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30日間の革命 #革命編 97日
加賀たちの写真がTwitterへと投稿された。もちろん顔は写さず、誰なのかは分からないような状態で。投稿してから3人は少し顔を見合わせる。3人が考えていたことは一緒だった。
「果たしてこんなことで投稿は増えるのだろうか」
さっきまでははしゃいでいたこともあり、テンションが高かったので気にならなかったが、いざ投稿をしてみると色々なことが3人の頭の中に思い浮かんだ。
「もし何にも反応なかったら、ちょっと恥ずかしいかも」
「何でさっきあんなにはしゃいじゃったんだろう」
「もし誰かに特定されたらどうしよう」
3人には一気に”不安”が押し寄せた。そのまま3人はテンションが低いまま解散し、部室を後にした。加賀は校庭で2人と別れ、1人帰路に就く。とぼとぼと歩きながら、落ちていく夕日を見つめていた。
「何か日が暮れるの早くなったよな」
そんなことを一人つぶやいた。オレンジに染まる街並みを見ると、なぜか心がしめつけられる。誰かに怒られたわけでもなければ、今回の作戦が失敗したわけではない。だけれども、不安が加賀の後ろをついて離れてくれない。今回、神原を救うため、そして革命を成功させるために自ら動き考えた作戦。今まで坂本の策を実行することしかなかった加賀が、はじめて自分で考えて動き出した作戦だった。だからこそ、倍以上のプレッシャーがかかっていた。それは自身の進退も懸けているからかもしれない。
バレたら退学。
あの時は威勢よく言ったが、後から冷静に考えれば退学なんて簡単に出来るのか不安になる。親には何て言えばいいのか。先生には何て言えばいいのか。そして、この作戦は成功するのだろうか。もっと言えば、革命なんて本当に起こせるのだろうか。
考えれば考えるほど不安が加賀を襲った。そんな不安から逃げるように加賀は家には帰らず、近所のコンビニへと立ち寄った。以前、深夜に家を抜け出したときに立ち寄ったコンビニである。
店内に入ると、人の姿はまばらだった。加賀は何を買う訳でもなく、雑誌コーナーへと足を運び、適当に目に入った漫画を手にした。パラパラとめくれど一向に内容は頭に入ってこない。その漫画を棚に戻し、次はファッション雑誌を手に取る。しかし、漫画同様に何も頭には入ってこなかった。そんなことを繰り返していると、隣に誰かがやってきた。そして、その人も雑誌を手にとり立ち読みを始めた。加賀は相手の顔を確かめることなく、そのまま読みもしない雑誌のページをめくり続けた。
しばらくすると、日が落ちてきて辺りも薄暗くなってくる。加賀は相変わらず雑誌を適当に流し読みしている。暗くなったせいか、ふと顔を上げると目の前のガラスには自分の顔が反射して映っていることに気づいた。そして、隣にいる人も変わらずに雑誌を読んでいることにも気づいた。そろそろ帰ろうかと雑誌をたたみ、棚に戻そうとしたとき、加賀はガラスに映っている隣の人の姿を見た。なぜなら、そこには坂本が映っていたからだ。
慌てて横を見てみると、確かにそこには雑誌を読んでいる坂本の姿があった。
「こ、小春!?」
加賀は思わず声を上げると、坂本が雑誌から目を離し、加賀の方へとゆっくりと顔を上げ、いつも通りの笑顔を見せた。
▼30日間の革命 第一部
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▼30日間の革命 ~第二部革命編~
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