#0 元保健所職員が今こそ伝えていきたいこと
昨年(2021年)3月まで、私は保健所で働いていた。
といっても保健師や医療関係の資格を持っていたわけではなく、行政職、いわば事務の職員として勤務していた。
そして、2020年頭から例の感染症対応に携わることになった。
人の命がかかっている。
気が抜けない。
先が見えない。
朝も夜も、土日も年末年始も関係ない。
やれどもやれども報われない。
しかしながら、報道では対応への批判ばかりが取り沙汰された。
ネット上で心ない言葉を吐く人も見かけた。
職員だって人間だ。
そういったものを見続けたら、やり切れない気持ちになる。
現在私は別の仕事をしているが、かつての同僚は今日も心身消耗しながら闘っている。
最近連絡を取ったとき、ようやく落ち着いたねと笑っていたのに。
また終わりが遠くなった。
職員を応援して、なんて偉そうなことを言うつもりは無い。
だが、
「今こんな仕事をしている人もいるんだな」
というのを誰かに知ってもらいたい。
できれば心の隅にとどめてもらいたい。
生の声を感じてもらいたい。
誤解を解きたい。
また、もし行政機関で働く方がいれば、
この記録を読んで何かを持ち帰ってもらえたらなお良い。
そういうわけで、これから私が保健所で働いていたときの体験を(時々雑談もしながら)この場に綴っていく予定である。
状況は刻一刻と変わるため、この記事の情報は少し古いものになるかもしれないが、
私が感じたことを記録として残しておきたい。
多くの方に届きますように。