【J2第22節】アルビレックス新潟vsヴァンフォーレ甲府 マッチレビュー~新たなる可能性~
先週の土曜日ホームで行われたヴァンフォーレ甲府との一戦。結果は1vs1のドロー。
お互いにねらいがあって攻防する試合はいちサッカー好きとしてはとても楽しい試合だったのですが、アルビサポとしては昇格にむけてやはり勝ち点3が欲しいところ。
ただ長い視点で見た時に今後の可能性を感じる試合だったと個人的に思います。
突然話は変わりますが、レビュー書くって大変ですね。書いてる人すごいです。自分の場合は気になったとこピンポイントでしか書く体力しかないです。今日もピンポイントで書いていきます。
◯新潟の変化と狙い
ここ数十試合は基本攻撃時は3-1-4-2で両SBが高い位置を取り、両SHが中を取る陣形を取っていた新潟。
しかし今回の甲府戦ではめずらしくSHが幅を取る形を取った新潟。
DAZNでの試合後の監督インタビューでアルベル監督はこのように述べていました。
Q. 相手の守備ですが守備時に5バックを形成してくる相手に対して、サイドからのクロスもありましたが、得点を狙うためにどんな狙いがありましたか?
A. 相手の5バックに対してサイドで至恩もしくは大本祐槻でのサイドアタックを目指していきました。
新潟として前に仕掛けていくことが得意な二人をSHの位置で使い攻めたかった模様。
またこの試合の狙いの一つとしてFWが縦関係になり、鄭大世選手がトップ、高木選手がトップ下とはっきり役割が分けられていました。
徳島ヴォルティス戦でも新太選手と鄭大世選手がはっきり縦関係を取る形を作っていましたが、その試合ではなかなか渡邉新太選手はDF、MF間でボールを受けることができませんでしたが、
この試合に入った高木選手はDFとMF間、相手の左右のCBの前のスペースでボールを受けてリズムを作っていました。
またSBの偽SB化今節の大きな特徴でした。
(偽SBとは・・グアルディオラの工夫が生んだ「偽サイドバック」を解き明かす)
試合中SHが中入ってSBがワイドなシーンもありましたし、通してずっと偽SBをやっていたわけではないですが、新潟が偽SBを意図的にやるのは初めてな気がします。
シーズン序盤はSHがワイドに取る形をとっていましたが、自分の記憶が正しければ偽SBはやっていないはずでした。(堀米選手が自主的にやっていることはあった。)
偽SBを導入した意図は色々仮説は立てれますが、SHをワイドにそしてそこでのサイドアタックが一番の狙いと考えた時に偽SBを導入した意図は
・SHへのパスコース確保
・パスの選択肢を二つ作る
個人的にこの2つかなと推測しています。
SB、SHがともにワイドをとることでSHへのパスコースがなくなります。
しかし偽SBにすることで敵のSHを中に絞らせることでサイドへのパスコースが開けていきます。
またお互いがサイドを貼らないことで選択肢が増え、敵がパスコースを消してプレスにいくことが難しくなります。
田上が中入ってハーフレーンでうまく楔で受けるシーンがなんどかありましたが、SBが楔で受けるのを狙っていたのか、それとも副産物的なモノの結果論なのかは少し分かりませんが、偽SBを使ったいい攻撃が何度か見受けられました。
田上、荻原がワイドを取った時は、本間、大本が中に入る形をとっていたので、ねらいとしてはSHへのパスコースを空けるというのは副次的なもので割とそこまで優先順位高くなくて、一番の偽SBの狙いはパスコースを二つ作るためだったのかなと思います。
◯甲府から学ぶチャンスの作り方
お互いハイラインを取りたいというチームの中で、新潟は高木を中心にリズムは作っていたが、甲府に比べて奥行きと幅の使い方は上手くなかったと思います。
実際チャンス数に関しては甲府が多く、新潟がチャンスを多く作れなかった要因としていくつかあると思うが一つは奥行きと幅の部分だと個人的に思っています。
これからその奥行きと幅について言及していきます。
①奥行き
アルベル監督もよく奥行きについては言及していることがあり、主にCFの選手がSB裏に流れてよく奥行きを取っているシーンがよく見受けられたりします。
