新入社員の方へおすすめの本、その5。『世界一やさしい「才能」の見つけ方』
才能という概念を根底から覆す本。
あなたの一見短所に見えるところは、実は長所の裏返しだった。
たとえば、
包丁的才能があったとします。
これを使って魚を切れば、食べた人に喜んでもらえ、人に感謝されます。幸せな選択です。
しかし、これを使って人を斬ったら犯罪です。人から嫌われるし,怖がられます。不幸の道です。
同じ包丁的才能でも全く違った人生になります。
才能には長所的使い方と短所的使い方があったのですっ!
もしいま、仕事であなたが、自分でダメだなとか仕事できないなとか、才能ないのかな、とか思い始めていたら、ぜひともこの本を読んでみてください。
これは決して今の仕事を辞めて転職を促しているわけではありません。
逆です。
今いる場所で、今起きている状況をもう一度見つめ直して見てほしいのです。
見方を変えるだけで、もしかしたら、今自分に起きている現象の中から自分の才能に気づけるかもしれないから。
ここで、自分の体験を入れます。
自分の新入社員時代のときの話です。
大学3年の夏に中退。
2、3のバイト経験の後、翌年春に靴の全国チェーンに中途採用を前提にしたアルバイトとして入社。
その時は、ある事情で、好きでもなんでもない靴屋に入りました。
荻窪の駅前にあるショッピングストア内にある靴屋でした。
スリーピースでバッチリ決めて出勤。
しかし、開店前に、店長から、「君は今日から店頭販売をやってくれ」と言われる。
スリーピースの上着だけ脱いでワゴン5台の後方に立つ。午前10時から夜7時まで、1週間、食事と夕方の小休憩以外ずっと一人で。
ワゴンに並んでいるのは,4月の新学期前ということもあり、学校の上履きと子供の運動靴という品揃え。
売っているものも,売っている相手にも全く興味も愛情も感じない仕事だった。
ボケーっと立っていたら、
店長に「声ぐらい出せよ」と言われた。
仕方なく,いらっしゃいませ〜と発声した。つい昔やっていた野球部のノリでやってしまった。
ストアの前をゆく群衆がこぞってこっちを振り返った。えっ(^◇^;)
焦った。
そして店長から「あんた、いい声してるねぇ〜」と褒められ「その調子で頼むぞ」と肩をポンッとたたかれた。
はぁ、という感じでした。
混む時もありましたが、基本、暇でした。
「あーつまんないなぁ〜」と何回つぶやいたことか。
あんまり暇なんで、靴箱に入っている釣り銭の中の、玉銭(1円〜100円玉)がバラバラになっていて、お釣りを出す時に手間取るので、コインケースを靴の空箱で工作しはじめる。
1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉。全部で5列作りました。
僕は、手先は不器用だったけど、バラバラ状態に比べたら10倍便利になった。
これを休憩交代のパートのおばちゃんに
「これ、楽ぅ〜」とニコニコ顔で言われ、
感謝されつつめっちゃ褒められた。
その後、暇に任せてせっせと自分で仕事を考えた。
どうやったら振り向いてもらえるか?
普通の声で常に出して活気づけをする。そして、時に大きな声で呼び込みをする。緩急をつけた。
そして、振り向いたその先に目に止まるものがこのワゴンにあるか、と考え、
ワゴンにSALE POPをたて、赤くて大きい数字シールで表示した。
来てくれたお客さんはストアの食品売場目当ての女性が多い。忙しそうだから靴を探す手間を省いてもらうために、サイズ別にキチンと整理してそこにサイズ表示のPOPを付けた。
仕掛けるたびに、テキメンに効果があって面白かった。
などなど。
どうやったら靴を買ってもらえるか考え続けた。
それなりに効果が上がり、その都度店長に褒められた。
終わって見たら、ワゴン5台、子供靴と上履きだけで100万円にもなっていた。
3月31日の閉店後、店長から絶賛の褒め言葉をいただいた。
しかし、その後、自分はこの時のことを忘れてしまっていました。
そして、9年間勤めては本屋に転職しています。
数十年後、この時のことを「才能」のタネとして分析することがあり、とんでもなく才能を発揮しまくっていたことに気づく、ということがありました。
ここで、体験話は終わりです。
新入社員時代は、できないこと、ダメなことの方が多いと思う。
だけど、そこには、自分の才能のお宝がたくさん眠っていることを意識して見てはどうでしょうか。
そうしたら、少しは仕事が面白くなってくるのではないでしょうか。
そのための見方や参考資料がこの本の中にはたくさんあります。
つまり、今あなたが経験している仕事のすべてが、あなたの才能の発掘のデータとなるのです。
今、仕事が楽しい人は、多分自分を振り返ったりしていないと思います。
でも、仕事が辛い人やつまらないと思っている人は、おそらく「こんなつもりじゃなかったのに」の思いから、自分の選択を悔やんでいることでしょう。
それはつまり自分を振り返っていることになるのではないか。
それは、自己理解のチャンスです。
そのまま、悔やみ続けていないで、ぜひこの本を読んで自分を振り返って見てください。
目の前の仕事が違って見えること間違いなし。
毎日が自分理解のチャンスに溢れています。
自分を理解すれば才能は発揮し放題です。
それに気づかせてくれるのが,この本です。
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