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焙煎の完成度を高めるハンドピック

ピッキングの記事は以前にも書きましたが、コーヒーの正しいおいしさを求めるためには、大きなポイントになります。
また、正しく焙煎するためにもハンドピックは重要です。

コーヒー豆のピッキングの大切さ

ハンドピックは本当に大切で、焙煎への影響度がかなり高いと考えてます。
焙煎士は単に生豆を加熱しているだけではなく、その豆の特徴を考えて生豆と向かい合い、特有の個性を表現しながらおいしいコーヒーにしたいとイメージしています。
そのようにコーヒー豆に向き合って焙煎を行うのですが、焙煎機に投入する生豆に欠点豆が多ければ、イメージしている完成形からかけ離れてしまうのです。
何故なら、欠点豆が混入したままのコーヒーには雑味があるので、正しいおいしさではないからです。
カビの生えた生豆や、発育途中の生豆を正しく焙煎したとしても、おいしいコーヒーには絶対になりませんし、自分以外の誰かの口に入ることは防がないといけません。

適正な焙煎のためのハンドピッキング

数年前は届いた生豆をチェックした時に、小石や布切れや鉄の破片が入っていることが多かったけど、今はどんな業者さんでもそこまでひどくはないようですね。
もちろん、現地からの直送だと、まだまだ色々なものが混入しています。
それらをきれいに取り除いたうえで、どこまで欠点豆を取り除くかは各業者さんの特徴があります。
僕がメインで購入しているところでは、大きさをある程度揃えてから送ってくれています。
1回目のハンドピックのタイミングは、届いた生豆をすぐにチェックして取り除いています。
2回目のハンドピックは、焙煎直前です。ここでも見落としていた欠点豆は何粒かありますし、1回目よりも厳しい目でチェックするようにしています。
ここで気を付けていることは、焙煎のイメージを持ちながらハンドピックをすることです。
正しく焙煎するためにはドラム内の生豆への均一な加熱が必要になるので、生豆の大きさのずれは避けたいです。
また、割れた豆を焙煎すると割れた部分が焦げ付きます。この焦げ付きもおいしいコーヒーのイメージから遠ざける味となります。

焙煎後の2回のハンドピッキング

焙煎後のチェックは、コーヒーのおいしさを妨げる生豆を取り除くことに集中してピッキングしています。

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これらのいずれもが、焦げや嫌な酸味のもととなります。
焙煎前の完成のイメージを阻害する豆は必ず取り除きます。

最後のピッキング

そうして保管しているコーヒー豆を飲むとき、またはお渡しするときの直前にも最後の4回目のピッキングをします。
ここまでくると、ほとんど良質なコーヒー豆しかありませんが、安心して飲んでいただきたい気持ちから最後のチェックをします。

焙煎士が考えるピッキング

最後に、焙煎に情熱を傾けている焙煎士としてピッキングを考えていることは、
完全なイメージ通りの焙煎をしても、不良豆が1粒でもあればおいしいコーヒーではなくなる、ということと、
自分以外の誰かの口に入るものに責任感を持ちたい、ということです。

焙煎修行中には、不良豆・欠点豆だけを飲み続けて、悪い豆の味や香りを研究したこともありますが、それらを飲み続けると胸やけを起こしたり、おなかの調子が悪くなったりと、体の不調もありました。

ただ、コーヒーの生豆を加熱するだけでは、正しく焙煎は出来ませんし、おいしいコーヒーは生まれません。
不良豆・欠点豆を取り除くことで、おいしいコーヒーを楽しむ、幸せな時間が生まれると考えています。

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