見出し画像

音楽家の旅行記 金沢編 -Part2 1日目 朝-昼 金沢城公園・兼六園〜近江町市場-


金沢城公園

近江町市場での豪華な朝食ののち、金沢城公園へ向かう。加賀百万石のお膝元だ。まさにちょうど良いタイミングで桜が咲き誇る良い季節だった。

桜真っ盛りの良い時期に訪れた

ソメイヨシノと、もう一種類忘れたが桜があったように記憶している。桜の色は普段見慣れている東京の物と大差はないように思ったが、木の幹や枝が東京の物と比べて補足で華奢なせいで桜のイメージが繊細な感じがした。一方で東京の物は太くてどっしりとしたような印象が強いのだが、たまたま近所で目にするものがそうだっただけなのだろうか。金沢城は天守閣は消失したままで、この特徴的な五十間長屋と他わずかな建築、門が残るのみだ。

五十間長屋

兼六園

広い空間と金沢城、桜を楽しんだのち隣の兼六園へ向かう。ちょうど桜の最盛期のため無料開放されていた。意気揚々と門を潜ると早速綺麗な緑の苔の景色。そして広がるは有名な霞ヶ池。

霞ヶ池。手前の灯篭は有名な徽軫灯籠

最初に思った印象は、写真だとわかりにくいが緑の色彩が美しいということ。苔の色、松の色、その他木々の色、水草の茂った池の色。一口に緑と言ってもその緑の種類がそれぞれ違っており、いずれも明るさを感じられる。石川の色彩は独特だ。ヨーロッパで日本の色彩に関して研究のためにあらゆる日本の物の色合いを確認した際、濃淡が強いかくすんでいるかという傾向が強く、ヨーロッパの例えば絵画やステンドグラスなどと言ったような透明感の強いパステルカラーというのがあまり見受けられなかった。ヨーロッパの、特に私はフランス音楽に愛着が強くあったのだが、その中では和声感(ハーモニーの作られ方)や楽器の色彩感の華やかさに興味があったようだ。そんな中能登地震がきっかけとなり石川について調べ出した際に発見した加賀友禅の色彩感に関心が湧いた。これまで見てきた日本の色彩感の傾向にはまらない透明感と淡い色。他にも有名な輪島塗、金箔などの工芸品も非常に艶やかで日本の傾向にある艶消しとは真逆の代物にこれは一度生で見ないとと思ったのだった。これまでの旅の経験から工芸品や味覚、人の性格の傾向などはその場所、土地、水などといった風土の影響、関連性を感じていたので石川の自然がどんな色なのかというのも旅の前から関心が湧いていたのだった。そんな石川の色彩を垣間見たような気分であった。というのとあれだけ様々な場所で推されていた徽軫灯籠が思いの外小さく拍子抜けに感じたりもした。

茶店

石川の緑を堪能した後、歩き詰めだったこともあり茶店に寄り休憩。名物の棒茶とあんころ餅を注文する。


あんころ餅と棒茶

やはり石川といったら棒茶と呼ばれるほうじ茶だ。お茶の茎の部分が使われる独特の製法からなるほうじ茶だ。現地ではこのほうじ茶が番茶と呼ばれるのだとか。非常に透明感の高い艶やかな味である。と思っていたのだが自宅で飲んでいたものと印象が違う。自宅では主に山梨の水でお茶を入れていたのだがどうも水が違ったようで味の印象がだいぶ違う。思っていたよりもお茶らしい。極端に表現するならば自宅で飲んでいたほうじ茶は紅茶に近い要素もあったかもしれない。後々金沢の天然水を買って飲んでみたのだが水の味がだいぶ違う。非常に軽いのだが舌触りというか食感が強いというか、コシがあるというか、変わった口当たりであった。透明感も高くユニークで美味しい。食べ物の味わいに水の味は直結する。食物として育つ時も料理に使われる時も大きく関わる。水は一種の調味料として扱うことができるというのが持論だ。醤油も地方によってかなり味わいが違い、それによってその地方の特有の味が決まるように水もかなり影響があるように私は思う。

あんころ餅も東京の和菓子がベースとなっている私としてはかなり独特だ。
非常にねっとりとした味の濃い、とはいえ軽い味わい。おそらく塩は使われていないのか、かなりストレートな甘みが口に広がる。そしてその後に現れる餅。この餅の食感がかなりしっかりとした、しかし強いという感じではないもちっとしたものだった。池を見ながら食べるお茶と甘味に癒された。
しばらく休み、その後今回の旅の最大の目的の一つである加賀友禅会館へ向かう。

次回に続く。


この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?