30日間の革命 #革命編 65日目
橋田は手崎と話し合った結果、革命に参加することを決意した。生徒会の横暴を止めるため、そして何より友人のために。
翌日橋田は学校へ登校すると、坂本の教室へと向かった。理由はひとつ。革命への参加を表明するためだった。教室を覗くと、窓際の席で本を読んでいる坂本の姿が目に入った。上級生の教室だったので声をかけるのに少し躊躇したが、思い切って声をかけた。
「坂本先輩、すいません。少しお時間よろしでしょうか?」
声をかけられた坂本は振り返り、声の主が橋田だと気づくと、ふと笑顔を見せ橋田のもとへと向かった。
「誰かと思ったら女子バレー部のキャプテンさんじゃない。どうしたの?」
「は、はい。ちょっとお話ししたいことがありまして、ちょっとだけ場所移動してもいいでしょうか?」
「ええ、もちろん。じゃあ、屋上にでも行きましょう」
そうして二人は屋上へと向かう。朝の屋上には生徒の姿はなく、坂本と橋田の二人きりとなった。橋田自身、坂本と二人きりで話すことは少なかったため、少し緊張していた。
「さて、屋上まできたけど、お話しって何かしら?」
坂本は改めて橋田へと問いかける。
「あ、はい。実は革命のことでお話しがあります。単刀直入に言いますが、私も革命に参加させてください」
橋田はそう言うと、坂本に向かって頭を下げた。
「……それはどういうこと?」
いきなりのお願いにも坂本は冷静に問いかけた。橋田は頭をあげ、こう答えた。
「……実は昨日、手崎と二人きりで話をしました。そこで、今彼女の周りで何が起きてるのかを知って、その現状は変えなきゃいけないって思ったんです」
そして橋田は昨日手崎と話したことを坂本へ話した。生徒会が手崎を利用していること。そんな生徒会が許せないから、この学校自体を変える必要があると思ったこと。橋田はありのままの気持ちを坂本へと告げた。坂本は橋田の話を静かに聞いていた。そして、
「……そう。橋田さんの気持ちはよくわかったわ。話してくれてありがとう。結論から言えば、革命に参加してもらうことは大歓迎。実はちょうど今度、みんなを集めて会議をしようと思ってたから、橋田さんも参加してくれる?」
「本当ですか!ありがとうございます。で、その会議って何ですか?」
「うん。私が選挙に負けてから、革命への活動は主に私とセトで行ってきたんだけど、他にもまた色々と協力してくれる人が増えてきてね。だから、ここらで白の会を復活させようと思う。そのための会議だよ」
「白の会……。いよいよ復活なんですね」
「そうね。でも橋田さんの話を聞くと、生徒会もそろそろ本気で動いてきそうね。多分、革命を実行に移す日もそんなに遠くないわ」
坂本は少し遠くの空を見つめてそうつぶやいた。
「わかりました。では、私もその会議に出席させてください」
「うん。ならまた日程が決まったら教えるね。橋田さんの部活がない日にするから。そういえば、セトと連絡先交換してたよね? 日程が決まったらセトから連絡してもらうようにするわ」
「はい! ありがとうございます。それではよろしくお願いします」
橋田は再び頭を下げ、屋上を後にした。
革命に向けて、白の会の復活。そして、生徒会の策略。お互いが大きく動き出そうとしていた。
▼30日間の革命 第一部
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