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孤軍奮闘の先生同士につながってほしい

こんにちは。エデュサポです。

今回は学校の先生の話をします。学校の先生にもいろいろな先生がいらっしゃって、日々授業の研究を熱心にされていて、授業に新しいものを取り入れ続けている先生がいらっしゃいます。

私が今までに勤務した塾では、新しいことというのは煙たがられました。学校で働いたことがないので確かなことはわかりませんが、学校でも新しいことを始めようとすると煙たがられるのではないでしょうか。

しかし、塾よりも長い時間子どもたちと接する学校で、新しい教育を取り入れていただけることはとても嬉しく感じています。そして、新しいことに挑戦する先生方を尊敬しています。

そんな挑戦し続ける先生方が、もっと子どもたちの成長につながる授業ができるようにする方法はないだろうかと考えたことを記します。

私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。

学校勤務の経験はありませんが、塾での経験を交えながら、学校がこうなったら良いのになと思うことを書いてみます。教育の現場にはいましたが、学校の外にいた人間の一つの意見として、学校の先生方のアイデアの一端となればとても嬉しいです。

先生はつながらない

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塾の仕事をしてきてずっと思っていたのは、先生同士がつながらないということです。

先生の授業の現場は教室です。基本的に教室には先生1人と生徒大勢という形になります。したがって、授業の現場に同僚がいることはあまりありません。

授業準備や授業研究に関してもおのおので行うため、アイデアの共有もほとんどありませんでした。

ときどき模擬授業という形で他の先生に自分の授業を見てもらうのですが、ここではボロクソにダメ出しされるため、ただ心に傷を負うだけです。

なぜか、「模擬授業ではダメ出しをすることが正義」のような風潮がありました。より良い授業を作るためのアドバイスや、新しい授業方法のアイデアの共有が目的ではありませんでした。模擬授業では、成長につながる何かを手に入れることはできそうもありませんでした。

業務でもつながらない

塾の先生同士は、業務でもつながっていませんでした。

掃除や発注や物品管理など、細かい業務での役割分担や協力はありました。しかし、いざ授業に関連する業務のこととなると、先生同士はつながりません

例えば、中学英語を指導する先生であれば、不規則動詞のプリントは必ず使うことになります。生徒が不規則動詞の活用を覚えやすいようにプリントを作ったり、しっかり暗記できているかを確認するためのテストを作ったりします。

校舎内には中学英語を教える英語の先生は何人もいたのに、全員が別々に不規則動詞プリントを作っていました。もっと言えば、他校舎も含めればかなりの人数の英語担当がいたのに、全員別々に不規則動詞のプリントを作っていました。

もし、誰か一人が不規則動詞のプリントを作って、他の先生がみんなで利用できたら良いのに思いました。そして、利用していく中で改善点を見つけ、更に良いものへと作り変えていったらどうでしょう。

英語の授業を担当する先生がアイデアを集めてプリントを改善していけるのです。絶対に良いものが作れると思います。

作る→共有する→改善する

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教材やプリント作成がアナログだった時代に比べ、デジタル化した現代では制作物の共有が容易になりました。「作る→共有する→改善する」のハードルが、以前より遥かに低くなりました。

共有できるようになれば、全員が0から作る必要がなくなります。0から作らなくて良いので、どんどん良いものに発展させることができます。学問と同じですね。先人の積み上げの上に更に積み上げれば、より発展していきます。

ちなみに、私は社内の共有フォルダに作成したプリント等を共有できるフォルダを作って、「作成したプリントをみんなで共有しませんか。」と提案したのですが、誰もアップロードしてくれませんでした。アップロードしていたのは私だけでした。

私が作ったプリントを利用してくれた先生がいたかどうかはわかりません。もしかすると、私がアップロードしていたプリントがショボすぎて、他の先生方が利用価値を感じてくれなかったのかもしれませんね。つらい

プリント以外も共有したい

例として英語の不規則動詞のプリントの話をしましたが、本当は共有したかったのはプリントだけではありません。

例えば、授業に関するノウハウを共有したかったです。塾の先生は、それぞれが授業の中で壁にぶつかり、それぞれが悩んで考えて、それぞれが解決策を見つけて、それぞれがより良い授業を作り上げていきます。

もし、悩みや解決法のアイデアを共有できたら、塾全体の先生のレベルアップにつながります。一人で悩む時間を短縮して、その代わりに新しい解決方法を考える時間に当てられます。三人寄れば文殊の知恵効果も期待できます。

