はるかと幽霊の不思議な日々
〜プロローグ〜
位置について、よーいドン。その瞬間ピストルがパンと反響する。同時に応援する声 「がんばれー、がんばれー」。
そして選手達は疾走する。
リレーは嫌だ。とにかく嫌だ。そう考えながら私は走った。
「赤組のはるかさん、頑張ってください」
泣きそうだ。
なんでこんなに、なんでこんなに何もかも才能ないんだ。
なんで上手くいかないんだ?
「あっ」と声が出たと同時にグサッと足を捻るはるか。
その瞬間走馬灯が見えた気がした。
第1章
「なーんにも上手くいかない」
大谷はるか。
JC1です。
あっ、中学一年生の女子の略です。
冒頭はすみません。
口癖で、、、
なんか上手くいかないんです。
勉強も、運動も。
正直、頑張る気力すら無くなりました。
そういえば今、中学校にいます。
帰るところだけど。
ちょうど今日中学入学したんです。
ねね突然だけど私、頻尿なんです。
だから入学式で漏らさないか不安で不安で。
いわゆる祝辞って言うんですかね、、、
偉い人がお祝いの言葉言うやつ。
早く終われって思ってました汗
そんなこと思う私酷いですよね。
それにしても横浜中学校は大きいなぁ。
横浜より都会の東京に行ったら学校の大きさに驚くのかなぁ。
そそ、学校の年間予定表をもらったの。
そこにね体育大会って書いてありました。
実は私小学六年生の運動会で足を捻って盛大に転んだんです。
運動音痴で、、、
それがトラウマ。
体育大会怖いなぁ。
なんで義務教育で争わせるのだろう。
あと勉強も出来ない。
辛い、辛すぎます。
得意なことがない。
誰か教えてください。
私が得意なこと。
知らないかぁ。
ちちち、遅刻するー。
私、今日寝坊しました。
入学してから1日目はちゃんと通えたけど2日目はギリギリセーフそして3日目。
まさかの私、三日坊主か?!
ダッシュで走ろう!
信号を守って。
私頑張れ、頑張れ。
*
「なんではるか、遅刻したんだ?」
「すみません、走るの遅くて。」
「それは歩くと言うんだよ。」
最悪。
遅刻した。
なんでこんなに私は上手くいかないんだぁー。
なんで私は、なんで、、、
辛い。
先生酷い。
運動音痴って言葉知らないのでは?
でも実際遅い。
どうすればいいの?
もう学校なんて行かない。
上手くいかないのに行く意味がない。
クラスだって馴染めてないし先生に嫌われるし怒られるし。
そんなんだったらいなくなった方がまし。
こんな人生もう嫌だあああああああああ。
時間ギリギリ食べ終わった。
恥ずかしい。
三日目にして恥をさらしまくるとは。
ただ一つ救われたことがある。
クラスメイトはあまり気にしていない。
有難い、、、、、、、、
けれどその分、仲の良い人もいないということだ。
寂しい。
とりあえず最後まで学校で何とか過ごして帰ろう。
そう思い午後の授業を受けよう。
ううう。
ねたぁ。
。
。
。
って放課後?
やばい誰もいないじゃん。
学校にトイレで寝たから気づかれなかったんだ。
どうしよ、、、
スマホもない。
え、誰かいる。
誰?
「俺だよ」
「だから誰?」
「幽霊」
「えええ」
「はるか殿を救いに来ました」
救いに来た、、、って殿wwwww
「さん付けがいい?」
「じゃあ、呼び捨てで」
「分かった」
じゃあ始めよう。
はるかの訓練を。。。
どどどどどどど。
まぶしい。
誰かああああああああ。
*
「まずはランニングだ」
「えええ、初めて会ったばかりなのになんで運動神経悪い事知ってるの
?」
それは透明になってはるかの活躍を見ていたからだ。
はるかはあまりにも持久力がなさすぎる。
ランニングしてつけるのだ。
「えええ」
文句は後で。
まずは走れ。
「なんでこんなことに」
「というか幽霊がなんで前にいるの?」
とりあえず走る、、、、
嫌だあああああ。
ポニーテール邪魔だなぁ。
でも訓練したら持久力つくかも知れない。
がんばろう。
「はぁ、はぁ」
よく走れた。
こんなに走れたの初めてかも。
嬉しい。
もっと頑張ろう。
過去の失敗を消すために。
嬉しい。
やった。
次は何をするんだろう。
筋トレだ。
腹筋、背筋、レッグプレス、チェストプレス。
努力していくの楽しい。
はるか、もう朝だ。
俺は帰らないとならない。
今日はこれで終わりだ。
次もあるからな。
「ああ」
「はるか!」
なんで学校内にいるんだ。
「寝てたら朝で」
「はっは、はるからしいな。ってご飯食べてないの?」
「あっ、お腹すいた」
ぎゅるるるる。
その瞬間お腹がすいてきたのである。
「とりあえずパン食べな。あるから」
「ありがとうございます。」
美味しい。
努力した後のご褒美がこんなに贅沢なものだったとは。
私とは無縁の世界だった。
今夜は勉強頑張ってみようかな。
今日は学校の授業に寝ずに出てみよう。
そうしたらなにか変わるかも。
いい事起きたらいいなあ。
あっ、でも体育の授業ある。。。
嫌だな。
でも昨日の成果を発揮できるチャンス。
がんばろう。
*
よーいドン。
ザクッザクッ。
土を蹴る音があたまの中に響く。
あと一周がんばれば終わる。
やったあ。
終わった。
これで給食だ。
今日はカレー。
沢山食べるぞ。
学校から帰ろう。
「はるかさん! 持久走すごかったです‼」
「そんなwww」
「友達になって下さい」
「いいですよ」
やったああああ。
「一緒に勉強しよ」
「いいよ」
わーい。
「数学は因数分解でいい?」
「うん」
じゃあ放課後ね。
~放課後~
「難しいけど楽しいね」
「んね」
はっはっはっはっは。
あっ、幽霊さん。
自信がついて来たようだな。
今日は因数分解したのか。
偉いじゃないか。
「上から目線」
ww
今日は苦手な所頑張って行くぞ。
「オー」
因数分解の応用、英単語。
沢山あるからな。
じゃあ今日はここんところで。
さらばだ。
はっはっはっはっは。
リレーの選手を発表します。
まずはるか‼
おおお。
定期テスト一科目目開始。
かっかっか。
シャーペンがこすれる音が聞こえる。
え、どんどん解ける。
嬉しい。
頑張って努力した成果が出てる。
どうしよう嬉しい。
~次の日~
テストクラス一位は、、、
はるか!
その瞬間に拍手が。
はるかは自慢げだ。
やったあ。
これまでこんなに上手くいったことない。
生きててよかった。
そして体育祭も近づいてきた。
「はるかがんばれ」
そんな声をかけられることも増えた。
なんだか緊張する。
~体育祭前日~
はるかのお母さんはカツカレーを作ってくれた。
こんな食べれないよと言いつつもペロッと完食することが出来た。
そして幽霊だがはるかに自己肯定感が沢山あと見えなくなってしまった。
そうして体育祭前日を終えたのである。
体育祭は優勝して終える事が出来た。
幽霊。
その存在によりはるかは良い未来に進んでいけた。
制作 メンダコ様
投稿 笹木スカーレット柊顯
©DIGITAL butter/EUREKA project
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