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後ろ姿

  “後ろ姿は自分じゃ見えぬ。
            見えぬ姿に人間が出る。”  相田みつを

 自分の思っている「ジブン」と、周りから見た「ジブン」は違うところもある。そしてこの言葉の通り、周りから見た「ジブン」にこそ本当の自分が現れていると思う。

 ちょっとしたひと言や仕草、振る舞いを周りの人は案外よく見ている。
そういう自分では気づかないような些細なところにこそ本当の「ジブン」がいるのかもしれない。
 
 親切にしたつもりでも、相手からしたら迷惑だったかもしれない。
冗談で言ったつもりが、相手からしたら傷ついたかもしれない。
そうだとすると、「ジブン」という人間がどんなひとなのか、決めるのは周りの人なのかもしれない。

 もしいい人だと思われたくて色々やっても、された人が嬉しい、ありがとう、気が利くな、優しいな、と思わなければ意味がない。
〇〇と思われたいから、と意識してしまうと周りからはそう思われないことが多い。
やっぱり、自分の意識していない部分にこそ本来の“ジブン”が現れているんだと思う。

 けれど、自分の意識次第で少しずつ「ジブン」を変えていくこともできると思う。
例えば、学校や近所ですれ違った人に挨拶をするか、しないか。
道端で知らない人がものを落としたときにとっさに拾うか、拾わないか。
そんな誰も見ていないような小さいことを丁寧にやれるかが大切だと思う。
挨拶してるか、ものを拾ったか、いちいち見てる人はいない。でも、そういうことが自然とできるような人は一緒に過ごしていれば確かに分かる。
それに、挨拶をされた人や、ものを拾ってもらった人の一人ひとりには、この人は素直だな、親切だなと思ってもらえてると思う。

 誰かが見てるからやる、見てないからやらないではなく、自分の心持ちが自分の後ろ姿に反映されていくと思う。
ちっちゃなことでも一つひとつ、大事にこなしていくその姿勢は、実際に行動しているところを見なくても感じると思う。

 自分が周りからどう思われているかは分からない。
だからこそ、自分に対しても周りに対しても純粋な心を持って、どんなことも丁寧にそして、感謝して生きていきたいと思う。

 


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