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評価方法を変えれば教育は変わる

こんにちは。エデュサポです。

「論理的思考が大切です。」「暗記だけの勉強は良くありません。」「英語は読めても話せなければ意味がありません。」「社会に出てから役立つことを勉強すべき。」など、教育に関して長らく変革の必要性が叫ばれ続けてきました。

しかし、周りを見渡せば、大きな変化は見られません。なぜ教育現場はこんなにも変わらないのかと、嘆かれる方も多いでしょう。

ところが、現場には教育を変えようと努力している熱心な先生も多いです。教育が変わらないのは現場の責任ではありません。教育が変わらないのは、評価のあり方が変わらないからです

今回は、評価の大切さについて書いていきます。

私は以前、塾講師の仕事をしていました。集団塾と個別塾で講師と教室長を務め、オンライン教育系の塾運営の仕事をしていた時期もあります。かれこれ20年以上、塾業界で働きました。

これまでの経験を基にお話します。最後まで読んでいただき、子どもたちの評価の意味ついて知っていただければとても嬉しいです。

求められるものとのギャップ

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現状では、子どもたちに求められる技能と、子どもたちの評価対象には大きなギャップがあります

わかりやすい例として、英語の勉強について考えてみましょう。

英語は、読めるようになることよりも、話せるようになることの方が大事ではないかと、ずっと言われ続けています。しかし、英語を話せるようにするための授業は重要視されません。

以前よりは学校で英語を話す機会は増えました。しかし、本気で英語のスピーキングに取り組んでいる子どもは少数派です。英語が話せれば、将来大きなアドバンテージとなりうるのに、なぜ重視されないのか。

理由は単純で、入試で出題されないからです

私は塾で働いていたので、その傾向は顕著でした。当然、塾ではスピーキングの練習は全くしませんでした。そんなことをしようものなら、生徒からも保護者からもクレームが入るからです。

塾へは志望校合格を目指してみなさん入学されます。その塾の授業で、入試で問われない内容を扱うことは許されません。どんなに子どもの将来のためになると思っても、授業では扱えません

単語や文法の定着のために生徒に英語を音読させますが、それは英語を話せるようにするためのトレーニングではありません。

テストに出なければ勉強しない

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テストに出ないとわかっているところは、生徒は勉強しません。授業中にどんなに「ここは大事だから絶対にできるようにしてね。」と説いても、テストに出ないとわかっていれば生徒は取り組みません。

例えば、仕事でも給料の査定に関係のない業務には積極的には取り組めません。

フィギュアスケート競技では、ジャンプ中の回転数を増やすための練習に力を入れます。ジャンプは点数が高いからです。

私はよく授業準備をする際に、授業の最後に実施するテストを一番最初に作っていました。先にテストを作って、そのテストができるようにするための授業を考えていました。

塾では単純に「学力」の部分しかテストできませんが、学校であればもっと多彩な評価ができます。

主体性や積極性、創造性や独創的な発想などを評価基準に取り込むこともできるでしょう。

「これができれば点数が取れる」、「ここを頑張れば通知表が良くなる」と実感できていることには、多くの生徒が積極的になってくれます

結局は入試次第

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現場レベルでは、恐らく多くの先生がいろいろな評価基準を工夫されていると思います。評価基準が生徒の行動に大きな影響を与えることをご存知だからです。

しかし、現場レベルでどんなに頑張っても、入試が変わらなければ大きな変化は起こせません

学校の先生が独自の評価基準を作って生徒の成長を促そうとしても、塾の講師が独自の評価基準を作って将来本当に役に立つ知識をつけてもらおうと促そうとしても、入試で問われなければ結局は重視されません。生徒からも、保護者からも重視されません。

「学校の勉強なんて将来役に立たない。」や、「学校で勉強しても英語が話せるようにならない。」といった意見は、学校にぶつけても仕方ないことなのです。

そういった意見は、もっと上層部、入試の方針を決めるような機関にぶつけなければ意味がありません。現場のあり方を変えるのであれば、評価の基準をまずは変えさせなければなりません

主体性こそが大事と訴えるのであれば、主体性が評価される入試が必要です。英語が話せるようになることが大事と訴えるのであれば、英語のスピーキングが評価される入試が必要です。

確かに各大学は入試を工夫し、多様な生徒を受け入れるようになってきています。しかし、この流れを加速させるためには、政治レベルで変える必要があるでしょう。

政治を動かすのは民衆です。学校教育をより子どもの成長の場とできるように、一度みなさんも入試制度がどうあるべきか考えてみてください。


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