見出し画像

30日間の革命 #革命編 96日

  加賀たちは、ハッシュタグ作戦を続けていた。次の目標は、実際に皆を巻き込むことだったが、苦戦をしている。そこで、まずは自分たちが行動で示してみることにした。

 「でもさ、このアカウントって男の設定なの? それも女子生徒? それによってやることも変わってくるよね」

 森下が二人に向かってそう言うと、

 「確かに。そこまでこのアカウントは考えてませんでした。でも、我々の投稿の言葉遣いからして、どうみても男ではないでしょうか?」

 と神原が答えた。

 「となると、さっき加賀が言った通りネクタイ緩めた画像でもあげてみる?」

 「そうだな。とりあえずはそれをやってみよう。てか、今からやってみるか?」

 「いいね! やってみようぜ」

 加賀と森下はそう言うと、準備をして情報処理部の部室から飛び出していった。神原も二人の後を追いかけるように部室を出ていった。

 そして、3人が向かった先は屋上だった。

 「屋上で写真撮るんですか?」

 神原が加賀へ質問をすると、

 「うん。なんかさ、単純に反抗的な画像を上げただけだと、どこか悪いことをしているような感じがするんだよ。なんていうか、ヤンキーとか不良みたいな感じ。でも俺たちがやりたいのはそんなことじゃくてさ、もっと自由に楽しんでいるような雰囲気を伝えたいんだよ。学校には色々と制限されているけど、これだけ楽しんでいるってことをアピールしたんだ」

 と答えた。

 「それで屋上って訳だ。楽しそうにはしゃいでいるところを撮影するってことだろ?」

 森下が加賀へそう話すと、

 「そうそう。何か放課後ってさ、最も学生が青春する時間でもあるじゃん? でも、うちの学校は部活だの生徒会だの何だので、結構やることが多かったりして、遊んでいる人って少ないよね。だから、学校生活を楽しんでいる様子を少しでも伝えられたらなって思ったんだよね」

 加賀はそう返事をした。加賀の考えには森下も神原も賛同するようにうなずいた。

 「よし! なら、まず第一弾撮っていこうぜ! 俺たちがはしゃいでるからさ、神原は写真撮ってくれない?」

 加賀はそう言うと、スマートフォンを神原に渡した。そして、森下と二人でネクタイを緩め、ズボンからシャツを出してふざけあった。神原はその様子をカメラに収めていった。しばらくして、

 「神原もやろうぜ」

 と神原を強引に引き込み、三人ではしゃいで遊んだ。神原は学校内で服装を緩めたことがなかったため、どこかぎこちなかったが、楽しそうだった。

 「よし! これくらいで写真は結構とれたんじゃない? あとは少し加工して、俺たちだってバレないようにしてから投稿しよう」

 「いやー、何かさ、もう普通に楽しかったわ。普通の高校生ってこんな感じなのかな? 俺部活漬けだったから、学校でこんなに楽しんだのは始めてだよ」

 「ぼ、僕も柄にもなく楽しんでしまいました……。何かこういうのって、いいですよね」

 三人は自然と笑顔で溢れていた。

 「そうだな。やっぱさ、学校って楽しまなきゃ損だよな。……何か俄然革命に向けてやる気が出てきた! 今度はさ、小春たちも誘って遊ぶか!」

 「お! いいね! 何か女子もいるとより青春って感じがするし!」

 そうして3人は部室へと戻り、撮影した写真をいくつか選定、加工しTwitterへと投稿をした。

▼30日間の革命 第一部
まだお読みでない方は、ぜひお読みください!

▼30日間の革命 ~第二部革命編~
マガジン作成しました! 第二部はコチラからご覧ください!

takuma.o

色々な実験を行い、その結果を公開していきます!もし何かしらの価値を感じていただけましたら、サポートしていただけますと幸いです!