30日間の革命 #革命編 92日
コンビニのイートインコーナーで話し合った加賀たちは、翌日からさっそく”ハッシュタグ作戦”をやってみるために、放課後情報処理部の部室へと集まった。
「てかさ、誰のアカウントでつぶやくんだ? 俺たちの名前でやったらすぐバレるだろ」
「確かに。なら新しいアカウントでも作るか?」
森下と加賀が相談していると、
「それなら、調査用にいくつか作ったアカウントがあるので、それの1つを使ってみましょう」
と神原がパソコンを叩きながら二人へ提案した。
「おぉ、さすが神原。そんなアカウントなんて作ってたんだ。いいね。それでやってみよう」
加賀たちも神原の提案に賛成し、神原が作った調査用のアカウントを用いて作戦を開始した。
もともとこのアカウントは、武蔵中央高校の学生が普段どのようなつぶやきをしているかを調査するためのものだったので、武蔵中央高校の学生を複数人フォローしていた。なので、まずはフォローしていた人たちが現在どのようなことを調査することにした。
投稿を見ていくと、そのほとんどは趣味や遊びに関することで、学校に関するつぶやきはほとんど見られなかった。
「うーん。意外と学校の愚痴とかは書きこまないのかな」
加賀は腕を組んで険しい顔をしてみると、
「そうですね。今フォローしているアカウントは、いわゆる「本垢」なので、あまり愚痴とかは投稿しない人がほとんどかもしれないですね」
と、神原はそう分析した。
「なるほど。確かにみんな本アカウントと裏アカウントは使い分けてるもんな。だったら、中々このアカウントじゃあ調査のしようがないって感じかな」
森下は神原の話を聞いてそうつぶやいた。
「裏アカウントとかって、やっぱり見ることは難しいよな?」
加賀が神原に問いかけると
「そうですね。ほとんど鍵がかかっているので、中々我々が見るってことは難しいかもしれません」
「うーん。やっぱそっか。でもさ、みんな裏アカウントを作ってるってことは、公には出来ないようなことをつぶやいているってことだよな。だから、潜在的には不満はあると思うんだよな。試しにさ、このアカウントでちょっとだけ愚痴を投稿してみない? それで、どれだけ反応があるか見てみようよ」
加賀は反応を確かめるために、まずは1つ、学校に対する不満を投稿してみることにした。
「そうですね、わかりました。1回投稿してみましょう。ならとりあえず、『学校の規則厳しすぎ』って感じでいいですかね?」
神原はそう言いながら、キーボードを打った。
「まあ、最初はそんなもんだろ。何て反応が返ってくるか楽しみだな」
森下は少し楽しそうな様子だった。
「でもさ、これだけだったら、うちの学校の生徒って分からないんじゃないか?」
「大丈夫です。このアカウントをフォローしてくれている人のほとんどはうちの学生ですから」
「そっか。ならこのツイートを見るのも、ほとんどうちの生徒ってわけね」
「はい。なので、まずは投稿してみましょう。では、いきますよ」
神原はそう言うと、文章を打ち込み、投稿ボタンを押した。Twitterの画面には、「学校の規則厳しすぎ」という投稿がタイムラインにあがった。
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