これからは授業そのものも共有できる

少し前置きが長くなりました。ここまで、塾での経験を中心に書きましたが、学校の現場はいかがでしょうか。似たような部分もありましたでしょうか。

さて、電子黒板がもっと普及して、授業で当然のように使える環境が整えば、板書も他の先生方と共有できます。板書まで共有できれば、授業そのものを一つのパッケージとして共有できます

先人たちが積み上げてきた授業のノウハウを詰め込んだパッケージ授業を共有して利用できれば、それぞれの先生が利用する中で更に改善を重ねて、更にノウハウを詰め込んでいくことができます。それを更に共有できれば、更にまた改善することができます。

板書や授業の流れはデジタルデータとして保存されるので、全員が0から授業を作り上げる必要がなくなります。膨大な業務に追われる先生方に時間の余裕が生まれれば、より良い授業を開発することに時間を使っていただけます。

革新的な授業は既にある

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私は、何度か学校の先生方の講演を拝聴する機会がありました。その中には、驚くような新しいアイデアに富んだ授業をされている先生方も多くいらっしゃいました

生徒が主体的に参加し、生徒同士がディスカッションを重ねる授業をされる先生もいらっしゃいました。一つのテーマについて生徒がグループごとに調査し、それぞれのグループの発表を通して、さらに議論を発展させるような授業をされている先生もいらっしゃいました。

先生は授業のサポート役で、実際に授業を作り上げるのは生徒たちであると言われる先生方も多かったです。

そんな授業に時間を割いていて、受験の方は大丈夫なのだろうかとも思いましたが、毎年難関校に数多くの合格者を出している学校の先生方のお話が多かったです。生徒が主体的に参加する授業が、結果として受験にも役立っているということを、合格実績が証明しています。

もちろん、生徒が主体的に授業に参加することの目的は、入試で合格を勝ち取るためのものではありません。入試よりもっと先の未来を見据えています。

ともかく、世間一般で認知されるステレオタイプの授業を脱却し、革新的な授業を研究されている先生方は、実は多いのだということを知りました

一人の力は小さい

これは私の想像ですが、新しい授業を取り入れたいと思われている先生は相当数いらっしゃるのではないかと思っています。

しかし、多くの職場では革新的なことは煙たがられます。上の考えとしては、余計なことをして失敗して、責任を負わされては困るという考えもあるでしょう。

学校内で1人や2人、新しいことを始めようと思っている先生がいらっしゃっても、形にすることは難しいのではないでしょうか。上層部を変えなければ、実現が難しいのではないでしょうか。

まさに、孤軍奮闘されている先生もいらっしゃるのではないでしょうか。

インターネットが状況を変えられないか

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状況を根本から変えるためには、上層部に変わってもらう必要があります。現場レベルでできることは限られてしまうからです。

今すぐに根本的解決は望めないかもしれません。しかし、インターネットが状況を良くするツールになってくれないかと思っています。

新しいことをやってみたい先生が、仮に各学校に1人か2人しかいないとしても、日本中を探せばたくさんいます。世界中を探せばもっとたくさんいます。

インターネットがあれば、物理的な距離を埋めて、世界中の先生方とつながることができます。そして、この記事の前半でお話した「授業のパッケージ化と共有」ができれば、世界の教育は劇的に変化する可能性があるのではないでしょうか。

そして、そのようなことは技術的には可能なはずです。私個人の力では難しいですが、資本と人材を投入すれば可能でしょう。もしも仕組みやサービスを作ることができれば、孤軍奮闘する先生方の大きな力になるのではないでしょうか。

その資本と人材をどうするか、利益を生む事業とすることができるのか、解決すべき課題は多いですが、考える価値のあるテーマだと思っています。

まとめ

テクノロジーの進歩が、教育に変革を起こす可能性を生み出しました。

個人の力では難しくても、インターネットを介して多くの先生方がつながれば、大きな力になりえます。テクノロジーの進歩によって授業をデジタル化することができるようになりました。その結果、新しい授業や新しいアイデアを共有し、それらを多くの意欲的な人達によって更に発展させることが容易になりました

今回私がお話したことは、一つの意見でしかありません。ただの絵空事かもしれません。しかし、一つの小さな意見も、どこかでつながって大きな結果につながるかもしれません。

子どもたちの主体的な学びを達成するための一つの考えとして、議論の一端としてもらえたらとても嬉しいです。

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