30日間の革命 #革命編 31日目

 翌日、坂本は再び高橋のもとを訪れた。

 「先生、昨日は急にすいませんでした。今日はお時間ありますか?」

 「すまん坂本。実は今日も会議なんだよ。最近忙しくてね」

 高橋は顔の前で手を合わせ謝った。

 「……そうですか。なら今日も出直しますが、逆にいつならお話し出来そうですか?」

 「うーん、そうだな。金曜……金曜日だな! そこなら放課後いくらでも時間とれるぞ」

 「明後日ですね。承知しました。それではまた明後日の放課後よろしくお願いいたします」

 坂本は深々と頭を下げ、その場を去っていく。高橋はふぅっと息をついた。そんな高橋の後ろからある生徒が声をかけた。

 「先生、ちょっといいですか?」

 高橋が振り返ると、そこには仙波の姿があった。

 「お、何だ何だ。今度はお前か。俺は忙しいんだぞ」

 仙波はニコッと笑顔になり、

 「ちょっとだけならいいでしょ?」

 と生徒会室の方向を指さした。

 「何だよ面倒くさいな。少しだけだぞ」

 そして二人は誰もいない生徒会室へと入っていった。

 「で、何だ? 話ってのは。ちなみに本当に俺は忙しいから手短にな」

 「わかってるよ。単刀直入に、坂本さんのことよ。さっき話しかけられてたでしょ? 何だったの?」

 「相談がしたいんだと。今日は忙しいからって断ったよ。また金曜日話しを聞くことになったよ」

 「……そう。ちなにみ先生は何の相談だと思う?」

 「……さあな。面倒なのは嫌いだから、恋愛の話でないことを祈るよ」

 「ははっ。坂本さんが恋愛ね。本当にそうだったら私も聞きたわ。そうじゃなくて、もし”革命”についての話だったら?」

 「またその話か。お前もくどいな。何度も言うが、俺は革命に賛成はしない。学校の規則に従うし、生徒にもそれを守らせることが俺の仕事だ。それが生徒のためにもなると思ってる。だから、革命なんて起こさせないよ」

 「……なら安心したよ。もし先生まで寝返ったりしたら、本当にこの学校で革命が起こっちゃうからね。いつまでも”変わらず”に穏やかな学校を一緒に目指しましょう」

 「なら少しでも穏やかになるように、お前ら生徒会も変にでしゃばるなよ」

 「……はーい。気を付けます」

 「なら俺は行くぞ」

 高橋は生徒会室を後にした。

 この時、仙波は坂本たちよりも前に高橋を生徒会側へと引き込んでいた。坂本たちが江藤を革命側につけるために動いている間に、高橋に接触していたのだった。”また坂本が動き出している”と。それを聞いた高橋は、革命に反対の姿勢を見せたため、生徒会と結託し坂本らの動きを封じ込めることになっていた。

「さて坂本さん、どうするかしら。そう簡単に事は運ばないわよ」

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