30日間の革命 #革命編 114日
坂本からの思いがけない言葉に、加賀は少し驚き、そして顔を赤らめた。
「そ、そんなことないよ。まだ上手くいったかどうかはわからないし。ほ、ほら、もしかしたら失敗したのかもしれないし」
加賀は照れのあまり、上手くしゃべれなかった。
「そうかしら?でも、どんな結果になったとしても、今日セトが頑張ったことには変わりないよ。本当にお疲れ様」
そう話す坂本の笑顔に、いつも以上に心臓が早く動いていることを加賀は感じていた。間もなく下校を告げるチャイムが鳴り、この日は解散となった。
翌日さっそく動きがあった。Facebookによる白の会のグループ入会希望者がどんどんと増えていたのだった。加賀たちは情報処理部の部室に集まっていた。
「凄いですよ!! もう20人以上から申請が来ています! それも皆実名ですよ!」
神原は画面を見ながら興奮気味に話した。
「本当に! やっぱ加賀の演説が良かったんだろうな。流石です!」
森下は少し茶化すように加賀へとお辞儀をした。
「いやいや、そんな褒めるなよ。まあ確かに嬉しいけどね。ちなみに何年生が多いの?」
「ちょっと調べますね」
そう言うと神原はパソコンで色々と調べ始めた。
「……ざっくりとですが、やっぱり下級生が多いですよ! 5割くらい1年生みたいです!」
「マジか! なら本当にハッシュタグ作戦大成功じゃん!!」
「た、確かに! いやー、本当に二人には感謝だよ。ありがとな」
加賀は二人へと頭を下げた。
「何かもう終わった気分になってないか? まだ本番はこれからだろ?」
「森下くんの言う通りですよ! これからもっと頑張りましょう!」
「……二人とも。そうだな。これから革命を起こすためにも、ここで満足はしてられないな。よし、これを足掛かりに革命まで突っ走ろう」
結果として、加賀たちの行ったハッシュタグ作戦は成功をおさめた。その後も入会希望者の数は増えていき、下級生を中心として50人ほど数を増やすことが出来た。
女子バレー部のキャプテンが橋田へと変わったこと、坂本が大友へ反抗したこと。こういった出来事が学生たちの関心を集め、加賀の呼び掛けにより「学校を変えたい」という気持ちが学生たちの中で芽生えていたのだった。
そうして、学校には革命への雰囲気が高まっていた。以前とは違い、坂本たちだけではなく、学生一人ずつの意識が変わっている。現状に疑問を持ち、自分たちでも変えられるという気持ちが湧いているようだった。
文化祭まであと数日。
加賀たちが盛り上がる中、坂本は屋上で一人空を見上げていた。
▼30日間の革命 第一部
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▼30日間の革命 ~第二部革命編~
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