30日間の革命 #革命編 46日目
加賀は教室を出ると、そのまま3組の教室へと向かった。教室の前につくと、廊下から中の様子を覗く。そして、教室で談笑していた森下を見つけ声をかける。
「森下! ちょっといい?」
加賀の呼びかけに気づいた森下は談笑を止め、加賀の元へと向かった。
「おお加賀、どうした?」
「小春から聞いたんだけどさ、棚橋さんって人を小春に紹介したんだ?」
「お、もう坂本さんと仲直りしたんだ。この前の雰囲気を見てちょっと心配していたんだよ」
「まあそれはいいんだよ。で、棚橋さんを紹介したんだよな?」
「ああそうだよ。坂本さんから紹介してほしいって言われたからね」
「それってさ、棚橋さんからのアクションはなかったの?」
「アクション? どういうこと?」
「いや、例えば棚橋さんからも小春と接点を持とうとしてたとかさ」
「ああ、まあ棚橋さんって元々坂本さんのファンだって言ってたから、紹介したいって言ったら喜んでたよ」
「それって、いつからファンだって言ってたの?」
「え? いや俺も詳しくは知らないけど、本人いわく1年生の頃かららしいけど?」
加賀は森下の話を聞いて少し考えた。話がうますぎる。そんな気がしていた。森下の話を聞く限り、先にアクションを起こしたのは坂本みたいだが、たまたま文化祭実行委員長が坂本のファンで、こんなにもあっさりと味方に出来ることに少しの違和感を感じた。
「……そっか。森下って、その棚橋さんとずっと仲が良いの?」
「いや、話すようになったのは最近かな。俺も一応クラス委員やってるからさ、文化祭の出し物について色々と決めてるんだよ。だから文化祭実行委員長の棚橋さんに相談とか話すことも増えていって話すようになったって感じかな」
「……最近か」
最近仲良くなった。このことを聞き、また一段と棚橋についての疑いが深まった。馬場や仙波の策略で坂本に近づき、内部の情報を洩らすのではないか。いや、もし棚橋が生徒会側だったら、もう情報が洩れるどころの話ではない。完全に革命が失敗に終わってしまう。加賀はその場で考え込んだ。
「……ありがと。またさ、棚橋さんから何かアクションがあったりしたら教えてもらってもいいかな?」
加賀が森下へそう言うと、少し不思議そうな顔をしながら
「え? まあ全然いいけど。あ、そういえば、部活引退したから俺も革命に手伝うぞ。あの夏の集会の時は何も協力できなかったからな」
と森下は答えた。
「そっか。ありがとう。今度こそ俺らで革命起こそうぜ」
加賀も笑顔で返した。そして森下の前から去ろうとしたとき、森下に呼び止められた。
「あ、そうだ。せっかくなら神原にも声かける? あいつも色々と協力してくれると思うしさ。坂本さんにも言ったら、坂本さんから声かけるって言ってたけど」
「確かにそうだね。なら俺声かけてくるよ。多分部室にいると思うし」
「そっか。サンキュー。なら よろしくね」
「おう! なら今日はありがとね」
そうして加賀は、その足で情報処理部の部室へと向かった。
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