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インドの映画館 (インド滞在録#10)

(2018年夏に、会社の海外派遣プログラムで、インドのプネにある環境NGOでインターンしていた際の滞在録です。現地での体験や、日頃の気づきなどを、ゆるゆると綴っています)

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今一番面白いボリウッド作品は何か、とインド人同僚に質問した所、「STREE」というホラー・コメディー映画が大ヒットしているとの情報を入手した。

「字幕なしのヒンディー語だから、面白く感じないかもだけど」と忠告されるも、観てみないことには、面白く感じないことすらできない訳だから、早速映画館へ向かう。

劇場設備は日本と大きく変わらないが、上映開始前に全員起立して、国歌斉唱を行う時間がある点は特殊だろう。

作品は、ホラー×コメディーというモダンな設定でありながら、ボリウッドお決まりパターン(勧善懲悪・設定度外視のノリノリ音楽・ハッピーエンド)はしっかり押さえていた。

セリフの意味は、忠告通り全く理解できないが、劇場全体が大爆笑するのにつられて、自分も何だか笑えてくるから不思議だ。

インドの劇場でつくづく感じるのは、ここでは映画=参加型娯楽だということ。おバカシーンでは会場が揺れるほどに爆笑し、美女のセクシーダンスでは口笛を吹き、終了後は拍手が沸き起こる。

劇場一体となって、映画に対してリアクションを取る「場」が非常に面白い。確かに、インターネット配信等でいくらでもコンテンツは入手可能な時代。

「NETFLIXで字幕付きで観た方が多分面白いよ」と言った同僚に対して、「内容理解してパソコンで観るより、意味不明でもインドの劇場で観た方がいい」と説明したなら、わかってもらえるだろうか。

後日、「STREE面白かったよ!他にお勧めある?」と聞いて「ミッションインポッシブル」と真面目に返されたので、なんとなく、わかってもらえない気はしているのだが。

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以 上

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