けると、そこには誰もいない。

とうとう幻聴まで聞こえてしまうのかと、肩を落とした二人だったが、その声が幻聴でないことに気づく。そう、何と目の前に亡くなったはずの我が子の姿がハッキリとあったからだ。

二人はその姿を見た瞬間に泣き崩れる。そして二人ともに息子を抱き寄せた。二人が泣いていると、息子は両親の頭を撫でながらこう話した。

「急にいなくなっちゃってごめんなさい。今日は神様にお願いして会いにきたんだ。会えるのは今日だけなんだけど、もう泣かないで。ぼくは元気だよ。でもね、お空のうえから見ていて、お父さんたちが毎日元気がないのを見ると、ぼくも悲しくなるんだ。だからもう泣かないで」

その言葉を聞いたとき、両親は更に泣いた。そして我が子に謝った。

「ううん。お母さんたちこそ本当にごめんね。あのとき一人で行かせてしまって。一人で怖い思いをさせてしまって。それに心配かけてごめんね。うん、もう泣かないよ。絶対に泣かない。だから安心して」

そう言うと、息子は笑顔になり、

「本当に! 凄く嬉しよ。会えるわけじゃないけど、毎朝ぼくは二人の近くいくよ。だからお母さんたちも公園まで遊びにきて!」

といった。そして間もなくして息子の姿は見えなくなってしまった。

両親はしばらくそこから動くことが出来なかった。愛する我が子の声をもう一度聞くことが出来きたこと、話すことが出来たこと、謝ることが出来たこと。そして、

「もう泣いていられないよ。これから毎朝公園に行こうよ。そこで毎日会いにいこう」

と二人は決意した。

それから両親は毎日朝に散歩をするようになる。もちろん息子の姿が見えるわけでもない。でも、息子がいった「近くにいく」という言葉の通り、この近くに息子がいることを感じることが出来た。

暖かい朝日とともに、どこか息子の笑っている声が聞こえる。

朝とは全ての人たちに希望を与えてくれるもの。どれだけ辛いことがあっても必ず朝日は昇る。

両親はこれからも愛する息子のため、一生懸命生きていくことを朝日に向けて誓うのであった。

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