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30日間の革命 #革命編 44日目

 文化祭実行委員長の棚橋は、生徒会の打ち合わせが終わったあと、その足で屋上へと向かった。ドアを開けると、そこには坂本と森下がいた。

 「あ、ごめん! ちょっと打ち合わせが長引いちゃって」

 棚橋は坂本と森下を見て、二人の元へ駆け足で向かう。

 「全然。俺たちもさっき来たところだからさ。あ、こっちが噂の坂本さんだよ」

 森下は、棚橋へ坂本を紹介した。なぜ棚橋が屋上へ来たのかというと、坂本が森下に頼んで紹介してもらったからだった。森下と棚橋は同じクラスで、仲も良かった。坂本は文化祭実行委員長と接点を持ちたいと思っていたので、森下に紹介してもらうように頼んでいたのだ。

 「棚橋さん、はじめまして。1組の坂本です。今日は急に呼び出しちゃってごめんね」

 坂本は深々と棚橋へとお辞儀をした。

 「いやいや、そんなに頭さげないで! 私こそ待たせちゃってごめんね」

 棚橋は坂本の丁寧なあいさつに驚いた様子だった。

 「実は棚橋さんも坂本さんと一回話してみたいってずーっと言ってたんだよ。ようやく実現して良かったね」

 森下は笑って棚橋へと話した。

 「ちょっと恥ずかしいじゃん。でも、実はその通りなんだ。1年の時からキレイな人だなーって憧れてたんだよ! だから坂本さんからの呼び出しって聞いたとき、嬉しかったよ!」

 「本当に! 私なんて全然キレイじゃないけど、そう言ってもらえて嬉しいわ」

 3人は笑顔で話し合い、穏やかな空気が流れていた。ただ、次に坂本は真剣な表情に変わり棚橋へと話し始めた。

 「でね、今日棚橋さんを呼んだのには理由があるの。実はね……」

 坂本が話そうとすると、

 「待って。わかってるよ。……”革命”……でしょ?」

 と棚橋はニコッと笑って答えた。

 「……そう。よくわかったね」

 「そりゃ私は坂本さんのファンだからね! 白の会の集会にも参加してたんだよ」

 「あら、それは嬉しいわ! ……なら単刀直入に言うけど、私たちはまだ革命を起こすことを諦めていないの。それで、今度の文化祭で革命を起こすための行動に移るつもりよ」

 「……やっぱりね! でも一つ言ってもいい? それ、生徒会の人たちにも気づかれてるわよ。さっきの打ち合わせでも、馬場くんが警戒してたし」

 「そうね。それも承知の上よ。だからこそ、文化祭実行委員長の棚橋さんの力を借りたいって思ってるの。もう残された時間は少ないわ。多少強行でも、まずは行動に移そうと考えてるの」

 「……やっぱ坂本さんはカッコいいね! 実は私が文化祭実行委員になったのも、坂本さんたちと生徒会で一緒にやろうと思ってたからだよ。私は坂本さんたちの力になれるなら、何でもやるわ」

 棚橋は力強くそう宣言した。

 「ありがとう、心強いわ。それじゃあ、さっそくだけどまずお願いしたいことがあるの……」

 坂本は棚橋へお願い事を3つ話した。

 1つ目は、生徒会で何か動きがあれば教えて欲しいこと。

 2つ目は、坂本、森下、棚橋の関係を内緒にして欲しいこと。

 3つ目は、文化祭のプログラムを一部変更したいこと。

 坂本は特に3つ目のお願いが重要だと説明した。現在は昨年と同様で組まれている文化祭のプログラム内容を一部坂本も手を加えたいということだった。棚橋も、大幅な変更は難しいが一部ならということで了承してくれた。

 坂本は文化祭へ向け、着々と準備を進めていった。

▼30日間の革命 第一部
まだお読みでない方は、ぜひお読みください!

▼30日間の革命 ~第二部革命編~
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