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30日間の革命 #革命編 59日目

 手崎は思わず声を張り上げた。すると、友人たちは驚いた顔をしながらお互いに顔を見合わせる。

 「そっか。私たちは手崎さんのことを思って言ってたんだけど、そこまで嫌がるとは思ってなかったよ」

 とそのうちの一人が言うと、

 「別に無理して行くことないのに」

 「また何かあっても知らないよ」

 と次々に手崎へと冷たい言葉を投げかけてきた。

 「い、いや、嫌がってるとかそういう訳じゃなくて……。今回は橋田さんと二人で話したいって、そう思っただけだよ」

 と弁明するも、友人の顔は冷たい。次第に手崎もうつむいていく。

 「まさかさ、革命派に戻ろうなんて考えてないよね?」

 うつむく手崎に、友人は更に追い込んでいく。

 「ち、違うよ!そんなんじゃないから」

 「本当に?」

 「ほ、本当だよ……」

 友人たちは必死に答える手崎の様子をじっと見つめた後、ふと笑顔に戻り、

 「そうだよね!今さら戻るなんて言うわけないよね。ちょっとしたドッキリだよ。橋田さんと話しに行くなら気をつけてね」

 と笑ってみせた。手崎はホッとしながらも、やはり苦笑いをするしかなかった。

 その翌日、手崎の元に橋田からLINEが届いた。内容は、今日の部活終わりに近くのコンビニで話せないかというものだった。

 手崎はスマートフォンをぎゅっと握りしめ、"大丈夫です"と短く返信をした。そして時間はあっという間に過ぎ、放課後が訪れる。手崎は校門の前で橋田を待っていた。

 (橋田さんと二人きりで話すのいつ振りだろ?なんか緊張するな……。もしかして、橋田さんこの前のこと怒ってたりするかな……)

 手崎は橋田を待ちながら、そんなことを頭の中で考えていた。そして、日が少しずつ傾き、空にうっすらと星が光り出した頃、女子バレー部の部員たちが続々と出てきた。その部員たちを見送り、最後に橋田がゆっくりとこちらへと歩いてくる。

 「ごめん、結構待ったよね」

 「いえ、大丈夫です」

 「……そか。なら、コンビニまで歩こっか」

 「はい……」

 そうして二人は近くのコンビニまで歩き始めた。橋田は手崎の少し前を歩く。その後ろで、少し下を向きながら手崎は橋田の後をついていく。その間、二人は一言も言葉を交わさなかった。

 そして、学校近くのコンビニへとついた。ここのコンビニにはイートインコーナーがあり、近隣の高校生はよくここで友人と話しをすることが多かった。二人が店内に入ると、既に数組の高校生がイートインコーナーで話をしている姿があったが、同じ高校の制服ではなかった。

 二人は飲み物だけを買い、イートインコーナーの角のイスへと座る。席についても少しの間は沈黙が続いた。

 そして、橋田は一口飲み物を口に含んでから、口を開いた。

▼30日間の革命 第一部
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▼30日間の革命 ~第二部革命編~
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