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30日間の革命 #革命編 90日

 もし神原が生徒会とつながっていたのなら、加賀は退学をする。そう公約し、神原は再び白の会へと復帰することとなった。そして、神原が主導となり、下級生を白の会へと呼び込むための”ハッシュタグ作戦”が行われることになり、ミーティングは解散となった。

「しかし、大胆なこと考えたな。学校を辞めるってさ、まじなの?」

 森下は、加賀と神原と一緒に帰りながら、加賀へとそう問いかけた。

 「ああ、もちろん。さっきも言ったけど、俺は棚橋さんを疑ってたんだから、それくらいはしないとね。なあ、神原」

 加賀はしっかりとした言葉で返し、神原にも確認した。

 「……は、はい。本当に僕のために申し訳ないです」

 神原はまだ少し落ち込んでいるような様子だった。

 「おいおい、元気ないじゃん。せっかくセトがそこまでやってくれるんだから、元気だしていこうぜ。それに、こうやってまた男3人で集まれたなんてちょっと嬉しいじゃん。”ハッシュタグ作戦”も、どうせやるなら成功するように俺も協力するからさ、頑張ろうぜ」

 森下はそう言うと、神原の肩をバンと叩いた。

 「は、はい! ありがとうございます」

 神原は叩かれた衝撃で少しよろけたが、さっきよりも大きな声で返事をした。

 「……そうだな。こっから考えるのは、どう結果を出していくかだ。とにかく文化祭まであんまり時間がない。どんどん動いていこう。……そうだ、今からもう少し作戦会議しない? 男だけで」

 加賀は森下たちにそう話を持ちかけた。

 「作戦会議? まあ俺は時間あるからいいけど、神原は?」

 「は、はい。僕も大丈夫です」

 「よし! ならちょっとコンビニ寄ってくか!」

 そう言うと、3人は近くのコンビニへと向かった。コンビニに着くと、飲み物などを買い、イートインコーナーで話を始めた。

 「……お二人は結構食べるんですね」

 神原は加賀と森下の買い物を見て驚いていた。自分はお茶のみを買っていたのに対し、森下はおにぎり3個とから揚げ、加賀はカップラーメンとがっつり食べ物を買い込んでいた。

 「そう? ほら、やっぱ腹減るじゃん」

 「そうだよ。むしろ神原はもっと食ってもっと太った方がいいぞ? そんなヒョロヒョロな身体だといつか倒れるぞ」

 加賀と森下は全くお構いなしで、それぞれ買ったものを食べ始めた。そして、食べながら作戦会議が始まった。

 「さてと、作戦会議なんだけど、もう明日から実際にハッシュタグ作戦は動いていこうと思うんだ。SNSとかは小春が苦手な分野だから、俺たちだけで動いていいって、さっき許可も取れてるし。どうやって動くかなんだけど、神原は具体的なアイデアとかあるの?」

 加賀はカップ麺をすすりながら、そう神原へ問いかけた。

 「……はい。先ほどのミーティングで加賀君が言ってくれたとおり、#学校の不満 などの投稿を増やして、興味を持ってもらうのが一番いいと思うんです。不満なんてのは、割と集まりやすいですし、1年生であっても、この学校の厳しさに不満を持ってる人は多いと思うんです。今まではその愚痴を個人のTwitterとかで匿名でつぶやく人が多かったんですが、それを共感してもらえる場所があれば、多分結構たくさん集まると思います」

 神原がそう答えると、

 「実際に不満をツイートしている人って多いの?」

 と森下が訪ねた。

 「はい。私が色々と調べてみると、恐らく1年生であろうと思われるツイートで、頭髪検査のこととか、先生に理不尽に怒られたことに対する不満ツイートは結構見られました。ま、まあもちろんニックネームなので、本当に1年生なのかは確かではないですけど」

 「……まあそこもどれだけ食いつかせるかが肝だね。色々とエサを巻いて、食いついてもらうしかないね。あと、もう一つ心配なのは生徒会だな」

 加賀は、生徒会の動きについても心配をしているようだった。

 「もし1年生が食いついてくれて、たくさん投稿をしてくれたとして、特に1年の馬場には情報がすぐ行くと思うんだよな。そうすると、妨害に会うことは予想できるし。そうなったら、神原もつながってなかったとしてもね。俺は退学しなくちゃいけなくなるからな。そこをクリアしないといけないんだよね」

 「そうだな。結局生徒会の面々にバレずに人数を増やさなきゃならないんだろ? そこが難題だよな。数を増やすだけなら、大々的に告知すりゃいんだけどね。今もバレないように個々で声をかけて地味に増やしていってるんだからな」

 「そうですね。どうやって生徒会に見つからないように人を集めるか。それを考えないとですね」

 三人はコンビニのイートインコーナーで頭を悩ませた。

▼30日間の革命 第一部
まだお読みでない方は、ぜひお読みください!

▼30日間の革命 ~第二部革命編~
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