30日間の革命 #革命編 122日
加賀は家につくと、そのまま自室へと向かいベッドへと倒れ込んだ。何かあったわけではないが、加賀は虚無感に襲われていた。坂本と別れるとき、何かもう一言いえなかったのか。あのちょっとした間は何かを言ってほしかったのではないか。坂本の謝罪と涙の意味はなんだったのか。そんなことが頭の中を駆け巡る。
「これから革命を起こすってのに、何でこんなにむなしい気持ちになるんだよ。昨日何があったのかちゃんと聞くべきだったのかな」
加賀はベッドの上でそんなことを考えた。そして、携帯を取り出した。
「今からでも小春に聞いてみるか?」
坂本の連絡先を見つめ、電話をするか否かを悩んだ。しかし、結局加賀が連絡をとることはなかった。坂本の口から何があったのかを聞くのが怖かったからだ。この土曜日と日曜日の連休はひたすら自分の弱さを攻めた。そんな日曜日の夜、森下から電話がかかってきた。加賀は驚いて電話に出た。
「……もしもし?」
「お疲れ! 急にごめんな。今少し大丈夫か?」
「ああ、大丈夫だけど、どうしたの?」
「いや、もう来週は文化祭だろ? 何か具体的な作戦とか聞いてたりするのかなって思って」
「……いや、特には何も聞いてないかな」
「……そっか。まあまだもう少し時間があるから明日とか坂本さんから話とかあるのかな?」
「……うん、多分そうだと思うよ」
加賀は元気なく答えた。
「……お前、何かあったのか? この前からちょっと様子が変だぞ」
森下は思い切って加賀へと質問をした。
「……い、いや……」
加賀は森下たちに不安をかけてはダメだと、何があったのかを言うのを躊躇した。
「……もし言いたくなかったらいいけどさ、お前何か一人で抱え込んでないか? これから革命を起こすんだろ。革命なんて一人で出来るもんじゃないだろ。俺たちもメンバーなんだから、そこら辺は信用してくれよな」
加賀は森下の言葉に何も言い返すことが出来なかった。
(確かに森下の言う通りだ。俺は一人で勝手にしょい込んでいて結局心配かけているだけじゃないか)
「森下、ごめん。何か俺一人でずーっと変に考えていた」
「ははっ、そうやって素直に謝るところもお前っぽいな。まあいいよ、今は詳しくは聞かない。また明日からでも話せるなら話してくれ。そして、皆でさ革命起こそうぜ」
「……ありがとう」
「おう、ならまた明日な」
「うん」
そうして電話を切った。加賀は携帯を握りしめた。
「明日、しっかり小春に話を聞こう。そしてちゃんと話してから革命を起こそう」
▼30日間の革命 第一部
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