30日間の革命 #革命編 102日
「た、大変です二人とも!」
加賀と森下が部室へと戻ると、神原は焦った様子で二人へと話しかけてきた。神原の反応が、加賀が予想した通りだったので、二人は思わず笑ってしまった。
「ちょ、ちょっと! 何笑ってるんですか! 笑ってる場合じゃないですよ!」
「ごめんごめん。何か予想した通りだったから笑っちゃって。で、どうしたんだよ? そんな焦ってさ」
加賀がそう言うと、
「こ、これ見てくださいよ!」
と神原はパソコンの画面を指さした。
「んー? 何々?」
加賀と森下はパソコンの画面をのぞき込む。
”校則が厳しすぎる #学校に対する不満 ”
”先生がうるさい #学校に対する不満 ”
”もっと制服を可愛く着たい #学校に対する不満 ”
”この前スマホ没収された #学校に対する不満 ”
画面には、#学校に対する不満 というハッシュタグがついた投稿がたくさん映っていた。
「え、ちょ、ちょっと待って。これ何?」
加賀は驚いた表情で神原へ聞いた。
「ぼ、僕も正直驚いているんです。何か反応がないかなと思い、試しに#学校に対する不満のハッシュタグで検索してみたんですよ。そしたら、こんなに投稿が増えていて……」
「こ、これってさ、全部うちの学校の生徒かな?」
森下も驚いた表情を見せながら質問をした。
「た、多分そうじゃないかと思います。調べると、もう数十件このハッシュタグでつぶやかれていますよ」
「まじかよ……」
3人は画面を見ながら少し固まった。反応が起きるのはもっと後だと思っていた。いや、本音を言えば、反応なんて返ってこないとすら思っていた。なので、この状況をまだ信じられずにいたのだった。
「……こ、これってさ、つまりは成功したってこと?」
森下は少し苦笑いをしながら二人へと話しかけた。
「……そ、そうだな。えーと、これ成功でいいんだよね?」
加賀も自信なさそうに神原へと話したけた。
「は、はい。恐らく大丈夫だと思います……」
神原も言葉少なく、そう答えた。そして、しばらく沈黙をした後、
「やったー! まじで成功してるじゃん!」
「ヤバいよね! スゲーじゃん俺たち!」
「はい! 正直感動していますよ!」
と喜びあった。
「いやー、まじで驚きだよ。こんなに早く反応が返ってくるなんて。俺、正直めっちゃ不安だったんだよね」
加賀は少し興奮気味にそうつぶやいた。
「俺もだよ。あの最初に写真撮ったとき、何かテンション上げ過ぎてその後少し後悔したもん。こんなことやって何も反応なかったらどうしようってさ」
「俺も一緒! やっぱみんなそうだったんだな。いや、まじで2人は感謝するよ。こんな無謀な計画に力を貸してくれてさ。神原もありがとな。これで晴れて白の会に正式復帰だな。……神原?」
テンションの高い二人に対して、先ほどまで一緒に盛り上がっていた神原は落ち着いていた。むしろ、少し不安そうな顔を見せていた。
「どうしたんだよ? 何か気になることでもあるのか?」
森下がそう聞くと、
「い、いえ。ちょっと思ったんですけど、今は確かに成功しています。でも、これが盛り上がりすぎて生徒会の誰かに気づかれたりしないかなと思ったら、ちょっと不安になりまして……」
神原の一言で、再び部室の中には沈黙が訪れた。
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