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アニメ制作時代の話④

おはようございます。

今日も「アニメ制作時代の話」Part④をお届けいたします。

※個人名の部分はぼやかしております


先輩から渡された名刺にか書かれていた電話番号に、恐る恐る電話をかけた。呼び出し音が鳴っている間も、私の心音はどんどんと大きくなっていた。

「はい、もしもし」

4コール目くらいで、受話器の向こうから声が聞こえた。

「あ、あの私、●●会社のtakumaと申します。今度のアニメの打ち合わせについてお電話しました」

私はしどろもどろになりながら、用件を伝えた。となりで先輩が私を監視するように見ていたため、余計に緊張した。打ち合わせをしたいと伝えると、監督は複数日の空きスケジュールを教えてくれた。女性の方で、とても明るい声で答えてくれて、私の心は少し救われた。お礼を言い、電話を切ると、さっそく先輩へスケジュールについて報告をした。

「なら早く演出さんに伝えてこい。それで、日程が決まったらまた監督へ電話しろ」

もう、数分前の優しい先輩はそこにいなかった。私は急いで演出さんのところへ行き、打ち合わせの日程について伝えた。演出さんは、卓上のカレンダーを見て、少し考えてから

「なら、明日の14:00って言っておいて」

の一言だけ私に伝えて、作業に戻っていった。不機嫌さは直っておらず、私はこの演出さんを怖いと感じるようになっていた。

そして、先輩のもとへ行き、日程が決まったことを報告すると、

「なら早く監督に電話しよろ。いちいち俺に言わなくてもそれくらい出来るだろ」

と冷たく突き放された。少し涙目になりながら、再び監督へ電話すると、先ほどと変わらず、明るい声で快諾していただいた。ホッと一安心していると、

「おい、日程が決まったなら、打ち合わせの資料準備しなきゃいけないだろ。絵コンテとか設定資料人数分印刷しておけよ」

「は、はい」

私は、なぜ先輩がこうも急に態度が冷たくなってしまったのか理由がわからなかった。不安と混乱で、昨日まで浮かれていた自分を少しだけ悔いた。

人数分の資料を印刷しながら、他の作業も同時進行で進め、気づけば時計の針は20時を指していた。

(今日は疲れたな)

と思い、軽めに夕食をとった。

この日を境に、私の心は2カ月、終始不安を抱えることになる。

To Be Continued…


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