チーム８(エイト) ＃毎日ネタ出し３０日目

【タイトル】

チーム８(エイト)

【あらすじ】

「大きな失敗からから大きなチャンスを得ることがある。だから人生は面白い」

佐々木幸次郎は大手広告代理店”電報広告社”に勤務する営業マンだった。どんな激務にも耐え、周囲からも「期待の若手」と言われるほど実力もついてきていた。そして、大型案件のチームにも抜擢されることになる。

しかし、佐々木はそこで大きなミスを犯す。

確認不足により、データ入稿が１日遅れてしまったのだ。幸いにも大事には至らなかったが、このことがきっかけとなり佐々木はチームから外されてしまった。

チームを外されたことで、今まで「期待の若手」だった佐々木は「やらかした奴」というレッテルを貼られてしまう。そのため、その後の仕事も上手くいかないことが続き、佐々木は精神的も辛い時間を過ごしていた。

そんな時、佐々木に上司からある命令が下る。

「今日からお前はチーム８の所属だ」

佐々木はその話を聞き、顔面蒼白となった。なぜなら、チーム８とは社内の「仕事が出来ない人の寄せ集め」チームだった。もともとは、実力のない人達を集めて研修などを行い訓練していく目的で作られたチームなのだが、現在では「あそこに送られたら昇進は無理」と言われるような場所になっていた。

つまりは昇進レースから外れた者の行く末ということだ。

佐々木は完全にやる気をなくしてしまう。事実、チーム８に行ってみると、そこは落ちぶれた人たちの溜まり場状態だった。勤務中にも関わらず、寝ているやつもいればスマホゲームをしているやつもいる。

佐々木も、もうこの会社での昇進は諦め、転職することを決意した。

それから数日、佐々木は変わらず転職サイトで求人を漁っていたところ、１通のメールが来る。以前、佐々木自身が新規開拓をして契約をとった会社から、新規案件の依頼メールだった。

佐々木は勢いよく席を立ち、上司のもとへと駆けていく。

「この案件、僕に進めさせてください！」

上司はその依頼メールに目を通す。そして、

「この内容だと、お前一人で進められる案件じゃないな。……よし、ならこの件はチーム８に任せることにする。お前が中心となってチーム８を動かせ！　それで、もしこの案件が成功するようならお前を元のチームに戻してやる」

それは完全なる無茶ぶりだった。とてもじゃないが、あの人たちが戦力になるとは思えない。しかし、このチャンスを逃せば２度と元のチームに復帰することは出来ないだろう。転職するのもいいが、せっかく苦労してつかんだチャンス。これを逃すわけにはいかない。

佐々木は、チーム８を動かすことを決意した。

果たしてチーム８は案件を達成することが出来るのか。そして、佐々木は見事に成功させ、元のチームに戻ることが出来るのか。

佐々木の大奮闘劇が今幕を開ける。