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30日間の革命 #革命編 91日

 白の会のメンバーを増やしながらも、生徒会に気づかれない方法。加賀と森下、神原はそのことについて頭を悩ませていた。Twitterを活用すれば、1年生を白の会に参加してもらうこと自体は出来そうだが、動きが大きくなればなるほど、生徒会に気づかれてしまうリスクは高まる。もし気づかれて、作戦の途中で妨害が入れば、公約の通り加賀は学校を退学しなければならない。なので、今回の作戦では、人数を増やすことはもちろんのこと、いかに生徒会に気づかれずに実行するのかが重要なポイントになっていた。

 「色々考えたんだけど、要するに白の会とつながっていることがバレなきゃいいんだろ? なら、ハッシュタグ作戦を実行するだけして、勧誘するのは個々で行うってのはどうかな? Twitterとか目に見えるところでは特に勧誘はせずに、Twitterでは不満を募るだけとかさ」

 森下は二人にそう提案した。

 「うーん。確かにそうだな。オンラインで盛り上げて、実際の接触はオフラインにすればバレにくいしね」

 加賀は森下の提案に頷いた。

 「僕もそう思います。ただ、オンラインでの盛り上げ方も重要です。結局バレないことに注視しすぎると、便乗したように思われてしまうかもしれません。どこかで、ハッシュタグ作戦をやっているのは白の会だってことを知ってもらわないと。じゃないと、生徒会にそのことを利用されてしまうかもしれませんよ」

 神原は、ハッシュタグ作戦が白の会主導であることをわかってもらう必要があると考えた。

 「生徒会に利用されるって?」

 「はい。オンラインで盛り上がれば、いずれは生徒会の人たちにも気づかれると思うんです。例えば、生徒会も学生から集まった不満を解消するというような働きかけをすれば、学生からの支持を集めることは出来ると思うんです。そうなれば、特に1年生の間では、馬場君はカリスマのような存在ですからね」

 神原が説明をすると、

 「確かにその可能性ありそうだな。馬場のやつ、何でも利用してきそうだし」

 森下は腕を組んで、再び頭を悩ませた。

 「そこのバランスだよな。バレバレでもだめだし、バレなさ過ぎてもダメだってことだよな。生徒会には気づかれず、生徒には気づいてもらう。……めっちゃ難しいじゃん」

 加賀も森下と同じく腕を組んで険しい顔をした。それからしばらく、3人は頭の中で何かいい案がないか考えていたが、誰もその方法を思いつくことは出来なかった。

 しばらくして、加賀はバンと机を叩いてから話はじめた。

 「あーダメだ。ダメダメ。こんなところで慎重になってちゃ。もうさ、結果はどうなろうと、まずはやってみよう。ハッシュタグ作戦を。やりながら考えていくしかないよ。ここでいくら悩んでも何も前に進まないからね」

 「ま、まあそうなんだけどさ、もしバレたらお前、お前の進路もかかってるんだぞ?」

 森下がそう言うと、

 「うん。でも、最悪退学でもいいや。今思ったんだけど、俺が退学しないことが目的じゃなくて、革命を起こすことが目的なんだから。結局バレたって、俺が退学することで革命へも一歩前に進むことが出来る。でも、ビビッて小さなことしかできなきゃ、それこそ白の会にとって痛手だよ。もう決めたんだ。やっちゃおうよ。ハッシュタグ作戦を!」

 加賀は二人に向かって笑顔でそう答えた。

 「加賀君……。僕のせいで、こんなことになってしまいまし、少し負い目を感じていましたが、今僕も決心できました。僕もビビらずにやってみようと思います! 失敗してもその時に考えますよ! まずはやってみましょう!」

 神原も加賀に賛同し、力強く宣言をした。

 「おいおい。何か二人とも変にテンション上がったな。ま、でも、その通りだけどな。もうやるしかないか。ならとことんやってやるか。俺もやってやるよ! もう大友先生も怖くない!」

 森下も二人に続いた。

 そうして3人は、まずはハッシュタグ作戦を実際にやってみることにしたのだった。

▼30日間の革命 第一部
まだお読みでない方は、ぜひお読みください!

▼30日間の革命 ~第二部革命編~
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