しかし、今節甲府のハイラインに対して、ファビオ選手や途中から入ってきたロメロフランク選手が中央で背後を取る動きをしていたが、何本もオフサイドに引っかかていました。
奈良クラブの監督の林舞輝さんが以前このようにおっしゃっていました。
まさに新潟は相手のCBにラインを上げられオフサイドに引っかかていたし、見事DFラインをあげられて中盤のラインと圧縮されていました。
そこで奥行きをとることができるのが、林さんもおっしゃっているがワイドの選手である。これを行っていたのが甲府です。
甲府の攻撃の特徴として左WBの荒木、右のシャドーの太田が幅広くとり高い位置をとる戦術。
左サイドでいえば、サイドの田上は裏を狙われてるのでラインを下げたいところだが、左シャド―の中山が降りてくるため前からかけたいマウロはラインを押し上げたいという部分で、前節新潟の改善点として挙げた敵のベクトルの前後にすることを見事甲府はしていました。
新潟がここでDFラインをそろえるためにDFラインを上げるとSBの背後のスペースは大きくなってしまいます。
またサイドのスペースはキーパーが出てこれないため広く、また抜ける選手もサイドなので体の向きがつくりやすく抜けやすい。
林さんも先ほどのツイートでおっしゃていたが、SBはラインの基準設定ができないのでここをどうするかあやふやになります。
ここの部分に関して甲府は上手くついてきたなと感じました。
新潟もシルビーニョが2回ほど高い位置で裏をとってチャンスにつながるシーンを演出してましたが、最初から両サイドの部分でここを狙ってよかったなと思います。
②幅とパラレラ
甲府は幅をとって作った敵のCBとSB間のスペース(チャンネル)をうまくインサイドにいる選手が突いていました。
このような動きをフットサル用語でパラレラをいうのですが、甲府の選手は見事でした。
新潟も荻原や田上がパラレラをしてチャンスを作り出していましたが、意図的にに狙っている甲府と比べるとタイミングが悪かったり、パラレラを行うためのポジショニングが悪かったりしているように感じました。
新潟も今後偽SBをする場面がある場合うまくこのパラレラを使っていくシーンが増えると面白いんじゃないかなと思います。
◯試合の個人的な感想
甲府の方が守備でのハイプレスと撤退して5-4の圧縮したブロックを作る辺りだったり、攻撃に再現性がある部分だったりと1枚上手に感じた試合でした。
甲府関係なしにこれまでの新潟と比べたときに、中2日で今までしたことないサッカーをしたのもですし、高木のトップ下、偽SBの戦術をアルベルが持ち合わせてる、あとはシルビーニョのSHの可能性というのを考えた時、
今までのサッカーだと堀米、早川は使いづらかったけどこのサッカーなら問題なく出られる気がするのと、
新太が今シーズン絶望の中で4-2-3-1のオプションが生まれたりととても大きい収穫のある試合だと感じました。
試合の細かい部分で言うと、得点シーンはサイドからダイレクトな形かつ荻原のクロスの質の高さによって生まれましたが、サイドアタックではなくて、中で攻めていくためにサイドで奥行きと幅を取っていくという展開が見たかったなと思います。
サイドの深い位置まで行くと綺麗な5-4ブロックが形成されて、放り込んでも勝ち目がないのと、甲府は5-4ブロックを作りたいのもあってそこまで中盤のプレッシャーがつよくないのでもっと中で仕掛けられなかったかなと思います。もちろん中で攻めるということはカウンターもくらい安くなりますが。
試合と関係ないですが、新太の怪我は痛いですね。
やっぱり矢村選手はいい選手だと思うので、1点とればケチャドバになる気もするので後半戦のニューヒーローとして期待してます。
あと4-2-3-1になったら、FWが点とることに専念できる気がするので、ファビオ、テセ、ヤムケンの3人はエコノメソッド受けて改善してほしいですよね。過密日程でそんな余裕ないのかもしれないですが。あまりどういうものか理解してませんが、レオナルド2号を生み出してほしいです。
以上何卒です。
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