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絵とワードの物語 『ガラス玉にうつるもの』


「おとうさん! みてみて! すごい!」
 背伸びしようと力の入る小さなてのひらが、頭に食い込んで痛いのとか。
「ちゃんと見えるか?」
 いつの間にか肩にずしりと来るようになったその重みとか。
「うん! おとうさんもみえてる?」
 ほんのちょっとだけ聞き取りやすくなった、その滑舌とか。
「ちゃんと見えてるよ」
 眼前に広がる魅力にきらめいているだろう、そのガラス玉のような瞳が。
「うん、すごい、たのしいね!」
 いつか自分が必要なくなっても、同じ輝きをうつしてくれればいいな、なんて。
「そうだね……いてて」
 興奮に髪を引っ張りながらはしゃぐその足をしっかりと掴んで、汗をかきかき苦笑いした。



絵 はしもとあやね @enayacomic
文 ねきの@nekino_e



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