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30日間の革命 #革命編 158日

 昼休憩の終わりを告げる鐘が校内に鳴り響いた。そして、

 「間もなく午後の部を開催します。学生の皆さんは再び体育館へと集まってください」

 とアナウンスが入った。そのアナウンスを聞き、学生たちは再び体育館へと集まる。既に発表を終えた学生たちはリラックスした様子で席へと戻っていく。対する加賀たちの緊張感は高まっていた。それは自分たちの発表が近づいているからではない。革命へと時間が近づいてきたからだった。

 体育館へ戻る道すがら、加賀たちは話をしていた。

 「なら、もうこの後は実行に移すだけだな。午後の部が始まれば、もうこうやって話すタイミングもないだろうし、自分たちの発表もあるからな。頼んだぞ」

 加賀は森下たちへそう話した。

 「おう、いよいよだな。俺たちも自分のクラスの発表があるけど、それはそれとして頑張るよ。な、神原」

 「そうですね。……僕は今まで生きてきた中で一番緊張していますが、もうやるしかないですよね。……やってやりましょうよ! きっと成功しますよ!」

 神原はいつになくテンションが高かった。それを見た加賀や森下は思わず笑ってしまった。

 「いいじゃん神原、何か元気もらったよ。そうだな、やってやろうぜ。じゃあ、よろしくな」

 三人は体育館へと着き、それぞれの席へと戻っていった。そして、いよいよ午後の部が始まる。午後の部では上級生の発表がメインとなる。そこでは、森下や神原、仙波や棚橋といった面々の発表も控えていた。そして、午後の部の最後は加賀たちのクラスである。午後の部が始まると、さすがは上級生の発表というところで、午前の部同様に盛り上がりを見せていた。そして、神原のクラス、森下のクラスも無事に発表が終わった。

 いよいよ加賀たちの発表が近づいてきたため、控室へと移動を開始する。控室は体育館の横に併設されている更衣室が利用されている。そこでは、男子楽屋と女子楽屋に分かれて着替えが出来るようになっている。加賀は男子楽屋に入り、演劇のための着替えを済ませる。

 3年1組の演劇は、シェイクスピア作の『マクベス』だった。『マクベス』とは、「勇猛果敢だが小心な一面もある将軍マクベスが妻と謀って主君を暗殺し王位に就くが、内面・外面の重圧に耐えきれず錯乱して暴政を行い、貴族や王子らの復讐に倒れる」というものである。この作品を選んだのは坂本だった。坂本がどういう想いでこの作品を選んだのかは、今となっては真意を聞くことはできない。ただ、今は精一杯やりきるしかない。そして、その先に何が待ち受けていようが、行動を起こすのみである。そんな気持ちで加賀は準備に取り掛かっていた。

▼30日間の革命 第一部
まだお読みでない方は、ぜひお読みください!

▼30日間の革命 ~第二部革命編~
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