30日間の革命 #革命編 66日目

 坂本は橋田の革命参加の意向を受け、さっそく行動を開始した。まずは加賀と棚橋との顔合わせである。加賀は棚橋に対して、生徒会側の人間ではないかと疑っている。その疑いを晴らさないことには前に進めないため、まずは顔合わせという形で二人に話をしてもらうことにした。坂本は二人の予定を調整し、ある日の放課後に3人でファミレスへと向かった。

 ファミレスへと着くと、3人はとりあえずドリンクバーのみを注文し、各々好きな飲み物を机へ運んだ。加賀と棚橋は初めて対面する。明らかに棚橋に対して警戒している様子を見せる加賀と、そんなことに一ミリも気づいておらず、美味しそうにコーラを飲む棚橋。坂本はどうやって二人をまとめようか、少し頭を悩ませた。すると、

 「加賀君とお話しするのってこれが初めてだよね? はじめまして! 棚橋未希って言います! 今、文化祭実行委員長をやってて、実は坂本さんのファンなんだよね! よろしく!」

 と棚橋から加賀へ元気な挨拶が行われた。唐突に元気な挨拶をされた加賀は少し戸惑っていた。いきなり不愛想に返事をするわけにもいかず、

 「こ、こっちこそよろしく。えーと、俺は加賀セト。知っている通り、”元”生徒会副会長です。今日は色々と話が聞けたらって思ってるか、よろしくね」

 と返事をした。その二人の様子を見て、

 「なら、ついでに私も自己紹介するね。坂本小春です。私もセトと同じく”元”生徒会長です! よろしくね」

 と自己紹介した。そのうえで、

 「ということで、今日は二人にわざわざ時間を作ってもらったわけだけど……。単刀直入に言うと、二人にはこれから協力をしてもらいたいって思ってる。棚橋さんは私たちの革命運動に協力してくれるって話してくれているから、こんなチャンスはないわ。文化祭のプログラムについても、私たちに少しだけ手を加えさせてくれるみたい。だから、私たちも棚橋さんと一緒に色々と策を練っていく必要がある。セトも革命運動の中心を担う幹部。これから二人で色々と作戦を練ったり行動をする場面がくると思うんだ。だから今日、お互い何か気になることがあればここで解消したいし、二人の仲が深まればって思ってる」

 と二人へ今回集まってもらった趣旨を説明した。

 「今坂本さんが言ってくれた通り、私は革命に協力するよ! 実は私、白の会の最初の集会から参加していて何か役に立てたらってずーっと思ってたんだ」

 棚橋は相変わらず元気に話をする。

 「……そっか。革命に協力してくれることは凄いありがたいし、嬉しいよ。でも、まずは俺は本音の言わせてもらうね。正直、棚橋さんは生徒会の息がかかってるんじゃないかって思ってる」

 加賀は穏やかに話すも、いきなり核心をついた。

 「息がかかってるってどういうこと?」

 棚橋はキョトンとした表情を浮かべ、加賀へ質問をした。

 「……つまり、棚橋さんは生徒会側の人間で、実は革命を止めるために接近してきたんじゃないかって思ってるってこと」

 加賀は一息ついてから、本音で答えた。

 「えー! 何それ! 私がスパイだってこと? あははっ。それめっちゃ面白いじゃん!」

 加賀の予想に反して、棚橋はお腹を抱えながら笑い始めた。

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