読書日記 【エッセンシャル思考】

こんばんは。以前読んだ『エフォートレス思考』は、著者Greg Mckeownさんが書いた『エッセンシャル思考』という本の続編だ。

私は続編の『エフォートレス思考』の方から読んだのだが、凄く良かったので『エッセンシャル思考』も読む事にした。

先ずは英語版の『Essentialism』をAudibleのクレジットが余っていたので1コインで購入してオーディオブックで聴いてみた。凄く大切な事を話していて、面白い。でもオーディオブックだと聴き流してしまい、集中出来ないので結局本も買って読んでみる事にしたのだ。

本の後ろの方のページで確認したら、この本は第一刷が出版されたのが2014年。そして私が買った本は44刷目なので、その存在は最近知ったけれど、どれだけ売れている本なのか良くわかる。

サブタイトルは「最小の時間で成果を最大にする」で、そのタイトルから予想してプライオリティ設定の本だと思っていた。例えば、今仕事でタスクが10個有るとすると、一番重要なタスクからそうでない物に並べて順にこなしていく、そんな話かなと想像していた。しかし、驚いた事に内容は違っていた。

著者のメッセージは、一番重要なタスクだけやる、だ。他の事は全て断る。は?欧米では可能かもしれないが、同調圧力の強い日本でそれをやったら、角が立ちまくるのでは無いだろうか。おまけに、やらなかったその他のタスクは誰がやるんだろう?これだと結局ノーと言えない優しい人にどうでもいい仕事が集中してしまって可哀想では無いだろうか。かなり難度の高い話だ。

しかし、著者の言っている事は実はもっともで、自分にとって大事な事は何かと見極めて、そこにエネルギーを集中するのが成功への一番の近道だ。仕事や頼み事を言われるまま何でも引き受けていたら、中途半端になってしまって結局何も達成出来なかったという事になり得る。それに、会社はいくら綺麗事を言っても他の人と比較される評価の競争の場所だ。他人の心配が自分にとって一番大事な事なのであればそこに集中すれば良いと思うが、自分の社内での成績と評判、そしてワークライフバランスを考えるのであれば、会社にとって(そして自分の成功にとって)最重要な課題に集中して終わらせるのが正に「最小の時間で成果を最大にする」方法なのだ。

 非エッセンシャル思考の人は、周囲の期待やプレッシャーに負けて、不本意なイエスを言ってしまう。よく考えもせず、相手を喜ばせるためだけに仕事を引き受ける。単純に、そのほうが気分がいいからだ。
 一方、エッセンシャル思考の人は、そうした気分の良さが長続きしないことを知っている。一瞬の満足の後でやってくるのは、深い後悔だ。なぜこんなことをやらなければならないのかと、相手を恨み、自分を責める。もっと重要な仕事が犠牲になったことに気づき、ショックを受ける。
『エッセンシャル思考』

上の文を読んで、耳が痛い。私も歳を重ねてマシになっていったが、仕事を辞める数年前迄は長い間非エッセンシャル思考人間だった。自分にとって何が大事かと考えるのでは無く、他人を起点に考えていたからだ。人を助けたり、協力したり、チームプレイヤーとして立ち回るのは仕事の中では勿論大事だけれど、それよりも自分を一番大事にする事を忘れてはいけないと今になって良〜くわかる。そうじゃないと、他人の成功をサポートするだけで自分は二の次で終わってしまう。

『エフォートレス思考』も良かったけれど、『エッセンシャル思考』は更に大事な話が詰まっている。20代や30代の人には特に是非お手に取って読んでみて欲しい。こちらを読んでエッセンシャル思考を学ぶ事で、40代や50代になってから、「こんな筈じゃなかったのに!」と感じる可能性が低くなると思う。


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